サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS): 仮想マシンと Windows


このポストは、6 月 26 日に投稿された Infrastructure as a Service Series: Virtual Machines and Windows の翻訳です。

マイクロソフトは先日、Windows Azure の IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) 製品である Windows Azure 仮想マシンのリリースを発表しました。今回は、仮想マシンの導入を短期間で行い、最大限に活用するためのヒントをいくつかご紹介します。

私はこの開発に関わったので、多少思い入れの強い内容になっているかとは思いますが、ご理解願います。

仮想マシンの移行パターン

簡単に言うと、仮想マシン (VM) はアプリケーションを配置するためのインフラストラクチャ上に構成されています。特に、この構成には OS がインストールされた永続ディスク 1 台と、その他に場合によって永続データ ディスク、それを統合する内部ネットワークおよび外部ネットワークが含まれます。ありきたりなものに見えますが、これらのインフラストラクチャ要素により可能性が大きく広がります。

今回のプレビュー版の開発にあたって、お客様やパートナーが既存のアプリケーションを配置し、コストを削減したり開発を簡素化できるようなプラットフォームを Windows Azure 上で実現したいと思っていました。IaaS を提供する上での目標は単純で、‘移行’ していだたくことです。その過程で SharePoint などのマルチ VM アプリケーション全体を移動する必要がある場合もあれば、あるいは SQL Server などの 1 台の仮想マシンをクラウドベース アプリケーションの一部として移動する場合もあります。さらに、仮想ネットワークを使用してオンプレミス環境に配置されている Active Directory へハイブリッド接続を行うような、まったく新しいアプリケーションを作成する必要がある場合もあります。

動作させるアプリケーションの選択

Windows Azure の仮想マシンをリリースする上で、その一環として、マイクロソフトが提供する 3 つの主要なアプリケーション (図 1) の動作に焦点を当てました。この 3 つのアプリケーションと下記のバージョンを選んだ理由は、各アプリケーション単独に対して、またはより大きなアプリケーションの一部として、お客様からの需要が大きいためです。

               図 1 - アプリケーションとバージョン

これらのアプリケーションは、お客様がクラウドへの展開を希望している多種多様なワークロードを代表するものです。

1)    非常に優れたディスク パフォーマンスが期待されるデータベース ワークロードの SQL Server

2)    広範囲にわたるネットワークが期待されるハイブリッド ID 管理ソリューションの Active Directory

3)    フロントエンドでの負荷分散機能を備えた、大規模かつ多層的なアプリケーションの SharePoint Server。実際には、SharePoint Server 2010 の展開には SQL Server と Active Directory が含まれています (図 2)。

               図 2 - SharePoint Server の展開

Windows 用仮想マシンの利用開始

Windows で Windows Azure 仮想マシンの利用を開始するには、HTML ベースの新しいポータルから実行する方法が最も簡単です。ポータルを使用すると、マイクロソフトが提供するプラットフォーム イメージを基盤とする新しい仮想マシンを、楽しみながら簡単に展開できます。プラットフォーム イメージには、Microsoft SQL Server 2012 Evaluation、Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2012 Release Candidate などがあります。

マイクロソフトでは、利用開始時から安全に仮想マシンをお使いいただくために、最新の修正プログラムを適用してこれらのイメージを定期的に更新しています。仮想マシンの利用開始に関する詳細は、こちら (英語) をご参照ください。展開後は、管理製品を使用して実行中の仮想マシンを修正するか、または Windows Update を使用して修正することが可能です。

                  図 3 - 仮想マシンの OS を選択

また、スクリプトやマイクロソフトのプログラム インターフェイスを使用して、仮想マシンの展開や構築を簡素化することも目標としています。これに伴い、スクリプトでの Windows 用仮想マシン展開に使用する PowerShell コマンドレット (英語) もリリースしました。さらに、ポータルとコマンドライン ツールの双方を REST API を使用して構築しました。この REST API は、独自のツールや管理ソリューションを開発する上でプログラミングに活用できます。詳しい説明は、こちら (英語) に記載されています。

            図 4 - スクリプト作成およびポータルと REST API

実際のしくみ

OS およびデータ ディスクの永続性は、仮想マシンの提供における重要なポイントです。完全にシームレスなエクスペリエンスを目指して、すべてのディスク管理をハイパーバイザーから直接実行できるようにしました。そのため、‘ディスク’ がストレージ アカウント内に格納されている VHD である場合、これらのディスクは SATA 接続 (OS ディスク) および SCSI 接続 (データ ディスク) の ‘ハードウェア’ として仮想マシンに認識されます。VHD は Windows Azure ストレージ アカウント内に格納されているので、ユーザーは自分のファイル (ページ BLOB として格納) に直接アクセスできます。また、Windows Azure ストレージの機能により全データのコピーが 3 つ作成され、高い耐久性が確保されます。

Windows Azure 内のディスクの動作に関する詳細は、近日中に Brad Calder が投稿する記事をご参照ください。

           図 5 ディスクとしての Windows Azure ストレージ

移行の実施

標準のストレージ API コマンドあるいはストレージ ユーティリティを使用すると、お使いの VHD のコピー、バックアップ、移動、ダウンロードを行うことができ、インスタンスの管理、再展開の可能性が無限に広がります。テスト環境のセットアップでは、VHD の BLOB をコピーするだけで同じセットアップを何回でも起動し、その度に破棄することができます。すぐに破棄することがわかっている環境のセットアップに膨大な時間を費やす必要はありません。また、稼働中の VM をキャプチャすると、VM のクローンが作成できます。このクローンには新しいマシン名とパスワードが設定できます。この ‘キャプチャ’ 処理についての説明は、こちら (英語) に記載されています。

この VHD の ‘モビリティ’ により、Windows Azure に既に展開されている VHD をオンプレミス環境 (適切なライセンスが必要) に再び移行し、管理、展開することができます。その逆も、同じく可能です。Windows Azure に VHD をアップロードする方法に関する詳細は、こちら (英語) に記載されています。

               図 6 VHD の操作におけるモビリティ

利用開始の第一歩

仮想マシンの利用を開始する際には、まず実験、開発、およびテストを行うことをお勧めします。つまり、新しい無料評価版の一部として仮想マシンを展開し、それに対して SharePoint、SQL、IIS などのお好みのサーバー アプリケーションをインストールすることができるのです。作業完了後は、接続されたデータ ディスクやエンドポイント情報などの仮想マシンのすべてをエクスポート (英語) したり、後でさらに開発やテストを行う際にインポート (英語) することも可能です。

ぜひ、手軽な開発用サンドボックスとしてお試しください。簡単で楽しいですよ。もっとも、仮想マシンの展開を楽しいと感じるのはインフラストラクチャのマニアの方くらいかもしれませんが、本当に楽しいのです。

疑問や質問、困ったことがございましたら、ヘルプ フォーラムにてお尋ねください。

Corey Sanders (Windows Azure 主任プログラム マネージャー リード)

 

サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS)

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