【イマジンカップ 2011 振り返り】あの世界の舞台に日本人学生を立たせたい

こんにちは。マイクロソフトでアカデミックを担当している楠原です。

長い挑戦が今年もまた一区切り付きました。

年間を通じて、ご支援・ご声援をいただきました皆様にこの場をお借りして深くお礼申し上げます。

 

 

 私がイマジンカップに携わって2年半。世界大会参加3回。メイン担当としてかかわったのが2010と2011の2年間です。イマジンカップは学生だけでなく、社員も想いを強く持つ大会です。なぜなら、世界大会ではほぼ全世界の学生のエネルギーや考えを目の当たりにし、学生の本気の挑戦に触れ、日本チームとして緊張や感動を共有するからです。

 

これまでの学生の挑戦はたびたびこのBlogやTwitterFacebookで伝えてきましたが、今日は私たちマイクロソフトがイマジンカップを通じて成し遂げたいことをお伝えしたいと思います。

 

マイクロソフトがイマジンカップを行う理由は、学生の人材育成です。マイクロソフトの創始者であるビル・ゲイツも「私が若いころにImagine Cupが開催されて欲しかった。この大会によって人々はソフトウェアが世界を変えるということを目の当たりにするだろう」と述べているように、「学生が未来そのものである」「その学生に世界という挑戦の場を提供する」という想いによって始まった大会であり、今もそれは全く変わりません。

それに加えて、日本マイクロソフト社員として、イマジンカップを通じて、日本の若者に夢を与え、日本を元気にしたいという強い願いもあります。

 

現在では毎年30万人を超える参加者から勝ち残った約400人の学生が世界大会へ参加します。

人材育成といいながら、250万人以上いる日本の高等教育機関に属する学生から日本代表として8人~多くて20人程度しか世界大会へいけないのでは育成にならないと思われる方もいるでしょう。参加した学生は必ず成長します。でも私たちの目標は、オリンピックやサッカーワールドカップのように、本気で目指した学生たちがいて、そのなかで代表が選ばれ、代表の努力や活躍によってまた目指そうとする学生が出てくる。「何かを作りたい!世界を変えたい!」という学生が日本で増えてくれることが目的なのです。

 

日本でソフトウェアを開発したり、ビジネスを立ち上げようとしている学生をたくさん知っています。彼らには発表の場が必要です。国内ではない世界の舞台で自分たちの作品を堂々と発表することで、その作品は国内ではなく、世界に発信されるのです。

 

また、ここは個人的意見ですが、昨今イマジンカップでも活躍がめざましい台湾、タイ、中国、シンガポールなどの東南アジア諸国、ブラジル、インドなどと比べて日本には「一旗揚げてやろう」的な学生はなかなか少なく、身近な幸せを求める傾向にあることはさまざまな調査でも取りあげられていますが、これは日本が国の成長過程において高度成長期を経て、成熟期に転換すべき時期であることと大きく影響しているように思われます。

私たちは同じように成熟期を迎えるフランスやドイツなどを参考にしていきたい。今年フランスは多くのファイナリストを世界大会に参加させ、かつ、高成績を収めました。なによりもフランスはハングリー精神というよりは、作品作りを、発表を楽しんでいるように、また社会の課題を自らの目線でとらえ、本当に解決したいという想いがあったように思われます。さらに、デザインセンスや笑いを取るポイントなどもフランスらしさが十分に表れていました。

 

日本も、学生が日本の素晴らしさ、たとえば、誠実、繊細、モノづくり魂、協調的な美、and more ! といったところを十分に発揮し、作品を作る楽しさや、世界の課題を日本人としてこう解決したい!という想いを世界に発信していくことをイマジンカップを通じて支援していくことが今後の私たちのミッションだろうと思うのです。

 

だからこそ、私たちはどうしても「あの世界の舞台で日本人学生がのびのびプレゼンすること」を目標にしつづけると思います。

 

次回大会はすでにエントリーが開始していますが、来年はシドニーで世界大会が行われます。
公式HP https://www.imaginecup.com/

 

2年間の私の挑戦は一区切りとし、新しい担当の舟越(@mihof0498)のもと多くのすばらしい企画が立ち上がり始めています。来年はもっとたくさんの学生に夢を与え、多くの日本人が元気をもらうようなそんな会になることを期待しています。

 

Fumiko Kusuhara @fumikoku