[ゼロからはじめるWindows Phone 7プログラミング] 第3回 ~プログラムの仕組み / プロジェクト~

[ ゼロからはじめるWindows Phone 7プログラミング ]
第3回 ~プログラムの仕組み / プロジェクト~

前回の記事で、Hello Worldという文字を表示させるプログラムをVisual Studioという開発ツールで作りました。
今回から数回に分けて、その仕組みについて説明します。

[ プロジェクトって何? ]
前回Windows Phone 7用のアプリケーションを作るために、Visual Studioを使用しました。
Visual Studioを起動し、最初に行ったことが新規プロジェクトの作成です。
このプロジェクトと呼ばれるものは、アプリケーションを構築するために必要なソースファイル等をまとめるものです。
プロジェクトにはいくつか種類があり、作成したいアプリケーションの種類に応じてプロジェクトを選択します。
Windows Phone 7用のアプリケーションをつくるときは、以下のプロジェクトを選ぶことができます。

Windows Phone Application : 通常のアプリケーションを作成します。
Windows Phone Databound Application : データに紐づくようなリスト形式のアプリケーションを作成します。
Windows Phone Class Library : Windows Phone用のクラスライブラリを作成します。
Windows Phone Panorama Application : パノラマ形式のアプリケーションを作成します。
Windows Phone Pivot Application : ピボット形式のアプリケーションを作成します。
Windows Phone Game : XNA Frameworkというものを使用し、Windows Phone用のゲームを作成します。
Windows Phone Game Library : Windows Phone用のゲームで使用するライブラリを作成します。

HelloWorldのプログラムを作るときは、Windows Phone Applicationというプロジェクトを選択しました。
例えば、パノラマ形式のアプリケーションを作るときには、Panorama Applicationを選ぶと、最初からパノラマになっているアプリケーションのひな形が作成されます。
パノラマとピボットについては、こちらをご参照ください。
パノラマ : https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2010/12/15/windows-phone-7-ui-26.aspx
ピボット : https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2010/12/16/windows-phone-7-ui-27.aspx

[プロジェクトに含まれるもの ]
Visual Studioの画面の右上をご覧ください。(画面については、第2回の記事をご参照ください)
Solution Explorerと書かれたウィンドウがあります。
そのウィンドウで、プロジェクトに含まれるファイルを見ることができます。
下図は、Solution Explorerに表示されている中身を一部展開したものです。

このプロジェクトの中には、以下のファイルが含まれていることが分かります。
AppManifest.xml
AssemblyInfo.cs
WMAppManifest.xml
App.xaml
App.xaml.cs
ApplicationIcon.png
Background.png
MainPage.xaml
MainPage.xaml.cs
SplashScreenImage.jpg
それぞれのファイルは、Solution Explorer上でダブルクリックすることによって開きます。
この中で、青い字で書いたMainPage.xamlとMainPage.xaml.csの2つのファイルが、アプリケーションの本体のファイルです。

拡張子が.xamlであるMainPage.xamlは、ユーザーインターフェイスの部分が書かれているファイルです。
このファイルをダブルクリックすると、以下のように画面上の左側にユーザーインターフェイスのデザイン画面と、右側にXAMLと呼ばれるマークアップ言語で書かれたソースが表示されます。

拡張子が.csであるMainPage.xaml.csは、C#という開発言語で書かれたプログラムのファイルです。
このファイルをダブルクリックすると、ソースコードが表示されます。

拡張子が.pngのファイルと.jpgのファイルは画像ファイルです。
ApplicationIcon.pngはこのアプリケーションのアイコンですので、この画像を変更するとWindows Phone 7上に表示されるのアプリケーションのアイコンが変わります。
SplashScreenImage.jpgは、アプリケーションの起動時に表示される画像です。

ここで説明したファイル以外のファイル (灰色の文字で書いたファイル) は、アプリケーションの構築に必要なファイルではあるものの、変更する必要のないファイルです。

[ プロジェクトとソリューション ]
Solution Explorerを見ると、いちばん上の行に Solution 'HelloWorld'と書かれています。
2行めには、HelloWorldとだけ書かれています。
この2行めの部分がプロジェクトです。

実は、プロジェクトをまとめるためにソリューションと呼ばれるものがあります。
Visual Studioで新しいプロジェクトを作成すると、プロジェクトを作るとともに、作成したプロジェクトを管理するソリューションが自動的に作られます。

1つのソリューションの中に、複数のプロジェクトを入れることもできます。
ソリューションに別のプロジェクトを新たに作成して追加するときには、Solution Explorerに表示されているソリューションの上で右クリックし、[Add]-[New Project]を選択します。
既存のプロジェクトを追加することもできます。

[SilverlightとXNA]
Windows Phone 7用のアプリケーションを作るとき、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、Silverlightと呼ばれるフレームワークを使用する方法と、XNAと呼ばれるフレームワークを使用する方法です。
新しくプロジェクトを作成する際に、
Windows Phone Application
Windows Phone Databound Application
Windows Phone Class Library
Windows Phone Panorama Application
Windows Phone Pivot Application
のどれかのプロジェクトを選択すると、Silverlightを使用するアプリケーションを作成できます。
Windows Phone GameまたはWindows Phone Game Libraryのプロジェクトを選択すると、XNAを使用するアプリケーションを作成できます。
本連載では、しばらくの間はSilverlightを使用したアプリケーションについて説明します。
SilverlightのアプリケーションとXNAのアプリケーションの違いも、後日説明する予定です。

[ゼロからはじめるWindows Phone 7プログラミング]
第1回 : ~無償の開発環境を揃える~
第2回 : ~プログラム入門 : Hello Worldプログラムを作る~
第3回 : ~プログラムの仕組み / プロジェクト~

マイクロソフト
田中達彦