12 月 6 日、私たちは Windows ストアのプレビューを行い、Metro スタイル アプリの Windows 8 First Apps Contest の開催を発表しました。Windows ストアで最初にフィーチャーされるチャンスを開発者に提供するものとして、このコンテストをご記憶の方も多いかと思います。短い開発期間と、開発者独自の想像力と独創性が求められるという厳しい条件にもかかわらず、このコンテストには多くのご応募をいただきました。

本日は First Apps Contest の入賞者を発表し、優秀なアプリをご紹介します。これらのアプリは、Windows 8 Consumer Preview をダウンロードしてインストールすれば、Windows ストアにてご利用いただけるようになっています。

今後のストアの拡充と Windows 8 の開発作業の進行に合わせて、最近のアプリ ストアで主力となっている有名なアプリも数多く登場する予定です。それ以上に重要な点として、アプリを作成したいと考えているすべての開発者のために、強力なプラットフォームに裏付けられた絶好のチャンスがここにあることを強調したいと思います。First Apps Contest によって、ごく短期間のうちにアプリを作成して世界中のユーザーの前に公開できることが実証されました。入賞したアプリは、独立系の開発者が現在のテクノロジを利用して Windows 8 で実現できることの一端を見せてくれます。応募作品はいずれも、Microsoft Visual Studio 11 Express Beta と Expression Blend を使用して 8 週間未満で開発されたものです。

私たちは、Windows ストアの認定要件 (英語) に適合したすべての応募作品を詳細に吟味し、有望なファイナリストのグループを選出しました。その後、開発者と協力して、アプリが Windows 8 Consumer Preview ビルドで動作するようにテスト、改良、更新を重ねました。これらのファイナリストの中から、Windows 8 Metro スタイルの特長と機能をうまく活かした 8 作品を選び出しました。以下に入賞作品をご紹介します (順不同、敬称略)。

Andrei Pushkin および Dima Suponau
Jujuba Software 社
アプリ: Elements Weather Forecast
テクノロジ: JavaScript

私たちは、ワシントン州ウッディンビルにある Andrei の自宅で開発者の 2 人に話を聞きました。2 人は、複数のプラットフォームを対象とする小規模なアジャイル会社 Jujuba Software を共同で運営しています。Andrei は、2011 年 9 月にアナハイムで開催された //build/ カンファレンスに参加し、すぐに魅了されたと言います。「Windows 8 は開発者にとって、この上なく大きなチャンスです。開発者からユーザーへとソフトウェアを届けるプロセスが、今までにないほど簡単になっています。私たちは、急速な拡大が見込まれるこのマーケットに一番に乗り込むことを目標にしました」

新しい快適な UI、クラウド データへのアクセス、開発者がアプリを簡単に作成できるプラットフォームに刺激され、Andrei と Dima は即座に Metro スタイル アプリに取り組み始めました。2 人にとって Metro スタイル アプリの開発は、「ハードながらも非常にスムーズ」に進みました。http://forums.dev.windows.com (英語) でコミュニティと Microsoft エンジニアによるサポートを受けながら、時には深夜や週末まで作業を続け、幼いお子さんとの休日も犠牲にしました。

米国ワシントン州レドモンドの 8 日分の予報

Elements Weather Forecast は、次のようにスナップ ビューでも動作します。

左側にワシントン州レドモンドの天気予報、画面のメイン部分に Bing の Web サイト

これは 2 人にとって最初の Metro スタイル アプリであり、今後の拡充へ向けた第一歩です。Andrei と Dima から同じ方向を目指す開発者へのアドバイスは、「今すぐアプリを作り始めることです。プラットフォームは既に安定して利用できる段階になっています。間もなく大勢の人が Windows 8 のインストールを始めるでしょう。そうしたら、全員がアプリを探し求めるに違いありません」

Bernd Paradies
Adobe 社
アプリ: Pew Pew
テクノロジ: JavaScript

Bernd Paradies はドイツのハンブルク出身で、現在はワシントン州シアトルで暮らしています。Bernd は Adobe 社のシニア開発者でもあり、Adobe Flash ActionScript から JavaScript へのクロスコンパイルに携わっています。カジュアル ゲームである Pew Pew は、もともとは OpenSource 開発者の Mike Chambers によって開発されたもので、Bernd のプロトタイプの 1 つとなりました。

手書きの宇宙船が方眼紙のような場面を飛び回る

Pew Pew を Metro スタイル アプリに書き直すのは驚くほど簡単だったと Bernd は言います。「Metro [スタイル] で気に入っているところは、JavaScript が OS のファースト クラスの言語としてサポートされている点です。C# 開発者が使うのと同じ API にアクセスできるのです。ツールも充実しています」。Windows Dev Center (英語) のドキュメントには、コードを Windows 8 に移植するために役立つ情報が掲載されています。Bernd は //build/ カンファレンスには直接参加していませんが、Windows 8 のエンジニアリング リーダーである Jensen Harris (英語) と Sam Moreau (英語) の講演を視聴してデザインの方針を定め、Metro スタイル UI の主要な機能を実装する際の参考にしました。その結果 Pew Pew は、全画面ビュー、スナップ ビュー、縦向きと横向きという複数のビュー ステートをサポートしています。さらに、共有コントラクト、アプリのローミングのサポート、設定チャームも実装されています。

Pew Pew アプリが右側にスナップ表示され、残りの画面を Bing Web サイトが占めている

手書きのキャラクターについてのコメントとして、Bernd は、Pew Pew を「チープさが魅力」と評しています。実際、アプリの評価チームもその家族も、Microsoft キャンパスにいる他の社員も、一瞬でその魅力に取りつかれました。アプリをダウンロードして効果音を聞くと、名前の由来がすぐにわかります。

Windows ストアについて Bernd はどのように考えているのでしょうか。「Android アプリ ストアでも Apple の App Store でもない別のアプリ ストアができるのは大歓迎です。競争があるのは良いことです。Microsoft は正しい方向に進んでいると思います」

Tim Greenfield
Greenfield Technologies 社
アプリ: PuzzleTouch
テクノロジ: XAML

オレゴン州ユージーンを拠点とする Tim Greenfield は、.NET、Silverlight、HTML、JavaScript を操るベテラン開発者であり、Vertigo Software 社のシニア エンジニアです。Tim は、受賞歴のある Web サイト PuzzleTouch.com (英語) を最初は Silverlight で作成し、後に Windows Phone プラットフォーム (英語) に移植しました。Tim は、Windows ストア向けのアプリの開発に大きなチャンスを見出しています。「Windows 8 をターゲットにすれば、膨大な数のユーザーに接触できる可能性があります。マルチタッチをサポートしている点も魅力です。結局、Windows 8 は私のアプリが最初から目指していたプラットフォームだと思うようになりました。私が Windows 8 向けのアプリを作成する理由はシンプルです。Windows 8 の機能を活かすことで、自分の製品をよりよいものにできるからです。その目標をできるだけ早く達成したくてこのコンテストに参加しました」

マルチタッチ操作向けにデザインされた PuzzleTouch は、XAML と C# で記述されています。既に Silverlight 版と Windows Phone 版があったので、コーディングは簡単だったと Tim は言います。外観を再設計し、マルチタッチ、共有、コントラクトといった Widnows 8 の強力な機能を利用することで、既存のバージョンが Metro スタイル アプリに生まれ変わりました。「Metro [スタイル] デザインの大ファンになりそうです」と Tim は言います。「斬新できれいな外観のアプリを作成できますし、プラットフォームに組み込まれているコントロールやライブラリを利用できるので簡単です。Metro [スタイル] のガイドラインに従えば、差別化しつつも一貫性があり、新しい操作を学ばなくても使い方がわかるアプリができあがります」

鳥のジグソー パズル。最後のピースがまだはまっていない。

「このチャンスを逃さないことです」というのが、Tim から他の開発者へのアドバイスです。「見返りの可能性は大きく、リスクは小さいのですから」

Patrick Cushing
SigFig 社
アプリ: SigFig Portofolio
テクノロジ: XAML

私たちは、カリフォルニア州サンフランシスコのオフィスで Patrick Cushing にお会いしました。SigFig 社で 3 年以上プロダクト マネージャーを務める Patrick は、SigFig Mobile チームを率いています。このチームはさまざまなテクノロジに関する専門知識を持ち、複数のプラットフォームを対象に開発できる柔軟性を備えています。

SigFig 社のような小規模な会社にとっては、アプリを見つけてもらえることがきわめて重要です。Patrick は Windows ストアについて、幅広いユーザー層にアプリを届けることができる絶好の機会と考えています。「世界で最も人気のある OS プラットフォームにアプリ ストアをとおしてアクセスできることを非常に楽しみにしています」

SigFig チームは、コンテストへの参加を通じて Windows 8 エンジニアリング チームから受けたサポートに良い意味で驚かされたと言います。Windows ストアへの対応準備には Windows 8 アプリ認定キット (英語) が役立ちました。「アプリの提出前に、そのアプリが提出要件を満たしているかどうかを確認できるツールがあるのは助かります。提出して拒否されたら、やり直しに余計な時間がかかってしまうでしょう」

My Portfolio に複数の株価、上昇率/下降率、株式市場のグラフィックが表示される

私たちは、SigFig Portfolio アプリの洗練度の高さに感銘を受けました。特に開発期間の短さを考えたら相当なものです。SigFig Portfolio では、さまざまな証券取引口座の金融ポートフォリオの管理、関連ニュースの取得、主要指標に対する投資の影響、さまざまな分析の検討、ポートフォリオの変動の追跡、投資家の推奨情報の取得を行うことができます。SigFig チームはこの機会を捉えて、SigFig Web サイト (英語) ではまだリリースされていない魅力的な新機能を Windows 8 向けの SigFig Portfolio アプリに搭載しています。

円グラフとその他のグラフィック、主要な統計情報

SigFig チームでは、12 月と 1 月の間、10 人のチーム メンバー全員が総力を挙げてアプリの開発に取り組みました。すべてのサービスを標準化するために、アプリには XAML と C# の組み合わせが使用され、グラフの構築には JavaScript が使用されました。Metro スタイルからはインスピレーションを受けたと言います。「私たちは UI に関して、以前には試したことのない新しい試みをいろいろと取り入れました。その経験は既に、他のいくつかのクライアント アプリの設計方法に活かされています」

Imran Shafiq
Dangling Concepts 社
アプリ: Air Soccer
テクノロジ: XAML

Microsoft テクノロジに熟練した開発者である Imran は、ニューメキシコ州アルバカーキに住んでいます。Imran は、このコンテストを Metro スタイル ゲームを作成するチャンスと考えました。「私はずっと趣味でゲームを開発したいと思ってきましたが、ほとんどいつも家まで仕事が付いて回るため、時間がありませんでした」。そんな中、ついに Imran は多忙なスケジュールを縫って時間を作り、最初の Windows Phone アプリケーションである Air Soccer Tour (英語) を開発しました。Windows 8 First Apps Contest の話が聞こえてきたのは、その後間もなくのことです。期限までわずか 2 週間という短さでしたが、Imran はこのチャンスに飛びつきました。

C# と XAML で記述された Air Soccer は、個人による趣味のプロジェクトです。それにもかかわらず Imran は、Windows 8 の開発者向けオンライン リソース、サンプル、フォーラムを頻繁に利用しながら、期限内に最初の Windows 8 Metro スタイル ゲームを完成させ、Windows ストアに提出しました。

ブラジル対アメリカ合衆国のサッカー試合

Imran はすぐに Metro スタイルが気に入りました。「シンプルさ、優雅さ、セクシーさを絶妙なバランスで組み合わせるのは非常に難しいことです。Microsoft のチームは、それを Metro [スタイル] で達成しています。WP7 Metro [スタイル] は新風の兆しとして登場し、たいへん心地よいものでしたが、Windows 8 の Metro [スタイル] はそれ以上のもので、私の心はすっかり奪われてしまいました」

Windows ストアでの見つけやすさと影響が及ぶ範囲を考えて、Imran は、Windows 8 の一般提供後に Air Soccer が収益を生み出すことを期待しています。「無料アプリで収益を得る手段として、Microsoft Ad SDK for Windows 8 (英語) の利用を検討しています。Windows 8 向けに Metro スタイルのゲームとアプリを開発できる日を心待ちにしています」。ひょっとしたら Imran は、趣味をフルタイムの仕事にできるかもしれません。

Andy Beaulieu
Spritehand LLC 社
アプリ: Physamajig
テクノロジ: XAML

Physamajig は、ニューヨーク州シラキュースを拠点とする Andy Beaulieu が開発したクールなアプリです。本質的には描画アプリと言えますが、物理法則に則って作品を動かせるという工夫が加えられています。トラックを描いて画面上を走らせたり、ぬいぐるみ人形をスケッチして手足を付け、あちこちに動かしたりできます。アプリ内の Web サービスを通じて、他の Physamajig と作品を共有することもできます。

簡単な図形を使った描画、画面下部にツール バー

C++、Silverlight、ASP.net を操る熟練した開発者の Andy は、コンテストの開催が告知されたとき、既に物理関係のプロジェクトを Windows 8 に移植しているところでした。Andy の Web サイト (英語) では、Windows 8 で Physamajig が動作しているビデオを見ることができます。

他の開発者と同様、Andy も、Windows Dev Center フォーラム (英語) のアクティブなコミュニティに気付きました。「主要なチーム メンバーがパブリック フォーラム (英語) に参加していることにかなり驚きました。Windows 8 の XAML 実装を担当している主な開発者の人たちが、Windows Dev Center コミュニティ サイトで個別の質問に答えているのです。First Apps Contest はさらに感動的でした。私がどんな質問をしても、すぐに回答が返ってくるか、解決に向けて適切なチーム メンバーに転送してくれました」

Andy から他の開発者へのアドバイスは、「今すぐ行動して何かを作りましょう。そして世に出すのです」

Ratish Philip
アプリ: FlipSaw
テクノロジ: XAML

First Apps Contest の話を聞いた Ratish にとって、Windows 8 Consumer Preview の一部になるアプリを作成するというチャンスは、逃すことができない魅力的なものでした。「Metro [スタイル] プログラミングの腕試しをしたくて仕方がありませんでした。このコンテストは、Metro [スタイル] アプリのプログラミングを学ぶのに十分なモチベーションとなりました」。Ratish は Microsoft のテクノロジとツール (C++、.NET、WPF) に精通していたので、先へ進むのは簡単でした。//build/ カンファレンスで Windows 8 を体験した Ratish は、既に Metro スタイル アプリの開発に夢中になっていました。「Metro [スタイル] アプリは、従来の UI からの完全な脱却を示すものでした。新しい UI はシンプルでありながらきわめて効果的です。まさに高速で滑らかという言葉どおりです」

FlipSaw ゲームには 2 つの面があります。それぞれの面はジグソー パズルになっており、1 つずつ解く必要があります。1 つのパズルを解くと、2 つ目も解かれます。ただし、そこには罠があります。タイルを動かすと、そのたびにタイルが裏返り、反対側のジグソー パズルのコンテンツが表示されます。このゲームは決して簡単ではありませんが、密かに病みつきになります。

8 × 8 のタイル グリッドがあり、それぞれのタイルに数字が含まれる。右側に [リフレッシュ] ボタン

日中は本業で忙しい Ratish は、夜間と週末を利用してアプリを開発しました。Microsoft Visual Studio 11 Express Beta と Expression Blend は必須のツールとなりました。「Visual Studio からストアにアプリを提出することがこれほど簡単とは思っていませんでした」と、インドのバンガロールから届いた便りには書かれています。「Windows アプリ認定ツールは、自分のアプリがストアの要件に沿っているかどうかを理解するうえでたいへん役立ちました」

Sacha Leroux
Bewise 社
アプリ: CookBook
テクノロジ: XAML

Bewise 社は、Sacha とそのチームで構成されるフランスのソフトウェア会社です。//build/ カンファレンスに参加して以来、Bewise 社では Metro スタイル アプリの開発に力を注いでいます。

First Apps Contest には全員が真剣になりました。XAML と C++ で作成された CookBook は、200,000 件以上のレシピを参照したり、検索したり、ブックマークを登録したりできる滑らかなアプリです。CookBook は非常に魅力的で、あらゆる細部までていねいにデザインされています。全画面ビューでは、高画質の写真が見る人の食欲をそそり、いくつかのレシピを試してみたくなります。

クッキーのレシピ。クッキーの画像が片側に表示されている

Bewise チームは、Consumer Preview 以降にリリースするアプリを既に計画しています。CookBook のように美しくデザインされた見事な作品がもっと披露されることを楽しみにしています。

Windows ストアの最初のアプリを提供してくれた開発者の方々とお会いしてお話しするのは、非常に刺激的な体験でした。このインタビューの一部を短いビデオにまとめましたので、詳細についてはこちらをご覧ください。


ビデオをダウンロードしてお好みのメディア プレーヤーで再生することができます:
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Windows 8 Consumer Preview 以降、開発者の皆さんから提出されてくるアプリを拝見するのが待ち切れません。今は First Apps Contest の入賞者を称えつつ、Windows 8 Consumer Preview (英語) のダウンロードをお勧めしたいと思います。Windows ストアで新しい Metro スタイル アプリをチェックして、ぜひご自分のアプリを作り始めてください。

- Antoine