【SharePoint と BizTalk の連携 (1)】 考え方と環境準備


環境:
Office SharePoint Server (MOSS) 2007
BizTalk Server 2006 R2
Visual Studio 2005

SharePoint と BizTalk の連携

  1. 考え方と環境準備
  2. SharePoint からのドキュメントの受信
  3. SharePoint へのドキュメントの送信
  4. タスクリストなど (ドキュメントライブラリ以外のリスト) との連携

こんにちは。 

今回は、SharePoint と BizTalk の連携について記載をおこなっていきます。

その考え方 

まず 「SharePoint と BizTalk をなぜ連携する必要があるのか」 という点についてその必要性を簡単な例を述べて記載します。

Excel や Word、そして SharePoint Server (MOSS 2007 / WSS 3.0) を中心とした Office system の "日常" の世界と、企業に必須の "基幹" 業務システムとを連携した、「OBA の世界」(基幹システム側では、これら Office の世界を作り込む必要はありません) を製品提供者や情報システム担当者が構成する上で、基幹となる外部システム (ERP, CRM などのパッケージや、皆さんの会社で使用している固有のシステム、など) との連携は欠かせない要素になってくることはいうまでもありません。そして、その具体的な連携方法を検討する上で思いつく方法としては、「Web サービス」 や外部システムの 「API」 呼び出しなどを使って、適宜、情報の取得や送信をおこなうといった方法がまず思いつくことでしょう。
こうした連携方法は、例えば、VSTO のアプリケーションの上でペイン(カスタムタスクペイン)上に選択可能な製品情報の一覧を表示するケース、などでは有効かもしれません。しかし、つぎのようなケースではどうでしょうか ?

例えば、SharePoint 上にドラフト用の購入申請書が登録され、SharePoint 上で承認がおこなわれたら、正式なドキュメントとしてそのドキュメントに記載された「商品」や「金額」などの情報が ERP と会社独自の「発注管理システム」に登録され、ERP 上で発注手続きが完了したら、経理部門で所有する「経理管理データベース」と SharePoint にその内容を送信し、SharePoint 上ではそのデータを元に月次の PO リストを作成し、作成が完了して承認されたら、今度はこれを ・・・で処理し、、、、

といったようなケースです。

これは 1 つの流れだけを追ったものになりますが、企業の中に存在するその他のビジネスプロセス (業種によってさまざまですが、顧客情報の管理、製品情報の管理、etc) をすべて Web サービス呼び出しや API 呼び出しを使って組み合わせていくと、最後には、からまった糸のような全体システムが構成され、1 つのアプリケーションの変更で全体が動かなくなってしまうような複雑な構成が作成されてしまうことでしょう。

こうしたビジネス全体の構成をより簡単なトポロジーで、より相互に依存性がない形で構成できるものとして、エンタープライズサービスバス (ESB) や EAI などの採用が検討されるはずです。そして Microsoft の場合、この役割の一部を担うものが BizTalk Server になります。

以前記載しましたが、簡単に述べてしまうと、BizTalk Server を使うと、全体のプロセスをオーケストレーションすることで、「多対多」ではなく BizTalk を中心とした「1 対 多」のシステムを構成し、連携を含む全体のビジネス統合を集中的に管理でき、かつそこに接続するシステム間を依存しない形で統合することが容易になります。

次回以降で具体例を述べていきますのでそこでも登場すると思いますが、上述の通り、BizTalk Server 上では「オーケストレーション」と呼ばれる一種の「ワークフロー」を構成し、システム間の連携を管理することができます。
ここで、「ワークフロー」と記載してしまうと、SharePoint 上でも「承認ワークフロー」などの「ワークフロー」を利用でき、どちらを使うべきか混乱してしまうかもしれません。これについては、以前 こちら の最後にも記載しましたが、BizTalk で扱う「オーケストレーション」(Orchestration) と SharePoint の「ワークフロー」(SharePoint Workflow) は、まったく意味も、目的も、ライフサイクルも異なるということを理解しておく点が重要です。

以下にこれらをまとめます。

例えば、「承認ワークフロー」のようなものは、SharePoint を導入している各部門ごとに業務管理者が設定するケースが多いでしょう。その一方で、BizTalk Server で管理される上述のような「オーケストレーション」は、一般に、企業の情報システム部門や運用管理部門により維持されることでしょう。 
部門の承認ワークフローでドキュメントの承認が回覧され、承認されたあとで他システムへデータを送信する (オーケストレーション) といった場合に、これらの流れを無理やり 1 つのフローにまとめてしまうことはナンセンスです。SharePoint のワークフロー (Workflow) と、BizTalk のオーケストレーション (Orchestration) は、それぞれわけて管理されていて問題ありません。というか、そうあるべきです。
このことは、次回以降、具体的な例なども示しながら実感して頂こうと思います。

環境構築における留意点

セットアップにおいては、通常の BizTalk Server 2006 R2, Microsoft Office Sharepoint Server (MOSS) 2007 (または WSS 3.0) のセットアップと概ね同じですが、SharePoint 連携用に BizTalk の WSS Adapter と呼ばれるものを使用します。このアダプターは Adapter のソフト本体と Web サービスで構成されており、以下のように BizTalk Server のインストールで追加のコンポーネントとして明示的に組み込む必要がありますので注意してください。(既定のインストールでは、このアダプターコンポーネントはインストールされません)

  1. BizTalk Server 2006 のインストール (もしくはインストール後のコンポーネント追加) で、[追加ソフトウェア] - [Windows SharePoint Services アダプタ Web サービス] を選択してアダプターのインストールをおこないます。
  2. さらに、このアダプターの構成をウィザードに従っておこなってください。
    構成時に Windows のグループ (デフォルトは「SharePoint Enabled Host」です) が作成されます。このグループに、Windows の BizTalk ホストアカウント (Adaministrator など) のユーザの追加をおこない、SharePoint 側にもこの追加したユーザがアクセスできるように SharePoint 上でユーザ追加をおこなってください。
    (設定が正しくおこなわれていない場合、使用時にイベントビューアにエラーが出力されますので確認してください)

また、BizTalk で BAM (Business Activity Monitoring) を使用する場合、Windows SharePoint Services (WSS) 2.0 が必要になるという点も注意してください。
このため、MOSS 2007 (または WSS 3.0) 及びそのアダプターの構成されたマシンと、BAM の構成されたマシンとは分けて設定をおこなう必要があります。

また開発・管理の環境について、以前も記載しましたが、今後、Visual Studio 2008 への対応が検討されているとは言え、まだこのブログを記載している現時点では BizTalk Server 側のオーケストレーション構築には Visual Studio 2005 が必要であるという点も踏まえておきましょう。つまり、Visual Studio 2008 を使った Sharepoint ワークフローの開発環境などとは別に、BizTalk のプロセス構築用にVisual Studio 2005 を使用した管理環境を構築する必要があります。
(今後の展望については、第 4 回 の最後に補足しておきました) 

その他のリソース

実際の開発では、SAP, Siebel などみなさんの企業で導入されているパッケージ製品や、みなさんの企業独自の基幹業務などとの連携が必要になるでしょう。これら SharePoint の外の連携テクノロジーについては、以前記載した WCF LOB Adapter と呼ばれる最新の仕組みを活用することができます。

また、現実の連携開発におけるポイントなどその他詳細については、ハンズオンを含めた実機トレーニングもおこなわれています (株式会社 クリエ・イルミネート社によるトレーニング)。実際に適用をご検討されているところは、構築前にこうした教育機関によるトレーニングを活用して理解を深めることができます。

Office SharePoint Server 2007 有償トレーニング
http://www.microsoft.com/japan/office/2007/sharepoint/training.mspx

Comments (4)

  1. 環境: Microsoft Office SharePoint Server (MOSS) 2007 (または WSS 3.0) BizTalk Server 2006 R2 Visual Studio

  2. ご注意: このブログのイメージファイルは、05/09 (金) 17:00 – 05/12 (月) 07:00 までアクセスできなくなります (This blog’s images could not be

  3. SharePoint と BizTalkで、MSエバンジェリストの松崎さんがかなり良い記事を連載していたことに気づく。 ■SharePoint と BizTalk の連携 考え方と環境準備 http:

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