System Center Updates Publisher 2011 概要

気付けば月日は過ぎ、全くブログの更新ができていない状態なロバートです。皆さん、節電の中の夏は凌ぎ切れましたでしょうか?

今更 System Center Configuration Manager 2007 R3 の電源管理をネタにするのも微妙な気がしたのと、たまたまお客様のご要望もあり System Center Updates Publisher 2011 のお話をする機会があったので、今日は日本での実装例が少ない (何故なら英語ドキュメントと英語インターフェースしかないから)、マイクロソフトが提供するフリーツールについて『概要』を紹介したいと思います。

先ず、『System Center Updates Publisher (SCUP) って何ですか? 』 と言うことからですが、簡単に言うとマイクロソフトが提供するソフトウェアの更新プログラム以外の更新プログラム (Adobe 社、DELL 社、Hewlett-Packard 社、自作) を Windows Server Update Services に発行し、System Center Configuration Manager 2007 のソフトウェアの更新の展開と一環して環境下にあるクライアントに更新プログラムを配信することをお手伝いするツールです。

…全然、簡単な説明になりませんでしたね (汗) もう少し詳細に…

Configuration Manager を利用してソフトウェアの更新プログラムを展開し、管理しているクライアント PC の環境をセキュアにする…と言うことは、ご存知かと思います。いや、むしろ、それを前提に説明するので、『へぇ~、そうなんだぁ~』レベルで良いので理解したつもりでいて下さい。Configuration Manager による更新プログラムの展開は、Windows Server Update Services (WSUS) 3.0 と連携して Microsoft Updates からダウンロードされる更新プログラムの提供を一元管理することができるのですが、参照元はあくまで Microsoft Updates。即ち、Microsoft Updates 上のカタログに含まれている更新プログラムしか対象にはなりません。

管理対象のシステム上に Microsoft 製品しか入っていないのであれば、それで充分でしょうが…そんな環境、ラボ以外で見たことがありません (笑)。MS 製品以外でも、利用率が高いアプリケーションと言えば Adobe 社さんの Acrobat Reader や Flash Player ですね。Adobe 社の Acrobat Reader や Flash Player 用の更新プログラムは、個人のコンピュータでも定期的にインストールしているんじゃないでしょうか? Adobe 社さんは、System Center Updates Publisher 用に更新プログラムのカタログを提供している企業さんなんですよ!!それは、即ち何を意味するか… Configuration Manager を利用した更新プログラムの展開を、Microsoft Updates 上のカタログのものだけじゃなく、Adobe 社さんが提供するカタログ内のものも、一括して同様に管理下のシステムに提供することができるんです!

え?だからどうしたかって?

運用工数やそれに伴うコストの観点から考えてみましょうか?

管理している環境に、クライアントが1000台ほどあるとします。OS は Windows XP と Windows 7 が混在。アーキテクチャも x86 と x64 が混在。また、システムの言語も、英語、日本語、フランス語のものがあるとしましょう。アプリケーションは Office 2007、Office 2010 のいずれか。また、システム言語に合わせてインストールされた Adobe Acrobat Reader X が入っていると想定します。

Configuration Manager 2007 のソフトウェア更新の展開機能を利用して、Windows OS のアーキテクチャ、言語別の更新プログラムを WSUS と同期してカタログのメタデータを持ち、ソフトウェアの更新のクライアント エージェントによるスキャン結果に基づき OS/Office をはじめとした MS 製品やテクノロジの更新プログラムは展開できます。

Adobe Acrobat Reader の更新プログラムに関しては、別途ダウンロード。Configuration Manager のソフトウェアの配布機能を利用して、各言語別にパッケージの作成 → プログラムの指定 → 配布ポイントへの配置。言語別の Acrobat Reader をインストールしている端末を集約するコレクションを作成 (WQL クエリを作成)。提供情報を、これもまた、言語別のパッケージ配布用として作成し、有効化。クライアント エージェントのポーリング スケジュールを待ち、通常のソフトウェア配布と同様に、クライアントはインストールの処理を行います。

文字にしても、少し面倒なんですが、実作業としては結構面倒です。

SCUP 2011 を利用することで何ができるのか?

シンプルです。この例においては SCUP で Adobe 社が提供する更新プログラムのカタログを確認し、必要な更新プログラム情報のメタデータをダウンロードし、展開において必要最低限のメタデータ (もしくはフル コンテンツ) を WSUS に発行します。

こうすることで、Configuration Manager 2007 のソフトウェア更新ポイントの同期が行われたタイミングで、WSUS に発行済みの Adobe Acrobat Reader のカタログ メタデータも Configuration Manager にて確認・管理できるようになり、OS や Office 製品と同様に Configuration Manager 管理コンソール内で展開するプログラムの検索、条件付け、リストに対する展開などを実施できるようになります。

ザックリと作業工数としては、半分とまで行かないかも知れませんが、3rd Party 製品分の更新の数が多ければ多いほど、作業工数は SCUP を利用しない場合、増えて行く一方になりますので、その工数を大幅に削減することが可能になります。

とは言え、言葉にして説明するのも分かりづらいと思うので、もしご要望があれば、簡単なシナリオを利用して、今後ブログの中で SCUP の利用例などを紹介できたらと思います。はい。ご要望があれば…ね。

『取り敢えず英語でも良いので、自分で試してみる!!』と言う方は、こちらから System Center Updates Publisher 2011 の情報を確認し、ダウンロード & お試しをして見てください!

タイトル: Microsoft Download Center: System Center Updates Publisher 2011
リンク (
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en&id=11940 )

9月に入ってから、System Center 2012 製品ラインアップ全てのβ版がリリースされました (無論、英語版のみです) = 僕はこれから 2012 の製品ラインアップを全て家のラボに構築していくわけです♪

その辺についての情報も、後日ブログに更新していけたらと思います! (忙しすぎなければ… )