「MR Deivice って あれVRじゃん」に対して、最新 Mixed Reality について

いよいよ、各社の Mixed Reality デバイスの実機が披露されました。

Microsoft、各社の「Windows MR」ヘッドセットを会場展示

すでに、海外等でAcer のMixed Reality Deviceを体験された方もいらっしゃいます。そして皆さんこういう。

「Mixed Reality Device って、あれVRのHMDじゃん」
「透過型じゃなくてもMixed Reality っていうの?」

そう、そうなんですよ。Mixed Reality Device はいわゆるVRのヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。Windows 10 Creators Update に対応したデバイスで、「複合現実ポータル」を介して複合現実を体感いただけるデバイスです。

「????」

最新 Mixed Reality とは

すべてはこちらにまとめられていますが、私なりの解釈と解説を続けますね。

Windows Developer Center : Mixed Reality 

 

これまで説明してきた Mixed Reality

Mixed Reality 複合現実とは、Physical Reality (物理現実)とVirtual Reality (仮想現実)の融合したもの、簡単に言えば我々が今いる、今見ている現実の中に、仮想の情報や物体を表示し、さらに物理的なものと仮想的なものの間で何かしらの干渉がある、というものでした。はい、私何度この話をしたことか。

これからの世界に向けて、現在の Mixed Reality の定義

実は今この話少し変わってきているんです。今はこうなっています。

Computer x Environment x Human で Mixed Reality と。まず最初の違いは「人」が介在しているということ。確かにそうですよね。前には書いてなかったですが、Mixed Reality を認識するうえでは常に人が認識することが前提条件ですから。

そうなれば Computer = Virtual Reality で Environment(環境)= Physical Reality ってことで前と特に変わっていないんじゃない?という気にもなります。

しかし、実は一番大きな違いともいえるのが Environment の定義です。

Environment がどこまでカバーしているか

Environment ではなく、Physical Reality の時は、定義もかなり漠然としていました。シンプルでしたよね。透過型のデバイスで見える目の前の現実ととらえていました。しかしそれはあくまでもMixed Reality におけるある1つの側面にすぎなかったわけです。

この、Environment (環境)から入ってくる情報は多岐にわたります。HoloLens で代表される空間認識(Spatial Mapping や Spatial Understanding) だけでなく、ヘッドトラッキングのような空間内での自分の状態、さらには環境光(照度)や空間音響、物体(オブジェクト)認識に位置情報など様々です。行ってしまえばこういった情報を取得していて、Computer からの情報とMixedしてHumanに情報提供している状態であれば、Mixed Reality なのです。

全部 Mixed Reality ?

 

「だったら、Tango だって、それこそ iPhone の ARアプリだって、Oculus だって Vive だってみんな、Mixed Realityじゃん!」

ぶっちゃけ行ってしまえばそうです。正直 VRとかARとかMRとか区分するのはあまり意味がなくなってきます。すべては Mixed Reality (というかこの際MRというか、どういうかはどうでもよくて)の世界のどの部分を切り取って見ているか、それだけの違いなのです。

実際にDeveloper Center の前述の記事の中でもそういった定義の図が出ています。

 

Mixed Reality Spectrum

まずはMixed Reality が定義する範囲が拡大されていると。(これはあくまでもMicrosoft の解釈といってもいいかと思います。別の定義をされている方もいて、どれが正しくどれが間違っているというものではありません)
The mixed reality spectrum

 

Mixed Reality とDevice そしてアプリの関係

そして、その中でHoloLens や Windows Mixed Reality device がカバーする範囲がどこなのかも示されています。
Device types in the mixed reality spectrum

 

ほかのデバイスも組み合わせるとこうなります。

Where devices lay on the mixed reality spectrum

 

HoloLens ならアプリケーションの作り方によってさまざまなタイプのアプリを実現できます。つまり、Skype のようによりAR的なアプリもあれば、HoloTour のような、よりVRに近いアプリもあります。

Where experiences lay on the mixed reality spectrum

 

もう少ししたら、定義はどうでもよくなる

 

2DのスクリーンでComputer からの情報だけを表示する世界から、物理世界とComputing 情報を合わせて体感する環境にシフトするようになれば、その手法は様々ですが全てはMixed Reality です。その呼称が 3D Computing だろうが Spatial Communication であろうが、正直どうでもいいです。

多くのデバイスやアプリはその世界で動くようになるし、そのために仕組みやデザインを改めて考え直す必要があるでしょう。だからこそ、このタイミングで Microsoft Fluent Design System を発表しました。

どんなデバイスでも別に構わない。Device と アプリの力で人の可能性がさらに広がるなら、デバイスもOSも特にどれでも構わないです。もしかしたら、その上に出てくるデバイスの一つが次の世代のMicrosoft のMobile Device かもしれません。そうであれば、今のMobile device とかなり違う概念の上に作られるデバイスになるでしょう。

ただ確実にそれを支えるのはネットワークであり、クラウドであり、セキュアなインフラであり、それらを高度に繋ぐためのAPI群やサービスであることは間違いありません。

まとめ

 

つまりね、最終形態はこうなるんですよ。