Glimpse チームがマイクロソフトの一員に

現在、Web 開発者がアプリケーションを構築するうえで頭に入れておかなければならない問題はとても多くなっています。それは、ブラウザー、プラットフォーム、デバイス、フォーム ファクターの数がかつてないほど増えているのが原因です。モバイル コンピューティングをはじめ、タッチ インターフェイス、高解像度ディスプレイ、すぐに仕様が変わるブラウザー API、JavaScript ライブラリといったハードウェアは今日大きく進歩し、最先端の Web で優れた開発を行うために従わなければならない原則の難易度は高まる一方です。そんな中でも、開発者を支援する Web 開発ツールの成熟度は高まっていますが、依然としてそこには大きなギャップがあり、Web プラットフォーム向けの開発は本来あるべきほど簡単ではないのが現状です。しかし、マイクロソフトならこのギャップを埋めることができると私は確信しています。

そして今回素晴らしいことに、Glimpse の Nik Molnar 氏 (英語) と Anthony van der Hoorn 氏 (英語) が Visual Studio チームに加わることになりました。

Mix 11 で Glimpse を発表する Anthony van der Hoorn 氏、Nik Molnar 氏、Scott Hanselman 氏、David Fowler 氏、Phil Haack 氏

彼らは、2011 年にマイクロソフト主催の Mix カンファレンスでリリースしたオープン ソースの Web デバッグ・診断ツール Glimpse (英語) の開発者です。Glimpse は、ASP.NET 開発者がアプリケーションの内部のしくみを診断し、パフォーマンスを強化できる部分を特定するために利用されてきました。NuGet からインストールすると、Glimpse は要求実行に関して直観的に理解できる視覚的なタイムラインや、SQL クエリのログ、URL ルートのデバッガーをはじめ、多数の機能を Web ページに直接埋め込んで提供することで、ASP.NET アプリケーションを自動的に強化します。さらに、Glimpse は全面的に拡張性が高く、独自のカスタム拡張を作成 (英語) したり、NuGet ギャラリーからコミュニティが構築した多数のカスタム拡張 (英語) をダウンロードして利用したりすることができます。Glimpse とその使用方法の詳細については、入門ガイド (英語) をご覧ください。

Web アプリケーションに表示された Glimpse のヘッドアップ ディスプレイ ビュー

今後 Nik と Anthony はマイクロソフトの正規の社員として、パフォーマンス、診断、デバッグのツールを通じて Web 開発環境を改善する取り組みを行い、ツールのギャップを解消するために尽力することになっています。それには、Web プラットフォーム関連のさまざまな既存チームと連携し合い、また、オープンソース プロジェクトとして継続される Glimpse の発展にも引き続き取り組んでいくことになります。

私個人としては、Nik と Anthony が持つ専門知識と情熱が Visual Studio チームにとって良い刺激となることに加えて、Glimpse の将来にとっても意味があるようになることを期待しています。Glimpse は単独でも素晴らしいものですが、マイクロソフトのサポートとリソースが加わることでさらに成長を遂げるだろうと見込んでいます。Glimpse にかかわることができて非常に光栄であると共に、Visual Studio、Visual Studio Code、Visual Studio Online のユーザーのために Glimpse を重要なツールセットの一部にできるよう取り組みを進めていく予定です。とはいえ、Glimpse もこれまでのガバナンス モデルを維持していくため、引き続きコミュニティへの投稿 (英語) やフィードバックをお待ちしています。

Shanku Niyogi、Visual Studio チーム担当ゼネラル マネージャー @shankuniyogi Shanku Niyogi は 1998 年にマイクロソフトに入社し、長年にわたって開発者ツールとランタイムの開発に従事してきました。現在は、クロスプラットフォームおよびオープン ツール グループのリーダーとして、新しいクロス プラットフォーム対応製品である Visual Studio Code や、Visual Studio IDE 以外の多くのツールの責任者を務めています。