Sansan とGloops のビジネスから考える BtoB と BtoC ビジネスの違いとコツ

こんにちは。
Microsoft Student Partners の山内 健太郎です。
今回は Windows のテクノロジーを使用してご活躍中の Sansan 株式会社様と株式会社 gloops 様によるイベント
【いま学びたいエンジニア100 選 Tech Zemi】Windowsテクノロジーで成長するベンチャー企業の独自技術とサービスの作り方とは?」(Facebook ページ) のレポートをお届けします。

< SansanとGloopsってどんな会社? >
近頃テレビCMも放映されているSansan株式会社は、主にクラウドを利用した名刺管理サービスを提供されている企業です。法人向けサービスSansanと個人向けサービスEightを提供されています。株式会社Gloopsは、「大戦乱!三国志バトル」や「ドラゴンエクリプス」などのヒットタイトルを生んだ、主にソーシャルゲーム制作を行っている企業です。

本イベントでは、両社が Windowsのテクノロジーを使用していかにヒットするサービスを作っているか、また、それぞれのサービスにおいて鍵となるビジネス要素などについて、それぞれ Chief Software Architect 藤倉成太氏と 代表取締役兼 CTO 池田秀行氏をスピーカーに迎えてお話頂きました。
その中でも、ビジネスの視点から興味深い内容を抜粋しご紹介します。 

<Sansan株式会社 藤倉成太氏の語る、「法人向けウェブサービスの顧客満足向上について」>
「消費者向けのウェブサービスと法人向けウェブサービスでは、運営を行う上でどのような違いがあるでしょうか。消費者向けのサービスであれば、ユーザー獲得に際してSEOや機能変化後の効果測定などを行いますが、法人向けのサービスであれば顧客獲得の仕方が異なってきます。当社の法人向けサービスでは、営業後の運用段階において、カスタマーサクセス部のコンサルタントを派遣し、お客様に満足して頂くよう努めます。

例えば、サービスへのログイン率や利用率などをもとにKPIを設定し、それらの達成のためにコンサルテーションを行っていきます。当サービスは収益源のほとんどが月額利用料であるために、ユーザーの解約は収益の直接的な減少へと繋がります。直接的にユーザーの声を聞く機会が多い法人向けサービスだからこそ、それらを活用したユーザーの満足を優先させます。」

< 株式会社 gloops 池田氏「近年のソーシャルゲームに必要なネットワーク・サーバーについて」>
「フィーチャーフォンからスマートフォンへユーザーが移行したことにより、ソーシャルゲームのクオリティが向上しています。そんななか、ソーシャルゲームのあり方も多様化しています。例えば、リアルタイムバトルやギルドバトルなどです。どういったものかというと、昼休み中のユーザー同士がサービス上でリアルタイムに仲間となって闘うようなシステムです。

そのような潮流の中で、ユーザーの時間的集中が加速しています。サーバーへのアクセスの集中度合いが高くなり、バックエンドのシステムも難易度が増してきています。ユーザーのアクションが多く、更新処理が非常に多いサービスの場合、データベースの分割やデータベースへのアクセスを減らすなど、処理を効率化することにより負荷を軽減し、UX改善を図ります。」

<高倉氏(Sansan株式会社) と 池田氏(株式会社 gloops) 対談 >
Q. ユーザーの動向をどう追いかけていきますか?

(藤倉氏)「B to BとB to Cのサービスでは、ユーザー動向の追いかけ方も異なってくると思います。例えば法人向けのサービスであれば、ユーザーがどのような機能を使いそこからどの程度のベネフィットを得ているか、そしてそのベネフィットがお支払い頂いている料金に見合ったものなのか、徹底的に検証します。」

(池田氏)「消費者向けのサービスで特徴的なのは、ローンチ直後は時間単位でサービスのブラッシュアップを重ねる事です。ユーザーの反応は逐次把握することが出来るので、その後も日次でKPIを設定していきます。」

Q. UI・UXについて工夫するところはどんなところですか?
(藤倉氏)「Sansanでは、名刺データを集約することで、どのような価値が産み出されるのか、そしてその世界観をユーザーに感じてもらうためにはどのような表現方法が適切なのかを常に考えています。今後サービスをより良いものにしていく上で非常に重要な点です。」

(池田氏)「UI については、いかにシンプルかつ的確に伝えるかが大事であると思います。複雑に考えてしまうと、多様なパラメーターを考慮しないといけなくなってしまうためです。ゲームは、ユーザーが心地よいと思ってくれることが非常に大事で、ストレスフルな環境をユーザーに提供しないために様々な施策を行っています」

  <終わりに>
今回のイベントは上記のようなビジネス面のお話に加えて、技術面についてのお話も多くありました。エンジニアの皆様にとっては更に興味深いお話が聞ける良い機会だったのではないでしょうか。
池田氏と藤倉氏にお礼申し上げたいと共に、今後のSansan株式会社様と株式会社gloopsの今後一層のご活躍を願っております。

Microsoft Student Partners 山内 健太郎