Windows Azure 実装ガイド、公開しました!


※ 2011/10/31 追記:バージョンアップ版を公開しました。こちらのエントリもご参照ください。

というわけで皆様、大変ご無沙汰しております;。1 月に Windows Azure のエントリを書いて以来、Azure 案件で忙しい日々が続いており、とても blog どころではなかった....というのが正直なところ;。現在はホントに Azure 一色な日々を送っているのですが、おかげさまでついに! というかようやく! Windows Azure の実装ガイドラインとなるコンテンツを公開することができました!(嬉)

  • Visual Studio Workshop #451 Windows Azure 上での Web アプリケーション開発基礎

TechEd Keynote セッションなどでちらっとご紹介して以来、本当に長らくお待たせしてしまったのですが、マイクロソフト社内の様々な関係者のご協力でついに公開することができました! この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

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こちらのスライドは、ppt ベースで 324 ページから構成されるもので、現時点での Azure 開発用マテリアルとしては、おそらく全世界レベルで見ても最も情報がまとまっているコンテンツではないかと思います。このマテリアルですべての開発の疑問が解決するわけではないと思いますが、たいていの質問には答えられると思います。

なお、こちらのマテリアルの利用にあたっては、以下の点にご注意いただければと思います。

  • このマテリアルは、あくまで現場の開発者の皆様の、セルフトレーニング(勉強)用にご提供するものです。複製、転載、商用利用はご遠慮下さるよう、お願いいたします。(例:この内容を社内で製本して配布するとか、このマテリアルを使って社内向けトレーニングを実施するとか、設計書や社内資料、お客様向け資料に引用したりコピペするとかしてはいけません。)
  • 内容については、私が独自に調査しているものを多分に含んでおります。技術情報に関しては誤りがないように全力で調査をしていますが、万が一、間違いがあった場合には、こちらの blog などで報告をしていきたいと思います。
  • Azure のアップデートなどによりこちらの情報が古くなる可能性もありますが、現時点ではマテリアルの更新について行う予定はありません。申し訳ありませんが、差分情報については各自で調査をお願いできればと思います。(基本はこれからもそんなに変わらないと思いますが。)

Windows Azure 開発に携わっているすべての方のお役にたてるマテリアルだと思いますので、ぜひこのコンテンツを学習して、Azure 開発を進めていただければと思います。(というかこれだけの情報を公開している PaaS サービスは他にはないんじゃないかと思う……^^)

と、これだけでは何ですので、ここでは少し裏話を……

[このマテリアルはいったい何か?]

今回、公開したこの ppt マテリアルは、MCS(マイクロソフトコンサルティングサービス)が企業向けに提供している有償 Workshop である、Visual Studio Workshop コースのひとつ(#451 コース)を、ほぼそのままの形で社外に公開したものになります。この Visual Studio Workshop は、マイクロソフトコンサルティングサービスの開発系コンサルタントの社内トレーニングにも利用されており、実際のコンサルティング案件のベースラインになるとともに、実案件で出たノウハウを吸収してコンテンツがどんどん強化されていく、という仕組みになっています。文字通り、コンサルティングサービスの中枢の開発ノウハウがそのまま凝縮されたものになっています。

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ちなみに、今まで赤間が執筆してきたすべての書籍(開発技術大全シリーズや Web アプリケーション構築技法など)は、すべてこの Visual Studio Workshop をベースとして執筆されており、いわば赤間が出版してきた書籍のオリジナル版とも言えるものです。

[なぜ今回、このマテリアルを公開したのか?]

この MCS の Workshop シリーズは、コンサルティングサービスのノウハウの集大成ともいえるもので、過去、このような形でダウンロード提供するものではありませんでした。しかし、昨今のクラウドの大きな盛り上がりもあり、お客様からは Windows Azure に関する技術情報提供を求められることが多くなってきました。

これはマイクロソフトの見解というわけではなく、あくまで私自身の考えなのですが、もともと私は SIer 出身ということもあり、本来、SI に関わるノウハウ的な部分(見積もり手法や設計手法、あるいはテクノロジの活用方法の検討など)に関しては、SIer が開発するべきものである(=もしそれをマイクロソフトが提供するのであれば有償サービスであるべきである)、という考え方を持っています。しかし、プラットフォームベンダーであるマイクロソフトから適切な技術情報が提供されなければ、そうした設計手法や見積もり手法を作ることはできません。そういう観点から見ると、現在の Windows Azure 上での開発に関する情報は、一通りの情報が Web 上に出ているとはいえ、

  • 情報が様々な場所に散在してしまっており、調べるのに時間がかかる。
  • 多くの情報リソースがまだ英語であるため、日本人だと読むのがつらい。
  • 自力でいじったり調べてみたりすればわかる部分は多いが、その手間がかなりかかる。

といった問題がある、と感じていました。また、実はこれに並行して、いくつかの出版社さんから書籍執筆の話を持ちかけられていたのですが、現実的に私の執筆時間が現在全く取れないこと、またなにより、出版までそれ相応のリードタイムがかかってしまうという問題がありました。

Azure に先行して取り組んでいただけているお客様の「現在の pain」を今すぐ取り除くには、MCS Workshop の Azure 実装編コースの ppt マテリアルを直接公開することが最もストレートな解決方法である、ということから、社内 Azure V-Team による検討作業が行われ、様々な部門からのご協力のもと、今回の企画が実現しました。

[MCS Workshop や Azure コンサルティングサービスの全貌について]

今回公開した Power Point 資料は全部で 324 ページに及ぶ膨大な資料になっているのですが、MCS Workshop や Azure 関連コンサルティングサービスの全体像、という観点からすると実は氷山の一角にすぎません。例えば、Azure 関係の Workshop やコンサルティングサービスとしては、以下のようなものがあります。(メインとなっているのは #821 アセスメント編、#811 設計編、#451 実装編の 3 つです。)

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# コースタイトル

101

.NET Framework アプリケーション開発 スタートアップ

203

.NET ベースクラスライブラリ

301

Web フォームによる Web アプリケーション開発基礎

302

ASP.NET AJAX による Web アプリケーション開発基礎

303

Silverlight による Web アプリケーション開発基礎

305

実践的 ASP.NET Web アプリケーション開発

322

Windows Presentation Foundation によるアプリケーション開発基礎

325

スマートクライアントアプリケーション開発基礎

341

LINQ – Language Integrated Query による参照系アプリケーションの開発

361

Database Professional によるデータベース開発基礎

401

Web フォームによる Web アプリケーション開発応用

406

Windows Communication Foundation によるアプリケーション開発基礎

407

Web アプリケーションのシステムインフラストラクチャ

411

SQL Server & ADO.NET によるトランザクション制御

431

Visual Studio Team System によるソフトウェアテスト

451

Windows Azure 上での Web アプリケーション開発基礎

451

Windows Azure 上での Web アプリケーション開発基礎

501

VSTS/TFSによるチームアプリケーション開発概要

502

TFSによるソースコード管理基礎

503

自動ビルドシステム

751

.NET アプリケーションの移行 (CLR 2.0 & 64-bit)

771

.NET Compact Frameworkによるモバイル アプリケーション開発

781

Visual Studio による国際化対応アプリケーション開発

785

Windows CardSpace 概要

786

SQL Server Compact Edition 3.5 & Synchronization Services for ADO.NET

788

Windows Live ID 認証 Webサイト構築

801

Web アプリケーションアーキテクチャ基礎

811

Windows Azure へのアプリケーション移行計画とシステム設計

821

Windows Azure へのアプリケーション移行アセスメント

開発標準ガイドライン Quick Start Workshop

※ ちなみに #301, #341, #411(の一部), #431 あたりが VS2005 以降の書籍のオリジナル版にあたるものです。

先に申しあげたとおり、これらの多くはコンサルティングサービスによる有償サービスになります。コンサルティングサービスに依頼する上で、やはりクォリティが心配になる部分も多いかと思いますが、今回、こうした形で Workshop マテリアルのひとつを全面的に公開できましたので、ひとつの参考にしていただくことはできるかと思います。上記にあるように、設計ノウハウやアセスメントなどに関しては有償のサービスメニューとしてご用意しておりますので、以下のような方は、弊社の担当営業までお声掛けいただければと思います。

  • 社内システムへのクラウド技術の適用・活用を検討したいと考えている。
  • 社内システムを Azure 化したいが、費用対効果が全く読めずに困っている。
  • Azure に関する設計・実装ノウハウを入手したい。
  • 社内のエンジニアに対して、Azure の設計・実装技術のトレーニングを実施したい。
  • 既存システムの Azure 化を行う予定だが、設計・実装に自信がなく、有識者にレビュー・支援して欲しい。

[Consulting Express for Azure について]

なお、特に SIer や ISV などシステム開発に関わる企業様は、上記の Workshop マテリアルを含んだパッケージ商品(技術移転プログラム)である、Consulting Express for Azure のご利用をぜひご検討ください。今回、ダウンロード提供させていただくものは、#451 の実装編のみであり、しかも個人の学習用途に絞られていますが、Consulting Express であれば、アセスメントや設計編までパックになっており、さらに(ある程度条件は限定されますが)SI ビジネスなどで活用していただけるような社内利用権も付与されます。通常のカスタムのコンサルティングサービスよりも安価に Azure のノウハウを一気に入手できますので、ぜひご検討ください。

[最後に…]

最後に、ちょっと愚痴まじりですが、私のつぶやきを聞いてください;。

最近、Azure 関連で様々なお客様(主にシステム開発系の企業様)とお会いしているのですが、どこのお客様でも共通的に感じることが、とにかくみんな忙しい、ということ。昨今の恐ろしいまでのコスト削減圧力により、現場にはかつてない重圧がのしかかっているわけですが、そうしたしわ寄せは、まず最初に「技術調査や勉強時間の削減」というところに現れます。しかしこれはその場の付け焼刃であって、長期的にそれを繰り返せば、SIer や ISV、個人としての実力低下、ひいては衰退に繋がっていくものです。こうした状況に陥らないようにするためには、やはり私は、どんなに忙しくても、勉強することが欠かせないのだと思います。

昨今の不況、そしてグローバル化の波を乗り越えていくためには、みんなで頑張らないとダメなのだと思います。我々ベンダーも、SIerも、ISVも、お客様も。そのために最低限必要になるであろう Azure に関する情報を、今回ご提供させていただいたつもりです。300ページ超えのマテリアルともなると簡単に読み切れるものではないと思いますが、それでも普通に学習するよりは圧倒的にラクになるはずだと思います。10ページずつでもいいので毎日読み進めていき、ぜひ、この情報を Azure の開発現場で生かしてください。どうぞ、よろしくお願いいたします。

Comments (1)

  1. りばてぃ より:

    すばらしいです。

    公開ありがとうございます。

    いろんな人にこれ見てがんばれ!と言えそうです。

    #451の開催もありがとうございました<m(__)m>

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