[TechDays].NET Framework 4 時代の言語を担当します

Tech・Days 2010では、「.NET Framework 4時代の言語」というセッションを担当します。概要にも記載していますが、扱うテーマは以下の3つになります。

  • Dynamic (動的)
  • Declarative (宣言型)
  • Concurrent (同時実行)

最初のテーマであるDynamicについては、DLRが提供されることで何ができるかというのがメインテーマになります。ここでお見せする予定のデモとしては、C#<->IronPython、C#<->IronRubyなどの静的言語と動的言語間の相互利用になります。両方を組み合わせることで、どういうことが実現できるかについて説明ができればと考えています。

2番目のテーマとしては、宣言型プログラミングの定義に従って XAML と Visual F#を取り上げます。XAMLについては、.NET Framework 4で提供される System.Xamlを説明する予定です。 F#は、関数型言語としての基本的な部分をご説明することを考えています。

3番目のテーマに関しては、これが一番難しいと感じています。Concurrentという単語を「同時実行」と訳していますが、「並行」と訳す場合もあります。Parallelという単語では、並列と訳するわけです。一般的に並列プログラミングと呼んでも、並行プログラミングと呼ばれることは少ないわけです。並列か並行かというのは、言葉の定義が大切なのですが、並列プログラミングに関するトピックはMSDN ライブラリの中では、Advanced Topicになっているため、一般の人には理解しにくいのではないかと考えています。従って、どのように説明するかという点に関しては、未だに検討しています。

すべてのテーマに関して考えていますのは、

  • 今迄がどうだったのか
  • .NET Framework 4 でどうなるのか

ということです。たとえば、Dynamicですが今迄は提供されていませんでしが、これからは提供されるわけです。そうすると、モックオブジェクトと本番オブジェクトを入れ替える場合に「Dynamic」を使うことで依存性を気にしないで入れ替えることが可能になります。もちろんプログラミング的には、インターフェース継承などを使って入れ替える方が、記述ミスの少ないプログラムを記述できますし、実行速度も速くなります。ですが、オブジェクトのインスタンスを作成するFactoryクラスなどを用意する必要があるわけです。これをDynamicにすることで、FactoryクラスがDynamicオブジェクトを返すことで、どのようなオブジェクトでも扱えるようになるわけです。もちろん、知らないメンバーを呼び出すことはコストがかかりますので、呼び出すメンバーの名前に関しては知っている必要がありますが、インターフェースを使うことなく実行時に解決できるのが、DLRのメリットになります。また、2度目以降の呼出しは、サイトバインダーによってキャッシュされていますから、速度の向上も望めるわけです。Dynamicを使用しなかった場合との違いは、「コンパイル時にメンバーを解決するか」「実行時に文字列でメンバーを解決するか」ということです。
この速度面の課題を許容するのなら、オブジェクトを作成するコンテナとしてDLRを活用する価値があるのではないかと、私は考えています。スクリプト系の言語が、色々なところで使われている状況を考えると、使っても問題ないと考えることができます。もちろん、絶対的に速度を重視する場合では、目的を達成するために別の手段をつかうべきだと思います。

PS.考えることが多くて、資料を読み込むのも大変な状況にいます。