Lync Server 2013 FrontEnd Server の台数 前編

こんばんは、 Lync サポートの吉野です。
今回は 2 回に分けて「フロントエンドサーバーの台数」について語ろうと思います。

なんで!?と思うかもしれませんが、意外と罠が多いのです...。

そもそも何台必要?

フロントエンドサーバーというのは Enterprise Pool でクライアントの処理を受け付けるサーバーのことです。
Enterprise pool を選択したということは当然「ユーザー数が多い」「冗長化したい」という要望のいずれかもしくは両方があったことになります。

Lync Server 2013 では一つのフロントエンドで 6,660 ユーザーを収容できるとしています。ちなみに Lync Server 2010 では 10,000 です。
なぜこのような差異があるのかというと、アーキテクチャの変更によります。 Lync Server 2010 のバックエンド データーベースが保持していたユーザー情報は、Lync Server 2013 ではフロントエンド サーバー保持するようにアーキテクチャーが変更されています。
ちょっと処理が増えたから、ということですね。

ということで、ユーザー数が多い場合はサーバーをどんどん追加しましょう。例えば 40,000 ユーザーであれば 6 台のフロントエンドサーバーを用意します。
一つのプールで 12 台のサーバー (=80,000 ユーザー)がサポートされています。これを上回る場合はプールを分けます。

悩ましいのはユーザー数が多くない場合です。例えばユーザーは10000人だけど冗長化したい!という場合。
容量的には 2 台でも大丈夫そうですが、正解は 3 台です。理由は 2013 のアーキテクチャの変更によります。

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj688153.aspx
(以下抜粋)

Lync Server 2013 では、 Enterprise Editionフロント エンド プールのアーキテクチャが分散システム アーキテクチャに変更されました。

この新しいアーキテクチャでは、バック エンド データベースはプールのリアルタイム データ ストアではなくなりました。特定のユーザーに関する情報は、プールの 3 つのフロントエンド サーバーで保持されます。各ユーザーに対して、1 つのフロントエンド サーバーがそのユーザーの情報のマスターとして機能し、他の 2 つのフロントエンド サーバーがレプリカとして機能します。フロントエンド サーバーがダウンすると、レプリカとして機能していた別のフロントエンド サーバーが自動的にマスターに昇格します。

この操作は内部で行われるため、どのフロントエンド サーバーがどのユーザーのマスターになっているかを管理者が知る必要はありません。このデータ ストレージの分散により、プール内のパフォーマンスとスケーラビリティが向上し、単一の バック エンド サーバーの単一障害点が取り除かれます。

バック エンド サーバーは、ユーザー データと会議データのバックアップ ストレージとして機能します。バック エンド サーバーは、応答グループ データベースなどの他のデータベースのプライマリ ストレージでもあります。

これらの強化により、プールの計画および保守の方法も変わります。すべての Enterprise Editionフロント エンド プールに少なくとも 3 つのフロントエンド サーバーを含めることをお勧めします。これにより、 フロント エンド プールのアーキテクチャで想定されている数のレプリカを提供できます。また、 フロント エンド プールのサーバーを追加、削除、またはアップグレードするときには、特定の手順に従う必要があります。詳細については、「Lync Server 2013 フロントエンド サーバー、インスタント メッセージングおよびプレゼンスのトポロジおよびコンポーネント」を参照してください。

(ここまで)

じゃあ、2台だと動かないの?

そんなことはありません。
ただし、 2 台のフロントエンド サーバーのうち 1 台が停止した場合、故障したサーバーをできるだけ早く復旧する必要があります。同様に、2 台のサーバーのうち 1 台をアップグレードする必要がある場合は、アップグレードが終わり次第、オンラインにします。
何らかの理由で両方のサーバーを同時に停止する必要がある場合は、プールのダウンタイムが終わったら両方のフロント エンド サーバーを同時に再起動します。同時に再起動できない場合は、停止した順序とは逆の順序で復旧する必要があります。

そこまでサーバー用意できない場合

ユーザー1000人ぐらいしかいないけど…等という場合は Standard Edition を2台構築し、ペアのバックアップ関係にすることをお勧めします。

今回は提案(設計)段階での話でした。次回は構築(運用)段階での話になります。