Azure Web サイト用 Web ホスティング プランの導入


このポストは、4 月 4 日に投稿された Introducing Web Hosting Plans for Azure Web Sites の翻訳です。

編集メモ: 今回は、Windows Azure Web サイト チームでプログラム マネージャーを務める Byron Tardif による記事をご紹介します。

最新の Azure Web サイトおよび新しい Azure 管理ポータル プレビューに、新しいコンセプトである Web ホスティング プランが導入されます。Web ホスティング プラン (WHP) を使用すると、1 つのサブスクリプション内でサイトをグループ化し、個別にスケーリングできるようになります。

この機能のしくみを理解するには、実際の使用手順を見ていくのが一番でしょう。

ここでは、Web 代理店の例を取り上げます。この代理店の主要な顧客は、非常に有名な Contoso International Corporation と、それほど知名度の高くない Fabrikam Corporation の 2 社です。顧客との契約には Web のホスティングとサイト管理が含まれており、Azure Web サイトを使用してホスティング サービスと管理サービスを提供しています。また、両社のために複数の Web サイトを開発しています。

Contoso 社の Web サイトを運用するには、標準レベルで Medium インスタンス サイズのサーバー (仮想コア x2、3.5 GB の RAM) を 5 台以上使用すれば、予想されるアプリケーションの読み込みとメモリの使用量に対応可能であると判断しました。

一方、Fabrikam との契約では、標準レベルで Small インスタンス サイズのサーバー (仮想コア x1、1.75 GB の RAM) 1 台のみを使用して、最大 3 インスタンスまでの自動スケーリングを構成し、ピーク時の読み込み量に対応しつつ予算内に収まるようにする必要があります。

Web ホスティング プラン機能が導入されるまでは、このような場合の対応方法として 2 つのオプションがありました。

1)      標準インスタンスを使用して、両方のサイト コレクションを現在の Azure サブスクリプションでホストする

メリット

  • 実行しやすく、管理作業の負担が軽減されます。

デメリット

  • スケーリングの効率: 各アプリケーションの負荷プロファイルが異なっていて、片方が Small インスタンス サイズのサーバーを呼び出し、もう片方は Medium インスタンス サイズを必要とします。このため、一部のアプリケーションにとって過剰な投資であり、余分なコストがかかるとしても、このワークロードに対しては Medium インスタンス サイズを使用する必要があります。
  • 他のトラフィックの影響: すべてのアプリケーションが標準インスタンスの共有プールで実行されているため、Contoso 社のアプリケーションのトラフィックが急増した場合、または予想したメモリ使用量を超過し始めた場合、Fabrikam 社のアプリケーションにも影響が及んでしまいます。
  • 料金請求: すべての標準インスタンスがプールとして扱われるため、顧客別 (Fabrikam 社と Contoso 社) に請求を分けることができません。

2)      2 つのサブスクリプションを作成し、それぞれの顧客用として使用および管理する

メリット

  • 完全な分離: 2 つのサブスクリプションでリソースは共有されません。
  • 料金請求: 請求をサブスクリプション別に分けることができます。

デメリット

  • 管理の複雑性: サブスクリプション所有者は、サブスクリプションと顧客のマッピングを行わなければなりません。
  • アクセス制御: 各サブスクリプションの共同管理者を作成および管理して、適切な担当者に適切なアクセス権を付与する必要があります。

Web ホスティング プランが導入されると、もう 1 つのオプションが利用可能になります。

3)      Web ホスティング プランを顧客契約ごとに作成し、それぞれに必要なリソースを割り当てる

メリット

  • 分離の明確化: Web ホスティング プランのレベルで分離すると、アプリケーションは Web ホスティング プランでそれぞれ専用のリソースを使用して実行されるため、Contoso 社のアプリケーションと Fabrikam 社のアプリケーションがお互いに干渉することはありません。
  • スケーリングの効率: Web ホスティング プランごとにスケーリングすることができ、必要に応じて、異なるインスタンス サイズを使用した構成や、自動スケーリングの利用が可能です。
  • 管理作業の負担軽減: 個別のサブスクリプションを用意する場合 (上記のオプション 2) よりも管理作業の負担は軽減されます。

デメリット                               

  • 分離: 個別にサブスクリプションを使用する場合と同等の分離は実現されません。

ここまで、それぞれのオプションのメリットとデメリットを見てきましたが、複数のサイト コレクションを管理する場合、Web ホスティング プランは作業負担や複雑性を最小限に抑える便利なオプションとなることがおわかりいただけたかと思います。

Web ホスティング プランの使用

既に Azure Web サイトで Web サイトをホストしているお客様の場合、この新機能の導入に伴い、既存のサイトが自動的に Web ホスティング プランにグループ化されます。プランは、サブスクリプションの各サイト コレクションに対して自動的に作成され、Web サイトのモードとリージョンを基にグループ化が実行されます。たとえば、米国西部において無料、共有、標準の各モードでホストしている Web サイトと、北ヨーロッパにおいて標準モードのみでホストしている Web サイトを所有している場合、米国西部に 3 つ (無料モード、共有モード、標準モードがそれぞれ 1 つずつ)、北部ヨーロッパに 1 つ、合計で 4 つの Web ホスティング プランにまとめられます。

このように自動生成された Web ホスティング プランには “DefaultServerFarm” というラベルが付けられます。混乱を招きそうな名前ですが、“DefaultServerFarm” は従来のサイトに API の下位互換を確保するために付けられるものです。新しい Web ホスティング プランによって、既存のサイトに影響が及ぶことはありません。スケーリング、Web サイトのモード、およびサイト構成は変更されず引き継がれます。

任意の時点で独自にプランを作成し、自由に名前を付けて、サイトを 1 つ以上追加することができます。プランには少なくとも 1 つのサイトを含める必要があるため、プランの作成手順にはサイトの作成も含まれています。プランは、下図のように表示されます。

プラン作成時には、価格帯を選択することができます。価格帯に応じて、パフォーマンス特性、ストレージの割り当て、スケールアウトの制限、自動スケーリングなどの利用可能な機能が決まっています。特定のプランで作成された Web サイトは、該当する価格帯で定められているリソースおよび構成を共有します。価格帯の詳細とその提供内容については、こちらの記事 (英語) をお読みください。

Web ホスティング プランの画面は、現在の Azure ポータルと少し異なり、新しいサイトを作成するときに、ウィザード内で表示されるドロップダウン メニューでプランを選択できます。

最後に、Web ホスティング プランではサイトの論理グループ化が可能です。これを利用すると、サイト コレクションの個別のスケーリング、管理、および構成が簡単になり、Web サイトの所有者は、管理の複雑性を最低限に抑えつつ、非常に優れた柔軟性が得られます。Web ホスティング プランの詳細については、こちらの記事 (英語) をお読みください。

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