JavaScript を使用する iOS 開発者や Android 開発者に向けた新機能


 

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。
【元記事】 Whats’s new for iOS and Android developers using JavaScript? 2016/11/17

 

今週発表された Visual Studio 2017 RC には、Visual Studio Tools for Apache Cordova (TACO、英語) の最新リリースが含まれています。このリリースにあたって、マイクロソフトではモバイル開発者の皆様が日々直面している大きな課題に取り組みました。その取り組みは、主に次の 2 つのテーマに分けられます。

  1. 高速かつ信頼性の高いビルド: Visual Studio の新しいインストーラーでは、サードパーティ製コンポーネントの十分に検証されたツールチェーンのオフライン インストールを組み合わせることで、より高速なビルドが実現されています。これにより、トラブルシューティングや修復もさらに容易になります。
  2. 編集とデバッグの大幅な高速化: 新しいブラウザー ベースのシミュレーターでは、コードをすばやく実行してブラウザー内で即座に結果を確認できます。ライブ リロード、プラグイン シミュレーション、Ionic Framework のサポートにより、Visual Studio に市場最速の開発者ワークフローが実現されています。

高速かつ信頼性の高いビルド

Cordova 開発者の方々とお話ししたところ、現時点で最も一般的な問題となっているのは環境のセットアップとアプリケーションの構築に関連するものでした。これは当然のことでしょう。たとえば、ネイティブなターゲット プラットフォームの SDK を使用してネイティブなアプリケーションを構築するというように、構築こそが Cordova のすべてであるからです。マイクロソフトの調査によると、TACO を使用している開発者の 26% は、主に NPM とネットワーク ファイアウォールでの問題により初回のビルドでエラーを経験しています。今回のリリースでは、この問題の解決に取り組みました。

高速なインストールと確実な動作

Visual Studio の新しいインストーラーでは、迅速にインストールが完了し「確実に動作」する Mobile development with JavaScript ワークロードが追加されています。

このワークロードはツールチェーンの依存関係の総数が削減され、テストが強化されています。十分に検証された新しい「ツールセット」を使用することで、モバイル開発者は Cordova などのオープン ソース パッケージを含め、プレリリース版の開発作業に必要なすべてのコンポーネントを入手できます。オフライン インストールが必要な方にもご利用いただけます。初期テストでは、ほとんどの場合「ダウンロード」してから「コードの作成」を開始するまでの所要時間は 15 分以内でした。

アプリケーションの開発をプロトタイプから製品版へと進めていくと、不足している依存関係をインストールするように促すダイアログが Visual Studio で表示されるようになります。たとえば、あるデバイスにデプロイするときに Android SDK が不足している場合、これをインストールするように促されます。便利だと思いませんか。シンプルなツールチェーンで開発を始め、アプリケーションが拡張し必要なツールチェーンが複雑になるにつれて徐々にインストールを進めていくことができます。

ツールセット

インストールの合理化のほかに、さまざまな環境でのビルドの信頼性向上にも重点的に取り組みました。ビルドに関してご報告いただいている問題のほとんどには、NPM のエラー、ネットワークのファイアウォール、ローカル ツールチェーンの互換性不足が複合的に関連しています。このような問題に対処し、正しい状態を維持するために、TACO では「ツールセット」という概念が新たに導入されました。このツールセットは Visual Studio で使用される検証済みの一連のツールを 1 つのパッケージにまとめたものです。たとえば、既定の Cordova 6.3.1 ツールセットには Cordova 6.3.1、Node 4.4.3、NPM 2.15.0 が含まれており、コンピューターにその他のものがインストールされていても、TACO でアプリケーションを作成する際にはサンドボックス化されたツールセットが使用されます。ツールの組み合わせが既知のものであるため、開発者の期待どおりに動作するアプリケーションを作成できます。細かくカスタマイズしたい場合は、任意のツールチェーンの依存関係のグローバル インスタンスを使用することもできるため、全体を完全に管理できます。

プロジェクトで使用するツールセットを構成するには、config.xml を開いてエディターの [Toolset] セクションに移動します。ツールセットの構築、保守、配布はマイクロソフトが行います。iOS、Android、Windows の新しいバージョンのリリース後すぐにマイクロソフトが新しいツールセットをリリースしますので、Visual Studio の更新を頻繁にご確認ください。

ビルド エラーの把握が容易に

ビルド エラーが発生したときのトラブルシューティングを容易にするために、小規模ながらも重要な変更が行われ、ビルド出力を容易に確認できるようになりました。ビルド出力画面のエラーの表示が色付けされて見やすくなっています。また、処理のステップを区切るためのヘッダーがビルド出力に追加され、ビルド処理のどこでエラーが発生したかを特定しやすくなっています。

この機能は便利であると同時に、楽しいアスキー アートも含まれています。

編集とデバッグを大幅に高速化

今回のリリースでは、Visual Studio Code の Cordova Tools 拡張機能の中から、広く使用されている Cordova Simulate が導入されています。TACO をある程度使用したことがある開発者にとっては、モバイル アプリのブラウザー内シミュレーションとしてこれまで使用されてきた Ripple エミュレーターに代わる存在となります。Cordova Simulate が提供するローカルで実行可能な高速のブラウザー ベース ワークフローは、最新の Web 開発での利用に適しており、エミュレーターやデバイスを使用せずにほぼすべてのモバイル開発を可能にします。

Cordova Simulate では、Ripple と同様に下記に対応しています。

  • さまざまなサイズのデバイスをテスト
  • 地理位置情報、コンパス、加速度センサーを設定してシミュレート
  • 画像、スタイルシート、JavaScript、HTML をライブでリロード
  • DOM エクスプローラーや JavaScript デバッガーなどのブラウザー ベースの開発ツールを Visual Studio 内で使用

また、Ripple にはない機能もあります。

  • カメラ、連絡先、ファイル、メディアなど、より多くのプラグインをシミュレート (詳細はこちらのドキュメント (英語) を参照)
  • iframe ではなく専用のブラウザー ウィンドウでアプリをシミュレート
  • カスタム プラグインや一般的でないプラグインの API 応答を保存

この新ツールの詳細については、後日このブログで詳細記事を公開する予定です。どうぞご期待ください。

Visual Studio 2017 RC を使用してご意見をお寄せください

今回ご紹介した機能以外にも、不具合を数多く修正したほか、ビルド プロセスを作り直して安定性の向上とビルド時間の短縮を実現しています。モバイル アプリの構築に Cordova を試してみたいと思っている方は、ぜひ今回のリリース (英語) をお試しになりご意見をお寄せください。

ツールをご利用いただいてお気づきになった点は、メールで直接お送りいただくか、Stack Overflow (英語)Twitter までお寄せください。また、ドキュメントに関するご意見はドキュメント サイト (英語) まで直接お寄せください。

今後のプレリリース版ソフトウェアに関する最新情報をご希望の方は、TACO insiders (英語) にご参加ください。皆様のご協力をお待ちしております。

Jordan Matthiesen (@JMatthiesen)
JavaScript モバイル開発者ツール担当プログラム マネージャー
Jordan Matthiesen はマイクロソフトで Web アプリケーションおよびモバイル アプリケーション開発者向けの JavaScript ツールを担当しています。それ以前にも 18 年以上の開発経験があり、現在は優秀なモバイル開発者からできるだけ多くの意見を取り入れることに力を入れています。プライベートでは、妻と 4 人の子ども、2 匹の猫、1 匹の犬と共にコーヒーを飲みながらゆっくり過ごす時間を大切にしています。

 

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