Windows Phone 7.5 (Mango) @ MIX11
では、今回MIX11で発表された、Windows Phone 7 の次のアップデート(コードネーム Mango)の内容をご紹介します。
名称について
ちゃんとした言い方はしていませんが、キーノートでは普通に「Mango」と言ってました。これは次の Windows Phone 7 のバージョンのコードネームです。そして、概要のセッションのスライドにはしっかりと 7.5 という数字が出ていました。現時点ではブランディングとしては、Windows Phone 7 であることは変わりません。
多言語対応
日本、中国、韓国を含め対応言語と国が大きく増えています。2バイト圏の拡張が大きいです。アプリを開発し登録できる国は30→38カ国、Marketplaceからアプリを購入できる国は16→36に増えています。
キーノートでは日本語と韓国語のトップページのUIが表示されていますが、これは あくまでもプロトタイプであってUIは確定していません。縦書きを保証しているものでもありません。
そして、Windows Phone 7は基本的に全ての言語の文字の入力と表示に対応しています。
OSとしての機能について
タスク切り替えの機能が付いた : 戻るボタンを長押しするとタスクの切り替え画面があらわれてタスクの切り替えをすることができます。
マーケットプレースのハブの機能が拡張し使いやすく: スクリーンショットが見やすくなったり、検索もアプリや音楽などカテゴリで分けられます。結果での表示情報も増え探しやすくなりました。
アプリケーションリストが使いやすく: インデックスがついてアプリケーションが探しやクスなり、また名前で検索できるように検索ボタンがついています。
ブラウザはIE7からIE9に : ブラウザはIE9になり、PCサイトの再現性、HTML5の対応、処理速度の向上など快適に使えるようになっています。
HTML5のレンダリング速度はスマートフォンブラウザの中では断トツです。
対応するセンサーの拡張: GPS, 加速度センサー、電子コンパス、近接センサー、照度センサーに加えて、ジャイロもサポートするようになりました。ただしオプションです。
マルチタスクに関する拡張
Windows Phone 7 のマルチタスクに関する動きは大きく変わっていません。基本的にはバックグラウンドに回ったアプリケーションは停止するか終了します。そして、再度起動した際には、終了時の画面から始めることができます。今回拡張されたのは、
タスク切り替えの機能が付いた : 戻るボタンを長押しするとタスクの切り替え画面があらわれてタスクの切り替えをすることができます。
タスクの復帰が早くなった : メモリの余裕がある限りは、メモリ内にアプリケーションを保持して次の復帰が早くなるようにしています。
バックグラウンドタスク : アラート機能、音楽再生、ファイル転送をバックグラウンドで行うための専用のライブラリが用意されています。
バックグラウンドAgetnt : アプリケーションの機能をバックグラウンドで動作させるために、Agentアプリケーションを作ることができます。アプリケーションと対になり、バックグラウンドではAgentを動かすことができます。AgentにはUIはありませんし、センサーを使ったことなどはできません(Locationは除く)
アプリケーションプラットフォーム
Silverlight 4: Mangoでのアプリケーションプラットフォームは Silverlight 4 になっています。これにより各種APIが拡張されています。
XNAとSilverlight の相互運用 : XNA と Silverlight の機能をUIを含めたレベルまで相互運用できるようになりました。Silverlight 上にXNAで処理した画面を表示されることができます。
プラットフォームの利用拡張
カメラ : カメラのパイプラインにアクセスができるようになりARなどに利用できるようになります。バーコードリーダーも。
センサーAPI : Location、加速度センサーに加えて、電子コンパスやジャイロもアプリケーションから利用できるようになりました。
マルチタイル : アプリケーションから複数のタイルを表示できるようになります。複数のコンテンツを持っているアプリケーションには有効です。
データアクセス拡張
SQL CE : SQL CEが内蔵されデーターベースエンジンとして利用できるようになります。
スマートフォンのデータへのアクセス : アドレス帳やカレンダーの情報にアクセスできるようになります。UIを経由せずにデータを取得できるので、独自のアドレス帳やカレンダーを作ることができます。
通信関連
Sockets : ソケット通信を利用できるようになります。
パフォーマンスの向上 : ガベージコレクションの拡張、タスクスイッチの拡張、シリアライゼーションのパフォーマンスの拡張、SIMD対応など、リストボックスのパフォーマンスアップ
開発環境
エミュレーターの拡張 : エミュレーターで傾をシミュレートしたり、GPSをエミュレーションする機能が付きました。多くのセンサー機能をエミュレーションで実現できます。
プロファイラの拡張 : デバッグ時のメモリ・パフォーマンスをプロファイラを通じて確認することができます。
APIの拡張 : 約1500以上のAPIが新たに追加されています。