Imagine Cup 2014日本代表 英語トレーニング(世界大会を目指すには・・・)

みなさん、こんにちわ。日本マイクロソフトのエバンジェリスト渡辺です。

Imagine Cup 世界大会に出場する日本代表チームに対して、毎回実施している恒例の英語トレーニングを実施しました。今回は、日本代表チーム「かぞくぐるみ」の皆さんがいる鳥羽商船高専を訪問して実施してきました。

 

鳥羽商船高専の校舎には、Imagine Cup世界大会出場の横断幕が掲げられていました。

 

先ずは、「問題提起」。Imagine Cup世界大会に出場してくる各国代表の学生さんは、ほとんど全員が、ある程度の英語ができます。この状況を話すと、日本の学生さんや先生方は、信じられないと言う人が多いのですが、過去数年間、世界大会を見学してみて、本当にそうなのです。Imagine Cup世界大会に行くと、英語が話せないのは、日本人だけじゃないのかと思ってしまうのです。おそらく、各国が英語の出来る学生さんを代表に選んでいるということは、あるでしょう。それにしても・・・Imagine Cup日本代表が世界大会で活躍するための、最大の壁は、やはり英語であるのは、間違いないと思っています。スポーツ競技と異なり、Imagine Cupは、プレゼンテーションとデモ(説明)を審査しますので、英語が必須なのです。

この英語トレーニングは、1日のみです。1日のトレーニングで英語が劇的に上達することはありません。このトレーニングで目指しているのは、今後1か月の学生さんの練習に対するモチベーションの向上と効果的な学習方法を伝授することです。トレーニングの講師は、日本マイクロソフトの社員に対しても英語トレーニングを行っているRona(Esarona Sapolu)先生です。昨年に続いて、Imagine Cup英語トレーニングの講師は、2回目になります。Rona先生は、ニュージーランド出身です。偶然ですが、鳥羽商船高専のチーム「かぞくぐるみ」のメンバーの島影さんが、現在、ニュージーランドに留学中です。この日のトレーニングには、島影さんは、Skypeで、ニュージーランドから参加しました。Skype最高でした!

右から2人目のパリンさんがもっているタブレットに映っているのがSkypeで参加の島影さん

 

午前10時からトレーニングスタート。午前中は、プレゼンテーションの構成(ストラクチャ)やスクリプトの見直しを行いました。PPTスライド1枚ずつ、スクリプトのセンテンス1文ずつにチェックが入ります。ネイティブが不自然に感じる表現には、すべて見直しや修正が入っていきます。ソリューション名の「かぞくぐるみ(Kazokugurumi)」もネイティブには理解しにくいので変更しようということになりました。いろいろな方々に協力いただいて、事前に複数候補名が上がっていました。その中から鳥羽商船高専の皆さんは、「SURROGATEDDY」という案を推しました。しかし、「Surrogate」(代理人)という単語に少し固いイメージがあるということで、こちらは断念。最終的には、「Cuddly Connect」という案に決まりました。このソリューションのかわいらしいイメージとKinectに結びつく感じがあるというのが理由です。

Imagine Cup 2014 日本代表は、チーム名が「Kazokugurumi」で、ソリューション名が「Cuddly Connect」になりました。

Rona先生と鳥羽商船高専チーム「かぞくぐるみ」の皆さん。終日、英語漬けです。

 

午後は、日本代表(学生さん)にとって、これまた難関である英語でのQ&A対応(対策)を行いました。プレゼンテーションは、事前に英語スクリプトを暗記して挑めば、何とかなる部分ですが、英語でのQ&Aに関しては、英語でのコミュニケーション力(聞いて、回答する)が必要となるので、一朝一夕には対応(対策)が難しい部分です。この日、Rona先生が教えてくれたQ&A対応(対策)を、少しご紹介しましょう。「Handling Question」の3つの方法です。

1.Answer the Question

聞かれている質問が理解できて回答できるなら、質問に答える。当たり前ですが、これが一番いい対応ですね。回答前に、"That's a good / interesting question." というフレーズも使うといいですね。

2.Try or Paraphrase the Question

質問が何となく理解できているが、少し自信がない場合、質問を繰り返したり、自分の言葉で置き換えて、質問を確認してみる。"So, you're asking me ....?" とか、"Let me check your question...." というフレーズでの対応です。

3.Ask to repeat the Question

質問がほとんど理解できなかった場合、もう一度、質問を繰り返してほしいとお願いする。"Sorry, what did you say?" とか、"Could you repeat that?" というフレーズでの対応です。

 

練習期間が限られているので、パターン&プラクティスによる練習方法が有効です。お決まりのフレーズをパターンとして身につけて、練習を繰り返します。英語プレゼンテーションや英語Q&A対策(虎の巻)も、Rona先生から渡されて、これを1か月間やりきることになります。プレゼンテーションの状況や使用する用語は決まっていますので、とにかくパターン化して練習を繰り返す。今回の日本代表の鳥羽商船高専の皆さんは、幸いにヒアリング力(英語の質問を聞き取る能力)が、ある程度ある感じですので、1のAnswer the Questionで、ほとんど対応できそうです。そうなると、事前に準備する想定Q&A集(英語での質問とそれに対する回答)を、いかにスムーズに回答できるかを練習することになります。

あとは、本番前に、どれだけ場数を踏めるかですね。鳥羽商船高専の先生にお願いして、出来るだけ本番に近い状況で、プレゼンテーションとQ&Aを実施していただくようにお願いしました。日本マイクロソフトも、MSD(マイクロソフトデベロップメント)の方々に協力いただいて、本番に近い予行演習を実施させていただく予定です。鳥羽商船高専のチーム「かぞくぐるみ(Kazokugurumi)」には、2012年シドニー世界大会で、日本代表(東京高専のチーム「Coccolo」)が行ってくれたような素晴らしいプレゼンテーションを再現してくれることを期待しています。

 

https://youtu.be/ZJ2SxfoNNlk

Imagine Cup 2012 世界大会 日本代表(東京高専チーム「Coccolo」のプレゼンテーション)は、上記のYOUTUBEをご覧ください!