技術を見る目 (20101005)

みなさん、こんにちは
10月に入ってやっと秋らしい気候に安定してきたように思います。
急に涼しくなったおかげで着るものに苦労しています。

さて、今日は少し違った観点で書いてみようと思います。

ここ数年新しい技術がいろんな所から出てきては、それにフォロワーが追いつき、また別の所から別の技術が出てきて…ということが繰り返されてきているような気がします。
今でいうと、特にブラウザやクラウド技術、スマートフォンが最も顕著にその傾向を示しているような気がします。
新しい技術は「ここが素晴らしい!」と言われた機能が数か月もすると競合から出てきたりと、機能そのものが持つ優位性は一過性の物となり、マーケティング観点でいう差別化要因として利用することが難しくなってきました。

それでは、どこを見なければいけないかという話ですが、結果的に「ビジョン」や「思想」を見る必要が出てきたのです。
もちろん、今までもそこは非常に重要な要素で、技術選択に長けている人は今までもここを重要なポイントとして見てきたかと思います。
しかし、一方で (私の経験ですが) 技術選択の現場では機能レベルの〇×表が求められ、その表は数か月後には過去の物になってしまうにも関わらず、それによって長期的なプランが決まってしまうという現実を見てきました。
これからは、現場レベルでもこの「ビジョン」や「思想」を判断基準として持たなければならなくなってきたように思います。

もちろん、足りない機能があればそれは選択できませんし、将来性だけに期待するのもリスクが高いのでお勧めしません。しかし、何をするための技術なのか、これからどうなって行こうとする技術なのかという点を見落とすことはそれ以上に危険な事です。

例えば、今クラウド技術としては”SaaS”、”Paas”、”IaaS” など様々な分類がされていますが、これをこれらの言葉だけでなく、何がしたいのか、同じ分類の中でも違う方向を向いているのではないかという点を考える必要があると思っています。
同じような例としては Silverlight と Flash の違いって何?または、Silverlight と HTML 5 の違いって何?というものありますね。

つまり、自分が求める「ビジョン」と技術が提供する「ビジョン」これのマッチングが必要になったということですね。最近のIT系のマーケティングもこの辺での差別化がだいぶ増えてきたような気がします。
そして、このマッチングを「ビジョン」のレベルで行うことで、実は思いもしなかった選択肢が見つかるかもしれません。それがイノベーションではないでしょうか?

と、だいぶ偉そうに書いてみましたが、きっとこの Blog の読者のみなさんにとっては当たり前のことかと思います。
でも、みんながそういう考え方をすれば、もっと充実したIT環境を整えられるのではないかと思います。また、逆にそういう考え方で技術を使ってもらえると、製品提供側もよりよい製品を送り出すことができるようになってくるかな…っと思っています。