SQL Server 2008 RTM (開発完了)!

マイクロソフト 星川です。   約3年の開発期間をかけたSQL Server 2008の全開発工程が終了しました。    改めて、製品開発に関わっていただいた社内・社外の多くの皆様、ありがとうございました。いろいろな方と一緒にいい仕事ができたと思っております。ある程度長く製品開発に参加すると、対象は「ソフトウェア」ではありますが愛情が芽生えかわいく思えるときがあります。今回、すでに実績のあるSQL Server 2005のコードベースに開発を進めてきたことは、製品品質が重視される今日において正しい選択だったと思っております。同時に魅力的な機能追加とSQL Server 2005リリースから3年以内というスケジュールを守ることが我々の使命であったわけですが、社内の開発プロセスの大規模な変更と継続的なカイゼンによりいい成果が出せたのではと考えております。   自信をもって製品を出荷したとはいえ、今後の市場の反応がどう出るかは非常に気になるところです。今年に入って特に日本市場も含め世界経済の先行きの不透明さが増し、企業のIT投資が厳しくなっているように思えます。エンタープライズ製品の結果が出るのは場合によっては1年以上かかると思います。しかしながら、ポジティブな側面としてデータに関する市場は情報量増加のトレンドとストレージデバイスなどのコスト減により爆発的に伸びております。より大規模環境にも対応できるデータベースの役割、それら蓄積された大規模なデータ (データウェアハウス) を経営に活用するためのBI市場が非常に伸びており、我々の製品も年々2桁成長を続けております。SQL Server 2008の登場により、コンプライアンスや既存のSQL Server 2000/2005のユーザー様からの移行シナリオを含めて成長を期待しております。   我々の日本の開発メンバーは日本独自の取り組みであるCQIで蓄積した一部のノウハウを反映したホワイトペーパー公開にむけての活動、TechEd 2008での準備作業などがあり、9月あたりまではフィールド、パートナー様と一緒に活動する予定です。ちなみに、より深い広範囲なノウハウは関わった社内・社外のエンジニアの方に蓄積されております。また、すでに次期バージョンの計画を始めており、それにあわせてUS本社開発側と共同チームを編成し、日米往復しながら着々と準備を進めております。   横浜で行われる弊社のイベントTechEd 2008会場で皆様にお会いできることを楽しみにしております。私自身も含め、SQL Server 2008の開発に関わったメンバーが最終日のPeerTalk Lunchには顔を出す予定ですので、気軽に声をおかけください。   日本のSQL Server 2008 サイト http://www.microsoft.com/japan/sql/2008/ (20本以上の質の高い自習書を含め、この時点でのコンテンツの充実振りは驚くはずです。) TechEd 2008 サイト http://www.microsoft.com/japan/teched/2008/       コミュニティにおけるマイクロソフト社員による発言やコメントは、マイクロソフトの正式な見解またはコメントではありません。


日本語照合順序 Japanese と Japanese_XJIS_100、Japanese_Bushu_Kakusu_100 の比較

はじめまして、マイクロソフト保瀬です。SQL Server 開発部門でテスターをしております。日本のSQL Serverチームがブログを開設してから1年以上が経ちますが、遅れ馳せながら今回はじめて書きます。これを機にできる限り、継続的かつ頻繁に情報発信できればと思います。よろしくお願いします。 初回は、トピックとしてあまり取り上げられないSQLの照合順序についていろいろと見ていこうと思います。CTP版やRC版等をお試しになっている方はお気づきと思いますが、新たに2つ照合順序が追加されています。 SQL Server に新規に照合順序が追加されることなった背景に Windows Server 2008 と足並みをそろえるという目的がありました。Windows Vistaを既にご使用の方は、お気付きと思いますが、コントロール パネルの「地域と言語のオプション」のところで並べ替えの設定ができます(下図参照)。ここで「XJIS」または「部首/画数」の何れかを指定できるようになっています。今回 SQL Server に新たに追加された日本語の照合順序名である Japanese_XJIS_100 及び Japanese_Bushu_Kakusu_100 はWindows Vista と Windows Server 2008 で指定可能となった「並べ替え」の内容に沿うような形で追加されています。   Japanese_XJIS_100 の照合順序で何が変わったか、特に以前からあるJapanese 照合順序などと比較した場合の文字の並び替えなど動作について見ていきましょう。まずは「論より証拠」で、実際にそれぞれJapanese_XJIS_100とJapaneseの照合順序でソートした場合の結果を比べていくことにします。尚、今回は一文字単位の比較としました。例えば、「は」と「ば」を比較するのであれば 、where 句の内容として “where N’は’ < N’ば’ collate Japanese_XJIS_100_CI_AS” といった具合で比較していくことにしました。2文字以上の文字列を含む比較となると、内部エンジンの文字列ソートについて触れておく必要が出てくるので、それはまた別の機会にしておきます。 比較内容として、今回は平仮名・片仮名の文字(単一文字のみ)を使って比較してみました。全ての五十音文字を使用するとかなりのテストパターンになるので、今回は清音、濁音、半濁音、平仮名、片仮名等の観点から、Japanese と Japanese_XJIS_100/Japanese_Bushu_Kakusu_100 の各照合順序の比較結果の違い検証してみました。 下記表1にグループ分けされた五十音文字を示します: 表1(参考:JIS X 4061「日本語文字列照合順番」) グループ グループ文字 清音 大文字(L)・小文字(S) 平仮名 (H)/ 片仮名…

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SQL Server 2008 での開発プロセスの変更

マイクロソフト 星川です。   過去の私のブログで何度か触れておりますが、今回は SQL Server 2008 での開発プロセスの変更に関してより詳しく記述したいと思います。   背景として、我々 SQL Server 開発チームは過去の3つの製品リリース (7.0, 2000, 2005) を経て、市場のニーズや最新のハードウェア、インフラの変化に対応可能な複雑な製品開発、技術を扱うようになりました。それと同時に BI 市場への投資を含め、世界中に数千人クラスの大規模なチームに成長し、プロセス・コミュニケーションが複雑になってきたことが上げられます。SQL Server 2005 に予想以上の歳月をかけてしまったことの反省が大きくあるのですが、我々はその経験から学習し、SQL Server 2005 リリースの後どうすれば次期製品のリリースを高い品質を保ちながら、時代にあった機能追加を行い、リリース スケジュールが大幅に遅れることなく、この規模の開発チームの生産性を最大限に上げることが可能かをSQL Server 2008の開発が本格的に開始される前に考えました。   それが、SQL Server 2008 での新しい Improvementという単位での開発手法になります。メインラインである製品コード、ビルドと完全に分離され、ほとんどすべての開発プロセスであるコーディング、テスト作業を完了後、再度メインラインに組み込んでいきます。Improvementは新機能や機能強化の単位であり、社内的にも Improvement チーム、Improvement がメインラインに check-in されたなど普通に使用しております。同時に数十の Improvement が走り、ビルドも Improvement 毎に作られ、コードのcheck-in、機能テスト、パフォーマンステストなどを終えてメインラインに統合されます。さらにメインラインである製品ビルドで End to End の大規模なテストを社内や全世界の早期導入ユーザー、MVP などの非常に強力なパートナー様の方々と広範囲に行い、最終的に皆様に評価可能な CTP ビルドが作られます。   基本原則 メインラインは常に出荷可能に近い状態を保つ メインラインへの反映は Improvement…


SQL Server 2008 CTP6 をリリース

マイクロソフトの星川です。   昨日、CTP6である 「Microsoft SQL Server 2008 CTP – 2008 年 2 月」 版をリリースすることができました。これで SQL Server 2008 で予定されているほぼすべての機能が入ったことになります。今回のリリースにて Windows Server 2008 への対応、Side by Side のインストール、クラスタの機能強化 (制限事項あり) などが含まれます。また、SQL CQI (Center of Quality Innovation) プロジェクトや早期導入プログラムなど一部の日本のパートナー様、お客様にはすでに日本語版を使用して検証開始していただいておりましたが、本リリースで日本語版を含めた9言語のローカライズ版を全世界に公開させていただきました。ローカライズに関しては現在作業中ですので、まだ UI や Books Online (ヘルプドキュメント) には不完全な部分も残っているかと思います。今後様々なアプローチでの製品検証作業を進め、お客様のフィードバックをもとに製品品質を上げていきたいと考えております。   現在、製品リリースをターゲットに社内では世界規模で様々なチームが準備を行っております。そこで今回、日本マーケット向けに特別に用意させていただいているコンテンツとして自信を持ってご紹介したいのが 「SQL Server 2008 自習書シリーズ」です。自習書シリーズは SQL Server 2008 を試す際の最初のステップとして、コンテンツ内容の質が高くお勧めです。各ドキュメントは画面ショット、サンプルコードを含め各100ページ以上のボリュームになっております。現在、日本のパートナー様と進めている CQI プロジェクトは今後これらの自習書を補完する実検証結果を反映したドキュメントになる予定です。   – SQL Server…

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SQL Server 2008 早期共同検証プロジェクト (CQI)

マイクロソフト 星川です。   9月から11月にかけてUS出張などがありとても忙しく、寝不足の毎日が続いておりました。最近やっと通常通りのペースになってきました。   現在、我々日本の開発チームは日本独自の SQL Server 品質向上プロセスである CQI (Center of Quality Innovation) を社内のフィールド、パートナー様と共同で推進しております。我々の部隊は米国本社の開発チーム直下ということもあり随時情報共有しており、この日本での取り組みは米国本社でも高く評価、期待されております。次期リリース予定の SQL Server 2008 では大きく4つのシナリオ (コンプライアンス、データ ウェアハウス、サーバー統合、旧バージョンからのアップグレード / 移行) にフォーカスし、それぞれのシナリオをパートナー様である NEC様、日本HP様、日本ユニシス様と共同で取り組んでおります。各パートナー様のエンジニアの方々には今後、我々開発チームがいる調布技術センターに常駐していただき、ラボでの深い実検証を通して製品品質を向上し、パートナー様・お客様が実際に製品を選択していただく際や展開する際に役立つノウハウを早期入手、またそれらの情報を技術文書として幅広く提供したいと思っております。今回名前が出てないパートナー様以外にも本当に様々な方のご協力を得ており、とても感謝しております。例えば、技術文書をお願いする方々もとても信頼しており、検証内容だけでなく技術文書もレベルの高いものが提供できると考えております。また、それと同時に人間的ですが、パートナー様を始め様々な方とは長期的なリレーションシップを育てていきたいと思っております。   この取り組みですが、実際には SQL Server 2005 から引き続き行っているプロジェクトであり、実績として徹底検証シリーズとして6本の技術文書をすでにリリースしております。今回の SQL Server 2008 のプロジェクトには前回の経験と知識を踏まえ、常に改善しております。また、より多くのリソースを集中させ来年度に予定している SQL Server 2008 の製品リリースを成功させたいと考えております。すでに幅広く国内の主要なメディアにてカバーされておりますが、先日発表されたパートナー様とのCQI に関する共同プレスリリース、特にその記者会見ではパートナー様からの力強いお言葉を頂くことができました。この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。   SQL Server 2008 早期共同検証プロジェクト CQI に関するプレスリリース http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3271 日本語 SQL Server 2008 サイト http://www.microsoft.com/japan/sql/2008/ SQL…

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TechEd 2007 にて SQL Server 2008 の日本語での情報提供始まる

マイクロソフト 星川です。   8/21より4日間、パシフィコ横浜にて弊社のイベントである TechEd 2007 が開催されました。その初日に弊社より Windows Server 2008 (開発コードネーム Longhorn)、Visual Studio 2008 (開発コードネーム Orcas) との共同ラウンチ イベントに関するプレスリリースの発表があり、幅広く国内の主要なメディアでカバーされていると思います。   初日のキーノートでは DMF (Declarative Management Framework) と呼ばれるデータベースに対するポリシーベースの管理機能のデモ、こちらは今後の J-SOX 等の IT コンプライアンス対応においての重要な機能のひとつになると考えております。また、2日目と3日目の SQL Server 2008 の個別のセッションではその DMF の詳細や Resource Governor (CPU、メモリ等のリソースの制御機能) などの新機能の一部ではありますが、デモをご覧にいただけたかと思います。   現在の CTP4 は英語版のみですが、日本語 UI が反映されたビルドは CTP5 のリリースに反映されるよう現在開発を進めております。ドキュメントの日本語化は CTP5 の時点では未完成になると思います。前回の私のブログで触れておりますが今回の SQL Server 2008 では前バージョンからの開発プロセスを大幅に変更しました。これは単に通常リリースの後半に行われるシステム検証にリソースをかけるだけでなく、開発初期段階からのプランニング、チーム編成、コーディング、Check-inの方法、ビルドツリーの構造、開発ツールの見直しなど、幅広いプロセス改善を行っております。その結果が実際の SQL Server…


SQL Server 2008 開発コードネーム 「Katmai」 の情報公開始まる

マイクロソフトの星川です。   すでにいろいろな国内、海外メディア、ブログ等でカバーされ始めてますが、SQL Server の次期製品である開発コードネーム「Katmai」 について US の5月の BI Conference、今月6月の TechEd 2007 より幅広い情報公開が始まりました。日本でもすでに SQL MVP の皆様や共同開発・検証などを計画されている一部のパートナー様、お客様とはコミュニケーションを開始させていただいております。正式な製品名を SQL Server 2008 と決定し、よりお客様の声を反映しながら2008年中のリリースを予定してます。今後幅広く弊社イベント等を通してより全貌をご紹介させていただけると思っております。   現在は情報の時代であり、こうしている間にも数十億という人々が実際にインプットして作られるものから機械的に作られるものまで、驚異的なペースでデータが増加しております。いわゆる Web 2.0 も含め様々なシステムのバックエンドには必ずといっていいほどデータベースが存在し、その数、データの量は爆発的に増えていっております。これらの状況に対応するため、我々の Vision である Your Data Any Place, Any Time を実現に近づける製品開発を全世界にて進めております。SQL Server 2005 (開発コードネーム Yukon) で長い歳月をかけお客様のフィードバックを反映しながらじっくりと製品開発を進めてきました。そして、単なる RDBMS ではないデータ・プラットフォームとして IT Pro、Developer、そして Information Worker の方々の生産性をより向上させることを目標に進化しております。その過程において SQL Server の開発を主に担うデータ ストレージ プラットフォーム開発統括部はより大規模なチームに成長し、複雑な製品・技術を扱うようになりました。過去の製品リリースにおいて様々なことを全世界のお客様を通じて学び、今回複雑になった開発プロセスを大幅に見直し、より予測可能な質の高いリリースにしていく予定です。   SQL Server 2008、および…