Windows Azure を使った Windows Push Notification Service の活用 ~ クラウドカバー Episode 59

今回のクラウドカバーでは、Windows Azure のエバンジェリスト Nick Harris をゲストに迎え、Windows Push Notification Service に関して議論します。

 

 

この放送が行われた前週は BUILD がおこなわれた、とあって取り扱う話題は盛りだくさん。ということで早速、いつものようにニュースから。

 

Windows Azure SDK 1.5 and the Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio 2010

Widndows Azure SDK 1.5 のリリースに関するお知らせです。

エミュレータの改善、プロファイリング機能の追加など、多くの機能強化が行われています。

また、Windows Azure AppFabric SDK もアップデートされています。

 

Web Platform Installer をご利用いただいていればAzure SDK および AppFabric SDK の両方とも簡単にインストールいただけますので、ぜひご利用ください。

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Windows Azure Platform Training Kit - September Update

SDK のリリースに伴い、トレーニングキットもアップデートされました。

AppFabric の新機能である Service Bus の Topic や Queue のハンズオン コンテンツも追加されています。

その他これまでのサンプルコードも SDK 1.5 にあわせてアップデート等されています。Azure を活用いただく際にサンプルとなるコード満載なトレーニングキットですので、常にインストールしておきましょう。

 

Geo-Replication and new Blob, Table, and Queue features for Windows Azure Storage

Windows Azure Storage のデータが、同一リージョンに含まれる2か所のデータセンター間で自動的に複製される機能(Geo-Replication)がアナウンスされました。

Geo-Replication はディザスタ リカバリーの一環として、Azure Storage の信頼性を高めるために導入されたサービスで、無償で利用いただけます(手続きなく自動的に利用いただけます)。

なお Geo-Replication の対象となるのは Blob および Table のデータです(Queue は含まれません)。

また、Blob、Table、Queue の新機能として、Table Upsert(Insert を試みて、既にデータがあれば Update を行う)、Table Projection、Blob HTTP ヘッダーの改善、Queue の UpdateMassage および InsertMessage の強化が行われています。

詳しくは Windows Azure の Blog を参照ください。

 

Release of the Windows Azure Platform PowerShell Cmdlets 2.0

Windows Azure 用の Powershell Cmdlet(コマンドレット) のバージョン2が CodePlex にてリリースされました。

これまでの Cmdlet を大幅に見直し、Windows Azure、SQL Azure および ACS を Powershell から管理するための様々な機能を提供しています。

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Windows Azure Experts at the Seattle Interactive Conference

Seattle で開催される技術コンファレンスのお知らせです。Steve や Wade、クラウドカバーでもおなじみの Nathan や、本日のゲスト Nick も登壇するようです。

 

The Service Bus September 2011 Release

Windows Azure AppFabric の Service Bus の機能強化(Topic、Queue)、および AppFabric SDK 1.5 リリースにともなう各種コンテンツアップデート等に関する Blog です。

AppFabric の Topic や Queue はこれまで SDK 2.0 の CTP にて提供されてきましたが、このたび SDK 1.5 のリリースで正式な機能として商用利用が開始されました。

SDK 2.0 CTP では正式リリース前の機能として、名前空間が AppFabric Labs の名前空間を使用していたりしますので、今後 Topic や Queue を使用する際には SDK 1.5 のライブラリを参照するようにご注意ください。

 

 

 

Delivering Notifications using Windows Azure and Windows Push Notification Service

最後のニュースは BUILD に伴い、追加された Windows 8 対応の Windows Azure Toolkit のお知らせです。

 

今回のクラウドカバーの本題はこの Toolkit に含まれる Push Notification Service のお話。

Push Notification Service は、Windows Phone および Windows 8 におけるメトロアプリケーションにおいて使用されるタイルに対して、サーバー側からプッシュ配信を行う際等に使用される機能です。

 

この Push Notification Service を活用し、クライアントに対する通知サービスを組み込んだサンプルアプリケーションを Windows Azure 上で実装したのが今回の Toolkit です。

 

Toolkit をインストールすると、Visual Studio 2010 で Push Notification Service を活用したサーバーサイドロジックを開発するためのテンプレートが使用できるようになります。

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新規でプロジェクトを作成するとウィザードが立ち上がりますので、Windows Azure ストレージへの認証情報等を入力していきます。

 

すると、Push Notification Service と連携しながら、様々な通知を行うことができるサンプル プロジェクトが生成されます。

 

さらに、同一ディレクトリに、クライアント用のアプリケーションのサンプル プロジェクトも生成されています。こちらは 次期 Visual Studio である Visual Studio “11” (コードネーム) にて開いてください。

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今回のサンプル プロジェクトでは、Notification をおこなうフォーマットとして、Badge、Tile、Toast の3種類が、また、それぞれに細かなテンプレートが用意されています。

 

クラウドカバーで紹介されているのは、Windows Phone の People ハブのタイルのようにイメージを使った Notification を行うサンプル。

Steve や Wade の顔写真を使ったクライアント通知が、簡単な設定で可能になりますスマイル

 

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ちなみに、Notification で使用する画像イメージは Blob にアップロードされ、Notification の際にはその Blob の URL が送られる、という仕様になっています。

 

詳しくは Nick の Blog 「Delivering Notifications using Windows Azure and Windows Push Notification Service」 をご参照ください。

 

 

さて、今回クラウドカバーで紹介している Notification Service は、Windows Push Notification Server(WNS)と呼ばれるサービスですが、Windows Phone 向けに同様のサービスが Microsoft Push Notification Service (MPNS) という名称で展開されています。

 

こちらを使ったサービスの作成方法に関して、「MSC2011 D3-303 “Windows Phone/iOS/Android から Windows Azure を利用する” session follow up - Part 3 : スクラッチでのソリューション開発 - 3 Push Notification」にて解説がありますので、ぜひこちらも一読ください。

 

最後は、オーストラリアから来た Nick をフィーチャーしながらの、Tip of the Week。

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今回の Tip は、Wade の Blog「Running the Windows Azure Tools & SDK on the Windows Developer Preview」から。

Windows Developer Preview において、Windows Azure Tools を動作させるために必要な作業の紹介です。

ほとんどの作業は Web Platform Installer を使用することでサクッ、とできるようになっています。環境構築でつまずいたりした場合にはぜひ参照ください。

 

以上、クラウドカバー Episode 59、Windows Azure を使った Windows Push Notification Service の活用の紹介でした。

 

それでは!