Microsoft Band と Microsoft Health の開発プラットフォーム


本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。
【元記事】 Microsoft Band and Health developer platform  2015/07/16 2:15 AM

皆さん、Microsoft Band と Microsoft Health (英語) をご存知でしょうか? ご存知でない方のために、まずはこれらについて簡単にご説明しましょう。Microsoft Band はユーザーの健康管理と生産性の向上を支援するマイクロソフト初のウェアラブル デバイスです。そして、それを裏で支えているのが Microsoft Health サービスであり、Microsoft Health アプリはあらゆるモバイル プラットフォーム上で動作します。Microsoft Band は人々の健康管理とつながりをサポートする完成されたソリューションとなっています。

マイクロソフトでは、去年 10 月のリリース時 (英語) から、どのプラットフォームでも利用できるオープンなエコシステムを始動させることを目指して開発者コミュニティへの取り組みに力を注いできました。その最初のステップとして、今年の 2 月に Windows と Android 向けの Microsoft Band SDK (英語) のプレビュー版を発表しました。さらに、4 月の Build 2015 では、Windows、Android、iOS 向けに更新版をリリース (英語) しました。Microsoft Band SDK を使用すると、サード パーティの開発者は Microsoft Band のセンサーからのデータを利用して、自社のモバイル アプリケーションのエクスペリエンスを強化し、それを Microsoft Band に拡張することができます。さらに、テキスト、アイコン、ボタン、バーコードを含むカスタム レイアウトを基に、各ユーザー合わせた専用の対話型 Band タイルを作成することも可能です。クロス プラットフォーム開発への支援としては、友好関係にある Xamarin との協力の下、iOS SDK および Android SDK 向けの Xamarin バインディング機能 (英語) を提供しています。これにより、3 つすべてのプラットフォームの Microsoft Band で動作する単一バージョンのアプリケーションを、Visual Studio と C# で作成できるようになっています。この SDK は、Microsoft Band にプログラムからのアクセスを可能にするための最初のステップであり、Microsoft Band のパワーを強化する主要な拡張ポイントとして機能します。Microsoft Band と Microsoft Health の開発については、Channel 9 の Build 2015 ビデオ (英語) をご覧ください。

そしてこのたび、Microsoft Band Web タイルと Microsoft Health Cloud API が公開されました。今回のプレビュー提供によって Microsoft Band のタイル作成がより簡単になり、Microsoft Health サービスに保管されている豊富な健康管理データへのアクセスも容易になりました。これらの新しい機能と既存の SDK は、すべて新しい開発者ポータルからダウンロード (英語) できます。

Microsoft Band Web タイルのプレビュー

Microsoft Band は Microsoft Health アプリを介してインターネットに接続できます。インターネット上には既にさまざまなコンテンツが存在しています。また、今日のクラウドファーストの世界では、ますます多くのコンテンツがクラウド向けに作成されるようになっています。このため、Microsoft Health アプリの機能とインターネット接続を使用して、インターネットのコンテンツを Microsoft Band に取り込んではどうかという案が検討されました。Microsoft Band の Web タイル (英語) は、まさにこれを可能にするものです。Microsoft Band の Web タイルを使用すれば、Web でアクセスできるデータ ソースから、「ひと目でわかる」情報をごく簡単に Microsoft Band に配信できます。最初に行うのは、データソースの指定です。データ ソースには、JSON コンテンツか XML コンテンツ (適切な形式を持つドキュメントか、RSS または ATOM フィード形式のコンテンツ) を指定できます。次に、そのデータを任意の Microsoft Band のレイアウトに「バインド」して、Web タイル用にコンテンツのページを作成します。数行のメタデータと数個のアイコン ファイルを追加すれば作業は完了です。これ以上シンプルなことはありません!

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Microsoft Band の Web タイルでは、複数のモバイル プラットフォーム (iOS、Android、Windows) をサポートする場合でも、Web タイルの作成は 1 度で済みます。タイルの作成方法はきわめてシンプルです。こちらの Web タイルに関するドキュメント (英語) を参照して、お好みのテキスト エディターで Web タイルを作成できます。あるいは、新しくリリースされた Web タイル作成ツール (英語) から作成することもできます。このツールを使用すれば、ステップバイ ステップの UI を操作してわずか 5 分程度で Web タイル パッケージを作成できます。

上記のいずれかの方法で作成された Web タイル パッケージを、ユーザーが Microsoft Health アプリのインストールされたモバイル デバイス上で開くと、Band 上に Web タイルが作成されます (見た目も動作も、Microsoft Band SDK (英語) を使用して作成されたタイルとまったく同じです)。Web タイル パッケージは、ファイルとして、または HTTP 経由で配信された後、iOS、Android、Windows の Microsoft Health アプリに含まれている「Web タイル ランタイム」コンポーネントを呼び出し、インストール処理を開始します。この後、ランタイムはユーザーの同意を得てから Web タイルを作成します。このランタイムは、ユーザーが Microsoft Health アプリを使用して Web タイルを管理または削除するメカニズムも提供します。さらに、Web タイル ランタイムは、Microsoft Band 上の Web タイルのコンテンツを最新に維持する処理も行います。その処理は次のようになります。まず、データ ソースを定期的にポーリングし、Web タイルパッケージ内のデータ バインディングの記述に従って該当コンテンツを解析します。そのコンテンツを、Web タイル パッケージで指定されているレイアウトを使用して書式設定してから、Band 上のタイルに「ページ」として配信します。

Microsoft Band の Web タイルは、Microsoft Health アプリを利用可能なすべてのモバイル プラットフォームでサポートされます。開発を始めるには、まず Microsoft Band Web タイルの開発者向けサイト (英語) にアクセスしてください。Web タイルの概要を記載した包括的なドキュメント (英語) を参照できるほか、サンプルの Web タイルをダウンロードすることもできます。ぜひ今すぐ Web タイル作成ツール (英語) を使用して新しい Web タイルの作成を始めてください。

Microsoft Health Cloud API のプレビュー

今回、Microsoft Health Cloud API (英語) のプレビューも公開されました。この RESTful な API は、オープン標準に基づいて作成されています。今回のリリースは、Microsoft Health サービスを拡張できるようにするという私たちの取り組みの第一歩です。この API では、Microsoft Health からの健康管理データを使用して、アプリケーションやサービスのエクスペリエンスを拡張することができます。つまり、ユーザーの同意を得た後、アプリケーションやサービスでユーザーの健康情報を包括的に追跡管理し、その履歴に基づいて、経過観察、分析結果、各個人に合わせた推奨事項、健康に関するアドバイスなどを提供できます。

Microsoft Health (英語) のリリース以降、RunKeeper (英語)MyFitnessPal (英語) など、多くのサード パーティ サービスとすばらしいパートナーシップを築き、Microsoft Health のデータを共有してきました。最近では、Strava (英語)MapMyRide (英語) とも提携しています。こうしたパートナーシップは緊密なコラボレーションを経て実現されたものであり、そこで共有されるデータは、ユーザーの同意のうえで Microsoft Data Exchange サービスを介してやり取りされます。そして Microsoft Health Cloud API がリリースされたことで、ユーザーとしては選択肢が広がり、Microsoft Health と連携するあらゆるアプリケーションやサービスと健康管理データを共有できるようになります。プレビュー版 API のうち、まずこの記事で説明する API はアクティビティと集計値用の読み取り専用 API です。これらの API は、Microsoft Health のアクティビティ データと、生体測定値の一定間隔での集計データに対する読み取り操作を提供します。たとえば、Microsoft Band のユーザーがランニングを終えたら、アプリケーションから Activities API を使用して、ランニングの詳細や走ったコースの地図上のポイントにアクセスできます。これを基に、後から地図を作成することもできます。さらに、Summaries API を使用すると、特定の時間間隔での歩数、カロリー消費量、移動距離を正確に知ることができます。次の表に、現在リリースされている API を簡単に説明します。API の一覧と詳細については、API リファレンス (英語)を参照してください。

API

アクセス

説明

Profile

読み取り専用

指定されたユーザーのユーザー プロファイルを提供します。

Devices

読み取り専用

ユーザーに関連付けられているデバイス (Microsoft Band とスマートフォン) の情報を提供します。また、ID に基づく特定のデバイスの詳細も提供します。

Activities

読み取り専用

指定された期間または ID のユーザー アクティビティを提供します。開発者は特定の時間間隔のアクティビティの集計値をリストとして取得したり、特定のアクティビティの詳細を取得したりすることができます。アクティビティは、睡眠、ランニング、トレーニング、自転車、指導付きトレーニング、ゴルフのいずれかです。

Summaries

読み取り専用

特定の期間の時間単位または日単位の集計値を提供します。現在は、歩数、消費カロリー、移動距離、心拍数がサポートされています。

プレビューではすべてのツールが提供されるので、アプリケーションの作成をすぐに始めることができます。これにはまずアプリケーションを登録し、次に開発者向けページ (英語) にアクセスしてサンプル アプリケーションをダウンロードします。入門ガイド (英語)API リファレンス (英語) も参照してください。

Microsoft Band SDK の新たな機能強化

マイクロソフトでは SDK に対し継続的な投資を行っており、開発者が SDK を使用して高度な Microsoft Band 機能を作成し、新しいシナリオに対応できるよう支援しています。今回ご説明した新機能のリリースのほかにも、皆様からのフィードバックや問題報告に基づいて、既存の Microsoft Band SDK エクスペリエンスの強化を行いました。6 月の更新に含まれる主な機能強化は以下のとおりです。

  • サード パーティのタイル コンテンツの更新動作を変更: これまでの SDK では、ページに発生した更新を確認するには、開いているページからいったん離れて、再度戻るという動作が必要でした。この動作を変更して、ページを離れることなくコンテンツが更新されるようにしました。これにより、Microsoft Band のタイル エクスペリエンスがより動的かつ対話型なものになります。
  • アイコンをボタンとして作成するためのサポートを強化: これまでの SDK では、ページ内にボタンを作成することはできましたが、アイコンをボタンとして使用するにはいくつか問題がありました。今回の更新により、アイコンをボタンとして問題なく作成できるようになります。これで、より高機能なページ レイアウトを提供し、より優れたタイル エクスペリエンスを実現できます。
  • タイル画面のタイムアウトが制御可能に: 多くのタイル開発者から、「サード パーティのタイルを使用するユーザーの操作が中断されることを避けるために、画面のタイムアウトを制御する機能を追加してほしい」というフィードバックが寄せられていました。今回の更新により、作成したタイルの画面タイムアウトを制御できるようになりました。これで、Band タイルに対するユーザーの操作が中断されることがないように、Band 画面のタイムアウトを調整できます。

Microsoft Band SDK の最新の更新をダウンロード (英語) して、ここで説明した新機能をぜひお試しください。

フィードバックのご協力のお願い

この記事で説明した新機能は現在プレビュー段階です。さらなる機能改善のために、皆様からフィードバックやご感想をお待ちしています。Microsoft Band および Microsoft Health の UserVoice (英語) ページまでぜひご意見をお寄せください。このページでは、SDK の改善について既に投稿されている意見に投票をすることもできます。また、ealthms@microsoft.com まで電子メールでお問い合わせいただくこともできます。

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Ali Alvi、Microsoft Band および Microsoft Health 担当リード プログラム マネージャー
@alialvi

Ali Alvi は、本社レドモンドのパーソナル デバイス チームに所属しており、Microsoft Band と Microsoft Health の開発を担当しています。2001 年にマイクロソフトに入社後、Windows XP から Windows 8.1 まで数多くの Windows リリースに携わってきました。最近では、Microsoft Band のクライアント プラットフォームを作成し、現在は主に Microsoft Band と Microsoft Health の開発者エコシステムの構築に力を注いでいます。コンピューターサイエンスの理学士号を取得しており、副専攻として数学と経済学を学んでいます。

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