Phone 7 に届くまで #12:Silverlight であるがゆえに

imageこれまでのネイティブ/C++ でWindows Mobile アプリケーションを作っていた人にとっては、「私たちの知っている Windows Mobile はなくなってしまった」 という感じでしょう。

[Native / C++] → [Managed , .NET] → [Siverlight] と大きなパラダイムシフトを2回も越えており、これはもう自分の開発テクノロジとは別物という感じになっているでしょう。これならば Objective C++ や Java になっても同じと思うのが普通でしょう。

.NET への移行だけでも受け入れなかったのに、Silverlight になると Windows Phone 7 になるとますますお作法が変わります。

ローカルリソースへのアクセスはできない
ファイルシステムも同様で、アプリケーションは基本的にアプリケーションに割り当てられた分離ストレージにアクセスする
処理が非同期になることが
基本的に UI は XAML を使って記述
こういうのを見て、「もう Windows Phone はオワタ」と言って去る方は、とても残念。新しい技術に向き合ってみようという意欲があるなら Silverlight は大変魅力的です。特にUI周りは。派手なアニメーションを盛り込む必要はないですが、隠したいところは隠し、必要なところは適切なサイズや表現で表示する。コマンドプロンプトで鬼のようにコマンドラインをたたいて処理を進めるのも最高のUXであり、流れるように指をタップして処理ができるのもUX。それを実現できるのが Silverlight です。

また、UIにこだわった開発陣が、その世界観(メトロ)を踏襲したアプリケーションを作ってもらえるよう、Windows Phone 7 テンプレートを採用できることも、Silverlight が選ばれた理由なのかもしれません。

個人的にはこれまでのアプリケーション開発者のアーキテクチャ的なノウハウをうまく取り入れて、またすぐれたアプリケーションを作ってもらいたいですね。もしかしたら今まで苦労していたメモリ管理や、パフォーマンスアップのためのテクニック、機能を補完するために自作したものは、初めから用意されていたり、またものすごく簡単にできるようになっているかもしれませんね。