これまでの記事では、アプリを準備する方法や、ストアを利用してアプリから収益を得るさまざまな方法について説明してきました。同じくらい重要な点として、アプリの売り上げに対する支払いをどのように受け取るかという問題があります。この記事では、プログラム マネージャーの Paul Lorah が、Windows ストアにおける支払いの処理方法と、支払いをタイミングよく受け取るための要件について説明します。

-- Antoine


皆さんの有料アプリを市場に公開するためには、皆さんへのお支払い方法に関する情報を事前に Microsoft に提供していただく必要があります。いよいよ皆さんが気になっている話題、銀行取引と課税についてお話しするときが来ました。納税フォームと銀行口座明細の山を処理するところを考えたら、だれでもめまいを感じることでしょう。でもご安心ください。Windows ストアは、財務と課税に関する書類提出に伴う皆さんの負担をできるだけ軽くすることを目標としています。今回の記事では、皆さんがアプリを販売し、予測どおりに支払いを受け取り、収益を追跡できるようにするために開発された合理的なサービスについてお話しします。

銀行と課税に関する情報は、開発者としての登録が完了すればいつでも提出できます。皆さんの有料アプリが速やかに公開されるようにするために、この情報はなるべく早く提出することをお勧めします。

収益の入金先

毎月、販売活動が支払い条件 (後述) を満たすと、指定した銀行口座に支払いが入金されます。このようなアプリの収益の送金には、銀行口座のある国に応じて、電子決済、SEPA 決済、電信送金のいずれかが使われます。支払いの受け取りには、銀行手数料が別途かかる場合があることに注意してください。

ストア ダッシュボードの [Profile] (プロフィール) の下には、支払い先口座を指定できるリンクがあります。この口座に支払いが送金されます。指定する銀行口座の情報をお手元に用意してください。支払い先口座の設定手順は国によって異なるため、追加情報の入力が必要になる場合があります。また、国際送金に対応できるように、銀行情報は英数字で入力する必要があることに注意してください。

ドイツ語の支払い先データを英数字で入力しているところを示すスクリーンショット

課税に関して必要となる情報

アプリの収益の支払い先を設定した後は、米国国税庁によって要求される、居住状態と課税の詳細に関する情報を指定する必要があります。そこで私たちは、1 種類のフォームに入力するだけで手続きを完了できる電子提出プロセスを作成しました。これを利用すれば、支払いを受け取るための準備が 1 日以内で整います。ほとんどの開発者は、書類を郵送したり、オフラインの手続きを待ったりすることなく支払いを受けられるようになります。

最初に、ストア ダッシュボードの [Profile] (プロフィール) の下にある [Tax] (税) ページにアクセスします。ここから、米国での居住状態や課税状態に関連する質問がいくつか表示され、回答を求められます。基本的に、開発者または会社が既に米国と関係を結んでいる場合は、IRS フォーム W-9 (Request for Taxpayer Identification Number and Certification) に入力して署名する必要があります。登録データはフォームに自動的に入力されるので、情報を少し追加するだけで提出することができます。

W-9 フォームの例

W-9 フォームを提出する必要のある開発者

名前を確認し、会社の種類を指定してください。個人として登録している場合は、社会保障番号を入力する必要があります。会社として登録している場合は、雇用者納税者番号 (EIN) を入力してください。

これで完了するはずですが、W-9 の記入方法についてさらに詳しい説明が必要な場合は、IRS の Web サイト (英語) を参照してください。フォームを提出すると情報がすぐに検証され、課税状態が有効かどうかがストア ダッシュボードに反映されます。課税状態が有効としてダッシュボードに表示されたら完了です。

課税プロフィールが有効な場合の Windows ストアの表示を示すスクリーンショット

W-8 フォームを提出する必要のある米国外の開発者

米国の納税フォームに記入するのが初めての場合は少し不安になるかもしれませんが、心配には及びません。実際にはほんの少しの補足情報を提出する必要があるだけです。ほとんどの Windows 開発者は、W-8BEN (Certificate of Foreign Status of Beneficial Owner for United States Tax Withholding) というフォームを提出することになります。W-8BEN フォームの Part I は、すべての開発者が入力する必要があります。Windows 用のアプリケーションを販売する場合、個人用納税者番号 (ITIN) は必要ありません。ITIN をお持ちでない場合は、フォーム上のこのフィールドを空欄のままにしてください。

W-8 フォームの第 1 部の例

W-8BEN を提出する場合、米国で販売したアプリの収益に対して源泉徴収がかかります (これは米国外で発生した売り上げには適用されません)。ただし多くの場合、この税金は租税条約によって控除されるか、場合によっては免除されます。適用できる税率の種類は開発者の居住国または会社の所在国によって異なりますが、国際租税条約のリストを順番に調べる必要はありません。居住国を選択すると、適切な租税条約の情報がすべて自動的に表示されます。

受益者 (ほとんどの場合は開発者自身または会社) の居住国を指定して、フォームの Part II に必要事項を入力します。該当する国が一覧にない場合は、残念ながら税金の控除を受けることはできません。国を選択したら、適用される条項、特別税率、特典を要求する理由を選択します。

W-8 フォームの第 2 部の例

W-8BEN の記入方法と、収益に対する租税条約の特典を受ける方法について詳しくは、IRS の Web サイト (英語) を参照してください。ほとんどの場合、提出されたフォームは数時間で検証されます。ただし、開発者の社内での役割 ("能力") によっては、追加のフォームに記入して郵送することが必要になる場合があります。この場合、オンライン申請の手続きの最後に通知が表示されます。これはあまりないケースですが、この必要が生じた場合、要求されたフォームが提出されて Microsoft で処理されるまで、課税状態は無効のままになります。

課税状態が有効になり、かつ支払い先口座の指定が完了すると、世界中の Windows 8 ユーザーにアプリを販売する資格を得たことになります。

アプリが購入された後の流れ

有料アプリがマーケットプレースに登録されたら、そのアプリの売り上げから得られる収益を計算することに興味をお持ちになると思います。先日の Deepak Mukunthu 氏の記事は、アプリのパフォーマンスを長期的に追跡して改良していくうえで、導入レポートがどのように役立つかを紹介するものでした。今回は、売り上げ額がどのようにドル、円、ルピーなど、私たちがサポートする 64 か国の通貨に変換されるかについてお話しします。ストア ダッシュボードにあるファイナンス レポートは、毎日の売り上げの増加を確認できるように設計されています。以降では、支払いが行われる時期と支払われる金額を確認する方法について説明します。

ダッシュボードの [Finance] (ファイナンス) ページでは、どのアプリの収益が支払い済み、予約済み、保留中、または支払い可能であるかをひとめで確認できます。支払い済みのアプリの収益とは、既に完了している支払いです。予約済みのアプリの収益は、まだ支払い対象になっていない最近のトランザクションを表します。トランザクションは通常、購入されてから 30 日が経過するまで支払い対象にはなりません。保留中のアプリの収益は、30 日が経過して支払い可能になったアプリの収益の合計を表します。

ファイナンスの概要のサンプル画面

月単位の支払い額は、保留中のアプリの収益に基づいて見積もられます。支払いを受けていないアプリ販売の金額がおよそ 200 米国ドルまで累積されると、支払いを受領することができます。アプリの販売はアプリの収益とは異なることに注意してください。基本的に、アプリの収益は売り上げた金額からストアの手数料を差し引いた値になります。たとえば、10 米国ドルのアプリを 20 個販売したとすると、アプリの売り上げは 200 米国ドルになるので、トランザクションが予約済みの状態でなくなれば支払いを受けることができます。この場合のアプリの収益は 140 米国ドルです (アプリの売り上げの 200 米国ドルから、30% に相当する 60 米国ドルがストアの手数料として差し引かれます)。ただし、アプリの収益化に関する Arik Cohen 氏のブログ記事で説明されているとおり、アプリの売り上げの合計が販売期間を通じて 25,000 米国ドルまたは同等額に達すると、ストアの手数料は 20% に下がり、開発者はより多くの収益を得られるようになります。

毎月 1 日を過ぎたとき、十分な売り上げが積み重ねられていれば、アプリの収益の見積もり額が概要に表示され、指定した銀行口座に支払いが送金されます。

予約済み、保留中、支払い可能の金額の見積もりは、わかりやすいように開発者の国の通貨で表示されます。これらの金額は、実際に支払われるまではあくまでも見積もり額である点に注意してください。購入者の通貨から開発者の国の通貨への換算は、毎月の収益が送金されるときまで行われません。

売り上げと収益の長期的な追跡

アプリの売り上げに対する最初の支払いを受け取ってからは、ストア ダッシュボードの財務の概要ページで [Payment history] (支払い履歴) を見ることができます。ここには、支払いの行われた日付、受け取った金額、IRS に徴収された金額 (該当する場合) に加えて、アプリの収益が支払われた個々のストア トランザクションをすべて含むレポートが表示されます。

支払い履歴のサンプル画面

また、販売された各 Metro アプリの財務パフォーマンスを追跡することもできて便利です。財務の概要ページからアプリごとの財務を確認できます。ここでは、各アプリについて同じ指標値 (支払われた金額の合計、前回の支払いからのアプリの収益) が計算されます。

アプリごとの財務のページの例

分析に関する皆さんのニーズをすべて予測することはできないので、私たちは、皆さんが自由なレベルで売り上げを詳しく調査できるように、売り上げの "生のデータ" を用意することにしました。財務の概要ページのトランザクションの詳細セクションで、トランザクション レベルの詳細をエクスポートできます。これにはトランザクションの日付、通貨、ストアの手数料、アプリの収益、決済の状態といった重要なトランザクション データがすべて含められるので、独自のツールや開発者向けコミュニティのツールを使ってパフォーマンスを測定することができます。

Windows ストアの販売トランザクションを Excel にエクスポートした例

電子納税フォームからオンデマンドのファイナンス レポートに至るまで、ダッシュボードと開発者のエクスペリエンスは、最初の登録手続きから収益の計算までの手順をできるだけシームレスに、かつすばやく進められるように設計されています。

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