GDC 報告: ゲーム開発各社の Windows 8 における成功事例

サンフランシスコにて今週開催中の Game Developers Conference (英語) では、続々と発表される Windows ストアの新しいゲーム タイトル (英語) が会場を大いに沸かせています。また、数百万に及ぶ Windows 8 ユーザーにアプリを届け、最大の投資利益を実現するためのさまざまな新しい方法が報告され、アプリ開発者の最大の関心を集めています。

私たちは昨年の 11 月、Windows 8 向けのゲーム開発について Halfbrick Studios、Arkadium、Oceanhouse Media の各社に話を聞きました。

今週の GDC では、Halfbrick の Windows 8 における成功がより詳しく明らかになりました。

  • 全売上に対する収益分配率 80% を達成: 販売期間中に合計収益額が 25,000 ドルを超えたアプリは、収益の 80% が開発者に還元されます。数多くのゲーム開発企業と共に Halfbrick もこの数字を達成しました。
  • タッチとマウス/キーボードの両方の操作に対応することで、各種 Windows 8 デバイスのユーザーに幅広くアプリが届く: Halfbrick で CTO を務める Richard McKinney 氏は次のように語っています。「Windows 8 ではまったく同じようにタッチとマウスをサポートできます。初めて Windows 8 に移行した際は非常に数多くのフォーム ファクター、ラップトップ、デスクトップがあることに多少戸惑いましたが、これらのデバイス向けの開発に、本当に 1 つの API だけしか使わずに済むのです。ゲームの適切な動作を、見たこともないほど巨大なデバイスから Surface タブレットまで自由にスケール アップ/ダウンできます」
  • 無料の試用版を活用して有料ダウンロードにつなげる: Fruit Ninja には有料ダウンロードと無料試用版の両方が用意されています。ゲームを無料で試した後 [Purchase] をクリックする (Fruit Ninja の場合は [Purchase] を "斬る") だけで、追加のダウンロードや再インストールなしでゲーム全体を楽しめるようになります。無料試用版をサポートする Windows 8 では、2 つの異なるバージョンのアプリの開発、テスト、デバッグ、管理にかかるアプリ開発者の時間と労力を節約できます。試用版からフル バージョンにアップグレードした場合、アップグレードする前の場所からゲームを再開できるので、ユーザーにもシームレスなエクスペリエンスが提供されます。

Fruit Ninja 試用版の画面

Windows 8 は最初の 3 か月で 6000 万ライセンスを販売しました。Halfbrick は、この勢いに乗った数多くのゲーム開発企業の 1 つであり、同社の Windows ストア アプリの最近 30 日間の売上は 100,000 ドルを超えています。その他さまざまな独立系ゲーム開発企業が同様の成功を達成しています。たとえば Rebellion は同社の Guns 4 Hire ゲームを Windows 8 に展開し大成功を収めました。Guns 4 Hire の Windows 8 バージョンは、次点のプラットフォームに比べて平均収益が 75% 高く、ダウンロード数も 40% 多くなる見通しです。その他、独立系ベンチャー企業 Mudvark が Windows 8 で初めて発表したゲーム タイトル Mortar Melon は、当初の予想ダウンロード数は 3,000 でしたが、現在既に 250,000 ダウンロードを達成しています。

新しい強力なツールも次々に公開されています。Unity が公開した Windows 8 向けゲーム エンジン Unity 4 に対応するベータ SDK (英語) によって、同社の 150 万人の登録開発者が Windows 8 プラットフォームでご活躍いただけるようになりました。既にさまざまなゲーム開発会社が同 SDK を自社のゲームに統合しており、ストアにも Unity ベースのゲームがいくつか登場しています。

Windows 8 でのゲーム開発には、他にもさまざまなメリットがあります。

  • コードを再利用でき、これまでのゲーム開発経験を活かせる: 通常は、ある Microsoft プラットフォームでの経験を別の Microsoft プラットフォームで活用することで、コード開発のコストを最初の作業時の 15% 以下に抑えることができます。
  • 強力な開発ツール: 新しい Visual Studio テンプレートを活用して、ゲーム開発期間を短縮できます。
  • 新しいフォーム ファクター、さまざまな入力方式、柔軟なビジネス モデル: さらに SDK を活用すれば、1 回開発したゲームをあらゆる Windows 8 デバイスで実行できるようになります。

また、Windows デベロッパー センターの「ゲームの開発」セクションが更新され、ゲーム開発環境の設定 (英語)、DX 9 から DX 11.1 への移植 (英語)、OpenGL から DX 11.1 への移植 (英語) に関するガイダンスが新たに追加されました。Windows 8 にゲームを移植する際のスムーズなエクスペリエンスにお役立ていただけますとさいわいです。

Game On

--Ben Thompson、パートナー マーケティング マネージャー