Azure Premium Storage の一般提供を開始


このポストは、4 月 16 日に投稿された Azure Premium Storage, now generally available の翻訳です。

このたびマイクロソフトは Microsoft Azure Premium Storage の一般提供開始 (GA) を発表しました。

この一般提供開始により、Microsoft Azure では Standard Storage と Premium Storage の 2 種類の永続ストレージをご利用いただけるようになります。Standard Storage ではハード ディスク ドライブ (HDD) にデータが保存されますが、Premium Storage では最新テクノロジのソリッド ステート ドライブ (SSD) にデータが保存されます。Premium Storage は、高い入出力パフォーマンスと低レイテンシが一貫して求められる Azure Virtual Machines のワークロードに特化しており、SQL Server や MongoDB、Cassandra などのプラットフォーム上で実行される OLTP、ビッグ データ、データ ウェアハウスといった、入出力負荷の高いワークロードに対応可能です。要件の厳しいエンタープライズ アプリケーションをクラウドに移行する場合にも、Premium Storage は多くのお客様に利用していただけます。

現在のところ Premium Storage は、Azure Virtual Machines で使用するページ BLOB およびデータ ディスクのみサポートしています。Premium Storage のデータ ディスクは、お客様の要件を満たす最適なパフォーマンス特性が得られるようにプロビジョニングすることができます。1 つの VM に複数のディスクをアタッチして最大 32 TB のストレージを割り当て、1 ミリ秒未満のレイテンシで 64,000 IOPS の読み込み処理に対応できます。

昨年 12 月の Premium Storage プレビューのリリース以来、数多くの Azure ユーザーの方に、この処理能力によって大幅にパフォーマンスが向上した Virtual Machines をご利用いただいてきました。その中には、Premium Storage のデータ ディスクを使用する新しい DS シリーズ VM を運用環境で実行しているお客様も多数いらっしゃいます。Windows Server、Linux、SQL Server、Microsoft Dynamics、Exchange、SharePoint、Oracle、SAP、MySQL、MongoDB、Cassandra、Redis など、さまざまな利用環境で活用していただいています。

プレビューをご利用のお客様からのご報告によると、Premium Storage では下記のようなパフォーマンスが実現されています。

  • 2 TB の SQL Server データベース バックアップ時の速度は、Standard Storage で同じ操作を実行したときと比べて 6 倍
  • 2 TB の SQL Server データベースを復元するときの速度は、Standard Storage で同じ操作を実行したときと比べて 30 倍
  • Premium Storage で実行している SQL Server データベースの書き込みスループットは、オンプレミスの中級グレードの SAN で実行している同一のデータベースと比べて 2 倍

マイクロソフトはプレビューのお客様と協力して、Premium Storage の実用性を確認しています。お客様からいただいたご意見の一部をご紹介します。

「JumpStart では Azure Premium Storage を使用して、SQL Server で School of Dragons や JumpStart などの教育用ゲームを実行しています。ディスク スピードが速いおかげで、アプリケーションを実行しながら、従来の 2 倍の速さでバックアップができます。」

– Michael Boldezar 氏 (JumpStart プラットフォーム テクノロジ担当バイス プレジデント)

「アジア最大手の法人向け旅行サービス会社である Serko® では、8 台の SQL Server VM を使用して、週に 3 億件を超える SQL トランザクションを処理しています。Azure Premium Storage を使用することで、現在の VM で SQL Server 1 台あたり SQL トランザクションを週に 5 億件までスケーリング可能であると予測しています。全体的なコストが削減できることは、世界規模で業務を展開するうえで非常に重要です。」

– Philip Ball 氏 (Serko 最高技術責任者)

「Azure に Chronodrive の中核的なアプリケーションを展開したところ、すぐに SQL Server で I/O 能力が不足していることが判明しました。しかし、Azure Premium Storage のおかげで、アプリケーションをスムーズに実行できるだけの能力を得ることができました。弊社では、この最適なパフォーマンスを得ながら、コストを年間 200 万ユーロ削減できると見込んでいます。」

– Anthony Lewkowicz 氏 (Chronodrive テクニカル アーキテクト兼最高情報セキュリティ責任者)

以下のビデオでは、パブリック クラウド最高レベルのパフォーマンスを誇る Premium Storage と DS シリーズ VM を筆者自ら紹介していますので、どうぞご覧ください。

Premium Storage の特性

Premium Storage のディスク パフォーマンスは、耐久性の高い Azure Storage と、DS シリーズ VM で提供している SSD を使用したサーバー キャッシュにより実現されています。

耐久性

企業の中核的なワークロードにとっては、データの耐久性確保が欠かせません。このため、Premium Storage ではローカル冗長ストレージ (LRS) (英語) テクノロジを採用し、同一リージョン内にデータのレプリカを 3 つ保持します。書き込み操作は、LRS システムにより複製され、耐久性が確保された場合のみアプリケーションで確定されます。この機能を持つサービスは、現在 Azure 以外には存在しません。

新しい “DS” シリーズの VM

Premium Storage のデータ ディスクのアタッチは、新しくリリースされた “DS” シリーズの VM でサポートされています。この VM では高度なキャッシュ機能を活用し、読み込み時のレイテンシをきわめて低いレベルに抑えています。Premium Storage を使用するには、必ずこの新しい “DS” シリーズの VM を使用する必要があります。DS シリーズの料金設定と課金方法は D シリーズと同じです。

DS シリーズ VM の特性の詳細については、「Azure の Virtual Machines および Cloud Services のサイズ」をご確認ください。

Linux のサポート

Linux Integration Services v4.0 (英語) のリリースにより、Linux の機能のサポートがさらに充実しました。詳細については Premium Storage の概要のページをご覧ください。

料金

Premium Storage サービスの料金は、こちらのページでご確認いただけます。一般提供の料金は、別途発表がない限り 2015 年 6 月 1 日から適用されます。

プレビューのユーザーの方は、サービスの一般提供開始時に自動的に移行されます。この際、特に何かご対応いただく必要はありません。お客様の VM、データ ディスク、Premium Storage アカウントは引き続き通常どおり機能します。

提供地域

現時点では、Premium Storage は次のリージョンで提供されています。

  • 米国西部
  • 米国東部 2
  • 西ヨーロッパ
  • 中国東部
  • 東南アジア
  • 西日本

なお、今後近いうちにサービス提供地域を拡大する予定です。

Premium Storage と DS シリーズ VM の詳細

Standard Storage のディスクと同様に、Premium Storage のディスクも Azure Storage にページ BLOB として保持されます。このため、キャッシュされない書き込み操作は、必ず物理的に異なる 3 つのサーバー (フォールト ドメイン) の SSD に複製されます。Premium Storage では、1 アカウントあたり最大で 35 TB のディスク、10 TB の容量のスナップショット、50 Gbps の送受信トラフィックを使用できます。

Premium Storage のディスクが Standard Storage と異なる点としては、データが HDD ではなく SSD に格納されることのほかに、DS シリーズ VM をホストするサーバーで Blobcache と呼ばれるコンポーネントが実行されていることが挙げられます。このコンポーネントは、下図のように RAM とサーバー SSD を活用し、低レイテンシ、高スループットのキャッシュを実現します。

Blobcache は Standard と Premium の両方のディスクでサポートされ、VM のローカル ディスクと同様に読み取り/書き込み、または読み取り専用に構成できます。キャッシュ設定が読み取り専用のディスクでは、Blobcache はキャッシュと Azure Storage の両方に同時にデータを書き込みます。一方、キャッシュ設定が読み取り/書き込みのディスクの場合は、Blobcache にはライトバック キャッシュが実装されているため、VM からディスク フラッシュによって同期書き込みが要求されたとき、または I/O でライトスルー フラグが指定されているとき (強制ユニット アクセス (FUA) とも呼ばれます) にのみ、Azure Storage への書き込みが同時に実行されます。このとき、まだ書き込みが完了していない変更データはキャッシュから強制的に削除されます。現時点では、読み取り/書き込み設定のキャッシュは OS ディスクでのみ使用できます。

Blobcache には、VM の一時ディスクのストレージとしての機能もあります。この場合、Blobcache は Azure Storage にはデータを書き込まず、RAM またはサーバーの SSD にデータを保持します。このため、VM がシャットダウンされた場合や、ハードウェア障害のために他のサーバーへの「復旧」が実行された場合には、データは失われます。VM の一時ディスクには OS のページ ファイルが保存されます。また、永続的に保持する必要のないデータをアプリケーションが保存する際にも使用できます。

この独自のアーキテクチャにより、Premium Storage のディスク キャシュを利用している DS シリーズ VM では、スループットとレイテンシの両面で、基盤となっている Premium Storage ディスクを超えるほどのきわめて高いレベルのパフォーマンスが実現されています。個々の Premium Storage ディスクの最大サイズとパフォーマンスは、ディスクのサイズ (P10、P20、P30) によって決まります。ただし、Blobcache が VM に割り当てる SSD キャッシュの容量は、VM のサイズによって決まり、Blobcache が VM のローカル ディスクや Premium Storage ディスクに対して利用可能にする SSD のスループットも、同じく VM のサイズによって決まります。また、Blobcache は VM の代わりに Azure Storage との間でデータの読み書きを行うためにサーバーのネットワーク帯域幅を一定量予約しますが、これも VM のサイズにより決まります。たとえば、DS シリーズ VM の中で最大の Standard_DS14 の一時ディスクでは、224 GB の容量、576 GB のキャッシュ容量で、最大 64,000 IOPS、524 MB/秒の SSD スループットが得られますが、そのうち 50,000 IOPS、512 MB/秒のネットワーク帯域幅が予約されます。

VM サイズ

CPU コア数

ローカル ディスクのサイズ

データ ディスクの最大数

SSD キャッシュのサイズ (GB)

Premium Storage のディスクの最大パフォーマンス

ローカル ディスクと SSD キャッシュを合わせた最大パフォーマンス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Standard_DS14

16

224 GB

32

576

50,000 IOPS
512 MB/秒

64,000 IOPS
524 MB/秒

 

各 VM サイズの制限と割り当てられるリソースの詳細については、Azure Virtual Machines のサイズと料金のページをご確認ください。

キャッシュとディスクのサイズは、VM やディスクの作成時に設定されますが、Blobcache によってプロビジョニングされる帯域幅や IOPS は、下図に示す 3 階層のシステムに従ってリアルタイムに決定されます。

第 1 階層のプロビジョニングは Premium Storage のディスクにのみ適用され、ここでディスクごとの IOPS と帯域幅の割り当てが設定されます。第 2 階層のプロビジョニングでは、Blobcache により SSD が実装されます。これは、キャッシュ (読み取り/書き込みキャッシュ、読み取り専用キャッシュ) が有効の Premium Storage ディスクのデータと、ローカル ディスクのデータを含む、サーバーの SSD に格納されているデータに対してのみ適用されます。最後に、第 3 階層として VM ネットワークがプロビジョニングされます。これは、Blobcache から Premium Storage バックエンドに発行されるすべての I/O に対して適用されます。

このしくみでは、ローカル SSD の使用状況のほか、アタッチされている Premium Storage ディスクの数やパフォーマンス、キャッシュの種類といったさまざまな要素によって、VM のパフォーマンスが決まります。たとえば、Standard_DS1 の VM では、SSD とネットワーク レベルの制限により、キャッシュの設定が有効か無効かにかかわらず、P30 のディスクの 5,000 IOPS を達成することはできません。

キャッシュが無効の P30 の Premium Storage ディスク 10 台で構成される Standard_DS14 の VM では、ディスクの I/O 能力に基づいて、最大 50,000 IOPS、最大 512 MB/秒の読み取りまたは書き込み処理が可能です。キャッシュが有効な P30 のディスク 1 台がアタッチされた類似構成の VM では、キャッシュから読み取りのみを行う場合、ローカル SSD の最大パフォーマンスが得られることから、最大で 64,000 IOPS、524 MB/秒の能力を発揮できます。つまり、キャッシュが有効な Premium Storage ディスク 1 台で 64,000 IOPS の読み取りパフォーマンスを達成することができ、この能力は、読み取り専用のあらゆるサイズの OS ディスク、または読み取り/書き込み用のローカル ディスクで利用できるのです。

さまざまな構成が可能であるため、ワークロードに合わせて構成をチューニングすることができます。1 台の VM の永続ディスクで 64,000 IOPS を実現できるサービスは、大手のパブリック クラウドとしては唯一のものです。しかし、Blobcache ではさらに高レベルなパフォーマンスを発揮することができます。最大のパフォーマンスを得るには、Standard_DS14 VM でキャッシュが無効の Premium Storage ディスクによる最大 50,000 IOPS と、SSD キャッシュによる最大 64,000 IOPS を合わせます。これにより、100,000 IOPS を超えるパフォーマンスが得られます。これを実現する構成にはさまざまなものが考えられますが、次の図はその一例です。

50,000 IOPS を実現するには、キャッシュが無効な Premium Storage ディスクを VM に複数アタッチして、ディスク レベルで合計 50,000 IOPS を超えるようにする必要がありますが、それは P30 のディスク 10 台で構成すれば可能です。64,000 IOPS は、次のいずれかの処理で達成できます。

  • OS ディスクからのキャッシュによる読み取り
  • Premium または Standard の任意のサイズの 1 台または複数のディスクからのキャッシュによる読み込み (データがキャッシュに適合する場合)
  • ローカル ディスクとの間の読み取りまたは書き込み

下図は、上記のいずれかの構成の Standard_DS14 VM でベンチマーク ツールの IOMeter を実行し、100,000 IOPS を達成した際のスクリーンショットです。

このように Azure サーバーの SSD を独自の革新的な方法で使用することにより、Blobcache は幅広い種類のワークロードやシステム構成で、クラウドとしては最高レベルのディスク パフォーマンスを実現しています。

Premium Storage の使用を開始するには

詳細な手順については Premium Storage の概要のページでご覧いただけますので、ここでは簡単にご紹介します。

手順 1: 新しいストレージ アカウントを作成する

新しい Microsoft Azure ポータルで Premium Storage アカウントを作成します。ストレージ アカウントを作成するときには、Premium Storage サービスが利用可能なリージョンを使用していることを確認し、ストレージ アカウントの種類として [Premium Locally Redundant] を選択します。

手順 2: “DS” シリーズの VM を作成する

VM は Microsoft Azure ポータルから、または Azure PowerShell SDK バージョン 0.8.10 以降を使用して作成できます。VM を作成するアカウントが Premium Storage アカウントであることを確認します。

以下は、Premium Storage アカウントで DS シリーズの VM を作成する PowerShell スクリプトの例です。

$storageAccount = "yourpremiumccount"
$adminName = "youradmin"
$adminPassword = "yourpassword"
$vmName =    "yourVM"
$location = "West US"
$imageName = "a699494373c04fc0bc8f2bb1389d6106__Windows-Server-2012-R2-201409.01-en.us-127GB.vhd"
$vmSize =    "Standard_DS2"
$OSDiskPath = "https://" + $storageAccount + ".blob.core.windows.net/vhds/" + $vmName + "_OS_PIO.vhd"
$vm = New-AzureVMConfig -Name $vmName -ImageName $imageName -InstanceSize $vmSize -MediaLocation $OSDiskPath
Add-AzureProvisioningConfig -Windows -VM $vm -AdminUsername $adminName -Password $adminPassword 
New-AzureVM -ServiceName $vmName -VMs $VM -Location $location

VM のディスク容量を拡大する場合は、作成した DS シリーズ VM に新しいデータ ディスクを追加でアタッチします。

$storageAccount = "yourpremiumaccount"
$vmName =    "yourVM"
$vm = Get-AzureVM -ServiceName $vmName -Name $vmName
$LunNo = 1
$path = "http://" + $storageAccount + ".blob.core.windows.net/vhds/" + "myDataDisk_" + $LunNo + "_PIO.vhd"
$label = "Disk " + $LunNo
Add-AzureDataDisk -CreateNew -MediaLocation $path -DiskSizeInGB 128 -DiskLabel $label -LUN $LunNo -HostCaching ReadOnly -VM $vm | Update-AzureVm

お客様独自の VM イメージやディスクから VM を作成する場合は、まず Premium Storage アカウントにイメージやディスクをアップロードし、それを使用して VM を作成します。

まとめと関連資料

この記事では、Azure Premium Storage の一般提供開始についてお伝えしました。最新テクノロジであるソリッド ステート ドライブ (SSD) にデータを格納する Premium Storage は、SQL Server や MongoDB、Cassandra などのプラットフォーム上で実行される OLTP、ビッグ データ、データ ウェアハウスといった、入出力負荷の高いワークロードに合わせて設計されています。要件の厳しいエンタープライズ アプリケーションをクラウドに移行する場合にも、Premium Storage は多くのお客様に利用していただけます。

いつものお願いではありますが、マイクロソフトでは皆様からのフィードバックをお待ちしております。この記事のコメント欄、Azure Storage の MSDN フォーラム (英語)、または mastoragequestions@microsoft.com 宛てにご意見をお寄せください。

さらなる詳細については、次のリンク先のページをご覧ください。

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