Outlook の連絡先フォルダーが多い場合の Exchange サーバーへの影響

SfB サポートのワトソンです。

Skype for Business/Lync クライアントは Exchange 連携が有効な場合、サインイン後、Exchange サーバーへ接続を行い Exchange/Outlook で登録した個人連絡先を合わせて検索する事ができます。

もし、Skype for Business/Lync サーバーのアドレス帳に Outlook で登録した個人連絡先と同じユーザーが存在した場合には、
Outlook の個人連絡先が優先的に表示されます。

そのため、以下のように、名前が同じように見えるユーザーを一目で分かりやすく判別できるようにする事ができます。

[Outlook で連絡先を追加する前] before

[Outlook で追加し表示名を変更]

contactadd

[再度検索]

aftercontactadd

上記のようにユーザーは分かりやすく連絡先をカスタマイズする事ができます。

こうした便利な機能ではございますが、ユーザーのメールボックス内に連絡先フォルダーが多い場合に、
Skype for Business/Lync クライアントにてサインインを行った後や連絡先を追加したあとに、メールボックス内にあるすべての連絡先フォルダーに対して一つ一つ中身を同期する要求を EWS を利用して Exchange サーバーに対して送信するため、
Exchange サーバーに負荷がかかり、トラブルが発生する場合があります。

lotsoffolders

 

Exchange サーバーでは、ユーザーごとに 1 台の Exchange サーバーで同時に受け付けることができる EWS 接続数が、スロットリング ポリシーにより既定で 27 に制限されております。
一方、Skype for Business/Lync のサインイン時には、個人連絡先フォルダーの更新、予定表の同期、連絡先の顔写真の同期といったリクエストをほぼ同時に Exchange サーバーに送信されます。
たとえば、40 の個人連絡先フォルダーを登録しているユーザーの場合、40 を上回る EWS リクエストがほぼ同時に Exchange サーバーに送信されてしまいます。
その場合、Exchange サーバーでこの EWS 同時接続数の 27 の制限を超えたリクエストは一旦拒否され、Skype for Business /Lync では処理できなかった要求について再度送信を行うということが繰り返され、結果として Skype for Business /Lync クライアント側では応答が遅くなる、また Exchange サーバー側では負荷が高くなる現象が発生します。 EWS Sync

組織全体で、ユーザーの連絡先フォルダーが多数ある場合には、Exchange サーバーの EWS へのリクエストが大量に発生し、その結果負荷によって同じ EWS へのリクエストで実現している Outlook 予定表の空き時間が参照できないなどの問題に発展する恐れがあります。

Exchange サーバーへの負荷と合わせまして、クライアント側でもサインイン後にフォルダーの更新が行われている間に応答がなくなるなどの問題も発生する恐れがあります。

[対処方法]
上記のような現象を防ぐには個人連絡先フォルダーの数をユーザーあたりで 20 以下にしていただく事を強く推奨いたします。

もちろん、少ないほどクライアントのパフォーマンスが上がり、Exchange サーバーのパフォーマンスへの影響も少なくなりますが、
20 以下にしていただいた場合、連絡先フォルダーの同期が 20 同時に発生した場合でも、スロットリング ポリシーの 27 の制限内に収まり、フォルダーの同期の他予定表の同期や顔写真の取得を実施するためのリクエストも、のこり 7 セッションを利用して処理することができるため、20 以下と推奨しております。