Build での発表: Visual Studio Mobile Center のプラットフォーム、選択肢、機能を拡充

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。【元記事】 More Platforms, More Choices, More Power: Visual Studio Mobile Center at Build 2017/5/11

 

昨年秋に、マイクロソフトは Visual Studio Mobile Center (プレビュー) をリリースしました。これは、モバイル アプリのライフサイクル管理と高品質なアプリのリリース サイクルの短期化を支援するために開発された開発者向けクラウド サービスです。今回はこの Mobile Center の機能強化を行い、さらに幅広いユーザーの皆様やプラットフォームでご利用いただけるようにしました。

新機能

Windows のサポート

Windows Test

Mobile Center は、すべてのアプリ開発者が高品質なアプリを短期間で構築し配信できるようにすることを念頭に設計されました。マイクロソフトは、すべての開発者がどのようなプラットフォームを利用しても最高の環境を手に入れられるすることを目指しています。Microsoft Build 2017 (英語) の今朝のセッションでは、iOS と Android に続き、新たに Windows アプリをサポートすることが発表されました。これにより、ユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) の開発者が Mobile Center の Build、Distribute、Analytics の各サービスと新たな Push サービスを利用できるようになります。Crashes および Test サービスも、年内の提供開始を予定しています。

新しい Push サービス

ソフトウェアを安全かつ迅速に配信するためには、優れた CI/CD パイプラインが不可欠です。Mobile Center の Build、Test、Distribute の各サービスは、開発者のワークフローに必ずこのパイプラインが含まれるように設計されています。Crashes のレポートや Analytics サービスを利用すれば各リリースの品質や使用状況を十分に把握することができますが、開発者の皆様からは、Mobile Center の Analytics サービスのデータを使用して Push メッセージを送信し、エンド ユーザーがすぐに通知を受け取れるようにしてほしいという要望が寄せられていました。これが実現すれば、開発者とエンド ユーザーがさらに緊密に連携できるようになります。

新しくなった Push サービスをご利用いただくと、Mobile Center の開発者は特定範囲のユーザーに最適なタイミングでメッセージを送信できます。ユーザーは、通信事業者、言語、デバイスのモデル、画面サイズ、タイム ゾーンなど 10 種類以上のプロパティに基づいてセグメントを作成できます。このプロパティは今後さらに追加される予定です。Push サービスをお試しいただくには、アプリ内のサポート機能からマイクロソフトまでご連絡ください。

Visual Studio Team Services と Bitbucket の統合

Repos

マイクロソフトでは GitHub を積極的に活用しており (英語)、昨年 11 月に Mobile Center の Build サービスを GitHub からリリースしました。そして本日は、皆様にさらなる柔軟性と選択肢を提供するために、Visual Studio Team Services および Bitbucket からの git リポジトリへのアクセスをサポートしたことを発表します。今後は、組み込みの便利なプッシュ機能や新しいリリース テストも含め、すべてのリポジトリおよびサービスで同じ機能を使用できます。

XCUITest と Espresso による新たなテスト フレームワーク

プレビュー版の Test サービスは多くのお客様から高い評価を得ていますが、その一方で、プラットフォーム独自の使い慣れたフレームワークでテストを作成できるようにしてほしいという声も聞かれます。こうした声にお応えするために、iOS と Android のネイティブなテスト フレームワークである XCUITest と Espresso を新たにサポートします。これにより、自動 UI テストを好みの言語で作成したり、既存のテストを Mobile Center の Test サービスに移植したりできるようになります。

ストアへのデプロイ

Mobile Center には最初のプレビューの時点から便利なテスター向けベータ版配布サービスが備わっており、正常に構築されたビルドがテスト担当者に自動で送信されるようになっています。開発者の皆様からは、これと同じようなしくみをアプリ ストアや企業ポータルへのアプリケーションのデプロイで利用したいというご要望がありました。

今回の Distribute サービスの強化により、品質検証に合格した最新ビルドをアプリ ストアや企業ポータルに直接デプロイできるようになりました。現在は Google Play で利用可能ですが、Intune、App Store、Windows ストア用のコネクタも近日追加する予定です。

Store

HockeyApp と Mobile Center

Mobile Center は HockeyApp に代わる新世代のサービスです。このたび、HockeyApp ユーザー向け移行プランの初期ステップを開始します。これにより、既存の HockeyApp アプリを Mobile Center 内で使用したり、クラッシュ レポートや分析結果を解析したり、Build、Test、Push の各サービスに接続したりできるようになります。

アプリ、組織、コラボレーター、テスト担当者は HockeyApp と Mobile Center に共存できるため、HockeyApp のエクスペリエンスに影響を与えることなく、アクティブな HockeyApp アプリで Mobile Center の新しいサービスを利用することができます。一貫性を保つために HockeyApp で変更された内容が Mobile Center に反映され、また HockeySDK からのアプリ データは Mobile Center にも送信されます。

この機能は、段階的に HockeyApp ユーザー向けにリリースされます。アプリでの使用準備が整いしだい、開発者の皆様にメールでお知らせいたします。

今後の予定

今回の新しいモバイル プラットフォーム、テスト フレームワーク、Push サービス、リポジトリのサポートに続き、今後も多くの新機能を提供してまいります。数か月以内に、一般ユーザー向けのアプリ ストアや安全なプライベート ポータルへのデプロイを予定しています。また、UWP のサポート強化、HockeyApp および Test Cloud サービスの対等化、まったく新しいクラウド開発サービスなども計画中です。こちらからサインアップ (英語) して、ぜひ Mobile Center をご利用ください。

Keith Ballinger (モバイル開発者向けクラウド サービス、プログラム マネージメント ディレクター)@KeithBa Keith Ballinger は以前、マイクロソフトが 2016 年 3 月に買収した Xamarin の製品担当バイス プレジデントを務めていました。.NET チームでの PM 経験をはじめとして、製品管理、起業、エンジニアリングの分野で優れた経歴を持っています。2007 年にはマイクロソフトから移籍し、複数のスタートアップの共同設立にかかわりました。2012 年には、年間 10 億ドル以上を処理するモバイル決済アプリケーションである SmartPay の開発チームのリーダーを務めました。Xamarin に入社する前は、Y Combinator が支援するスタートアップ Standard Treasury でチーフ アーキテクトを務め、API ファーストのバンキング サービスを構築していました。『.NET Web Service: Architecture and Implementation (.NET Web サービス: アーキテクチャと実装)』、『Special Edition: Using ASP (特別版: ASP の使用、共著)』という 2 冊のプログラミング関連書籍を執筆しています。