Visual Studio 2015 と .NET 4.6 のダウンロード提供を開始

本記事は、マイクロソフト本社の Somasegar's blog の記事を抄訳したものです。 【元記事】Visual Studio 2015 and .NET 4.6 Available for Download  2015/07/20 11:35 PM

本日、Visual Studio 2015 と .NET 4.6 のダウンロード提供が開始されました!

この 2 つのリリースは、昨年の 11 月の発表に続く大きなステップです。今回の発表によって、すべての開発者の皆様が Visual Studio と .NET による生産性の高い開発環境を利用できるようになるだけでなく、Visual Studio を使用する開発者の皆様にとっても、これまで以上に高い生産性水準に達することができるすばらしい機会となっています。

なお、今回のリリースを祝して、Visual Studio 2015 リリース記念のオンライン イベント (英語) が開催されますので、皆様ぜひご参加ください。また、Channel 9 では 60 以上の新機能に関するオンデマンド ビデオ (英語) をご覧いただけます。もちろん、すぐに新しい機能を試したいという方は今すぐ Visual Studio 2015 をダウンロードしてお試しください。

Visual Studio ファミリー

ここ数年の間に、Visual Sutudio ファミリーはこれまでにないほど大きな広がりを見せました。開発者の皆様からの評判も上々です。

Visual Studio ファミリーの中核をなすのは、世界中の数百万のアプリケーション開発者の皆様にご愛用いただいている Visual Studio IDE です。昨年 11 月には、Visual Studio IDE のフル機能を備えた個人開発者向けの無料版 Visual Studio Community の提供が開始されました。Visual Studio Community のダウンロード数は現在までに 500 万回を突破しており、Visual Studio 製品の中で最速の導入実績を記録しています。

2 年前には、Visual Studio Online がリリースされました。Visual Studio Online は、従来の Visual Studio の機能の他に、ソース管理、アジャイルなバックログ管理、ホストビルド、Application Insights といった、クラウド ベースの豊富な開発機能を利用できるようにしたサービスです。現在、登録ユーザー数は 320 万人を突破しています。

そして、今年 4 月にリリースしたプレビュー版 Visual Studio Code は、Mac、Linux、Windows に対応したモダンなコード エディターであり、クロス プラットフォームの Web 開発とクラウド開発をサポートします。Visual Studio Code のダウンロード数は現在までに 50 万件以上に達しています。これは、Mac と Linux の合計ダウンロード数のほぼ半数に相当します。

こうした事実で、Visual Studio ファミリ製品がいかに熱い期待と関心を浴びているかがよくわかります。

Visual Studio 2015 .NET 4.6

今回リリースされた Visual Studio 2015 と .NET 4.6 では、デスクトップ、Web、モバイル、クラウドなどのさまざまなプラットフォームを対象に幅広い開発サービスを提供します。

ここからは、その新機能の一部をご紹介します。さらに詳しい情報については、Visual Studio 2015 リリース ノートこちらの Visual Studio ブログ記事 (英語)こちらの Scott Guthrie ブログ記事 (英語) をご覧ください。

生産性を向上させる革新的な機能

マイクロソフトの開発チームは、Visual Studio の開発と機能向上に日々精力的に取り組んでいます。私たちのミッションは、リリースの際に必ず、開発者の生産性を最大限に引き上げる新しいソリューションを組み込むことです。Visual Studio 2015 でもそのとおり、デバッグ機能、診断機能、コードの編集機能とリファクタリング機能、プログラミング言語に改良が施されています。

デバッグ機能と診断機能

Visual Studio 2015 では、デバッグとプロファイリングの機能が 1 つの [Diagnostics Tools] ウィンドウ (英語) にまとめられたため、開発作業を中断することなく、実行中のアプリケーションの正確性とパフォーマンスを把握することが可能になりました。また、デバッガーを使ってブレークポイントを設定し、ステップを実行するたびに、PerfTips (英語) という新機能によってコードのパフォーマンスをただちに確認できるようになりました。

コードの編集機能とリファクタリング機能

Visual Studio 2015 のエディターは C# と VB の両方に対応しており、新しい Roslyn ベースのツールやコード リファクタリング ツールを利用することができます。たとえば Light Bulb 機能を使うと、修正を必要とする箇所に電球マークを付けて警告することができます。さらに、Roslyn ベースのコード アナライザーを使用すれば、エディター内に表示される警告や提案などをカスタマイズすることができます。

また、新しい XAML エディターには Peek を含む多数の新機能が搭載されており、コードを簡単に編集、操作することができます。

プログラミング言語

今回、Visual Studio 2015 と .NET 4.6 に加え、最終版の C#6 と Visual Basic 14 もリリースされました。一般的なコーディングのパターンを簡素化する新しい言語機能を多数備えた C# と VB.NET によって、.NET 開発者の生産性は大幅に改善されます。

また、Visual Studio 2015 にも大幅に改善された C++ 11、14、17 のサポート、TypeScript 1.5、F# 4.0、および Python をはじめとする多数の言語向けツールが用意されています。

Web 、クラウド、モバイルでの開発とオープンソース化

Visual Studio と .NET で、Web、クラウド、モバイルなどのあらゆるプラットフォームを対象に柔軟に開発を行えるようになりました。新しいプラットフォームを選んだり、新しいプログラミング言語を使用したり、既存のスキルを活かして新しい環境に既存のアプリケーションを移行したりすることが可能です。

マイクロソフトではこの 2 年にわたって、Visual Studio と .NET のプログラミング スタックに含まれる多数のコンポーネントのオープン ソース化に取り組んできました。これまでに、Roslyn (英語)TypeScript (英語)CoreCLR (英語)Visual Studio 用 Python ツール (英語) などのオープン ソース化が完了しています。さらに、Visual Studio 内のオープン ソース技術もいっそう使いやすく改良されています。

Web およびクラウドでの開発

.NET 4.6 と時を同じくして、最新版の Web 開発フレームワークである ASP.NET 4.6 の開発にも取り組んでいます。ASP.NET 4.6 は、HTTP/2、最新の C# 機能、最新の Entity Framework 6.1.3 をサポートします。また、Visual Studio の Web 開発ツールも拡張され、HTML ツール、CSS ツール、最新の標準のサポート、リッチな JSON エディターが追加されています。

Visual Studio 2015 では、最新の Azure SDK も提供されます。この Azure SDK では、プロビジョニング、Web サイトやクラウド サービスのデプロイ、クラウド リソースの管理を簡単なクリック操作で実行することができます。Visual Studio 2015 のクラウド ツールを使用すれば、Azure の IaaS や PaaS を利用したアプリケーション、.NET、Python、Node.js などで開発されたアプリケーション、Windows、Linux、Docker コンテナーにデプロイされるアプリケーションを簡単に Azure と統合することができます。

さらに、Visual Studio 2015 の ASP.NET 5 (英語) プレビューを使用することもできます。ASP.NET 5 は、ASP.NET プラットフォームの最も重要なアップデートの 1 つです。ASP.NET 5 は CoreCLR 上で動作するため、Linux、Mac、Windows などユーザーの好みのプラットフォームにデプロイできます。またそれだけではなく、開発速度、クラウドの設定、依存関係管理、組み立て可能性なども根本的に改良されています。

モバイル開発

モバイル開発の焦点は、多数のモバイル プラットフォームで実行できるモバイル エクスペリエンスの構築へと移りつつあります。Visual Studio 2015 では、iOS、Android、Windows を対象とするアプリケーションをビルドするためのクロス プラットフォームのモバイル開発ツール (英語) が含まれるほか、モバイルアプリケーション開発に使用する言語やテクノロジを開発者が選択することができます。

開発者の多くは、応答性に優れた HTML、CSS、JavaScript を使用して、モバイル対応のブラウザー ベースのアプリケーションをビルドし始めています。Visual Studio 2015 では、充実した Web ツール、統合されたデバッグ機能、最新の Web UI フレームワークのサポートなど、優れたモバイル対応の Web サイトを作成するため��必要なツールが提供されます。

デバイスにネイティブでインストールされるモバイル アプリをビルドする場合、Visual Studio 2015 には統合された Apache Cordova 用ツールが含まれているため、HTML、CSS、JavaScript (または TypeScript) を使用して、エンタープライズ ストアのコンシューマー向けデバイスに展開されるクロス プラットフォームのモバイル アプリケーションをビルドできます。さらに、高パフォーマンスな Visual Studio Emulator for Android (英語) も含まれており、Android アプリケーションのデバッグやテストに利用できます。

リッチな .NET での開発を好む方にとって、Visual Studio 2015 は、デスクトップからスマートフォン、IoT、HoloLens に至る幅広い Windows デバイスを対象としたユニバーサル Windows アプリをビルドできる優れたソリューションとなります。また、Visual Studio 2015 と Xamarin を組み合わせれば、.NET アプリケーションを拡張して、iOS や Android も対象に含めることができます。Xamarin を利用すると、Java や Objective-C で実行できることをすべて .NET と Visual Studio から行うことができます。

さらに、Visual Studio 2015 では C++ を使用したクロス プラットフォーム開発により、iOS、Android、Windows を対象とする共有コンポーネントを作成したり、Unity などのゲーム エンジンと統合して簡単にクロス プラットフォームのゲームをビルドしたりすることもできます。

また、Android アプリケーションのデバッグやテストに利用できる高パフォーマンスな Visual Studio Emulator for Android (英語) も含まれています。

DevOps とアジリティ

今日の開発チームにとって、アジャイルであることは最重要課題です。しかし、アジャイルなチームやプロセスを編成する方法としては、DevOps の実践が中心となる傾向にあります。Visual Studio 2015、Team Foundation Server 2015、Visual Studio Online には、チームが継続的に提供、監視、学習できる DevOps サービスが統合されており、アジリティを最適化することができます。

DevOps のさまざまな領域にわたるこれらの主要な機能は、Team Foundation Server 2015 (現時点では RC2 を提供中。最終リリースは近日公開予定) およびクラウドでホストされる Visual Studio Online サービスで利用できます。

Team Foundation Server は .NET チームにとって何年もの間優れたツールとして活用され続けていますが、この数年にかけては、Team Foundation Server と Visual Studio Online があらゆる言語や対象プラットフォームをサポートするソリューションとなるように重点的に取り組みを行ってきました。

対象の言語が Node.j やJava でも、プラットフォームが iOS や Android であっても、Team Foundation Server と Visual Studio Online では、皆様の開発チームが求める包括的な開発サービスを提供します。

計画

Team Foundation Server と Visual Studio Online のアジャイル ボードは、日々の作業や進捗状況を追跡するために不可欠なツールです。Team Foundation Server 2015 ではアジャイル ボードがアップデートされ、カスタマイズ、タグ付け、スイムレーンなどの多数の機能が追加されました。

開発とテスト

Team Foundation Server 2015 と Visual Studio Online では、Git プロジェクトのプル要求コードの確認機能が新たに導入され、開発プロセスの初期から迅速な開発者どうしの共同作業を行うことができます。

ビルドとリリース

Team Foundation Server 2015 と Visual Studio Online に、シンプルな Web ベースのインターフェイスを利用して継続的インテグレーション パイプラインにプラグ可能なクロス プラットフォームのビルド ワークフローを構成できる、新しいビルド システムが組み込まれました。

監視と学習

コードを運用環境に展開することはもちろん重要ですが、運用環境のコードについて学習して理解することも同じく重要です。Visual Studio 2015 では、サーバーおよびクライアント プロジェクトにワンクリックで Application Insights を統合することが可能で、開発中も運用環境でも、アプリケーションのパフォーマンス、可用性、使用率に関する詳細な情報をリアルタイムでシームレスに取得できます。

Visual Studio のパートナーエコシステム

Visual Studio と共に重要なのが、Visual Studio に新しいプラットフォーム、新しいワークフロー、新しいアプリケーション タイプのサポートを追加してくれる Visual Studio 向け拡張機能エコシステムの存在です。昨年 1 年間だけでも、Visual Studio ギャラリーから 1,300 万件以上の拡張機能がダウンロードされました。

今回、Visual Studio 2015 のリリースに合わせて、Visual Studio パートナー 84 社が Visual Studio 2015 のサポート拡張機能をリリースしました。また、Visual Studio、Team Foundation Server、Visual Studio Online への拡張機能の統合がこれまで以上にシンプルになり (英語)、Visual Studio の製品ファミリに簡単に新しい機能を追加できるようになりました。

まとめ

今回の Visual Studio 2015 と .NET 4.6 のリリースは、マイクロソフトの開発者向けツールの歴史の新たな一歩となりました。既存の Visual Studio ユーザーの皆様に新しい生産性機能を提供するだけでなく、新たなプラットフォームをサポートすることで、より幅広いプラットフォームやプログラミングモデルを対象に開発を行えるようになっています。

開発者の皆様はぜひ、Visual Studio 2015 のリリース記念オンライン イベント (英語) にご参加ください。また、Channel 9 には 60 以上の新機能に関するオンデマンド ビデオ (英語) がありますので、そちらのチェックもお忘れなく。もちろん、すぐに新機能を試したいという方は今すぐ Visual Studio 2015 をダウンロードしてご利用ください。最後になりますが、フィードバックのご提供や開発者コミュニティへの参加によって製品開発にご協力いただいたすべての Visual Studio ユーザーの皆様に心から感謝を申し上げます。今回リリースされた Visual Studio 2015 と .NET 4.6 をぜひ存分にご活用いただければ幸いです。

それではまた!