USB 大容量記憶装置と標準準拠


みなさん、こんにちは。Windows 開発統括部の古内です。

今日は 2 ヶ月ぶりに、USB ネタでいきたいと思います。2011 年 7 月 22 日に Microsoft Windows USB Core Team Blog に投稿された 「USB Mass Storage and Compliance」 の翻訳をお届けします。 USB 機器を開発・製造・販売していらっしゃるハードウェア メーカーの方を対象に、なぜ、さまざまなテストを実行して USB 製品が仕様や標準に準拠しているか検証する必要があるのか、ということについて説明したものです。


USB 大容量記憶装置 (USB マス ストレージ) と標準準拠

こんにちは、Ram Valliyappan です。Windows チームでプログラム マネージャーをしており、USB 大容量記憶装置ドライバーを担当しています。私たちのチームには、次のような質問がよく寄せられます。

  • USB 大容量記憶装置の USB-IF 準拠とは何ですか?
  • USB 大容量記憶装置の SCSI 準拠とは何ですか?
  • なぜ USB 大容量記憶装置の標準準拠が重要なのですか?

この記事では、これらの質問にお答えしたいと思います。

USB 大容量記憶装置の USB-IF 準拠とは何ですか

USB デバイスが USB の仕様に準拠していることは非常に重要です。それによって、デバイスは Windows プラットフォーム上で相互運用が可能になり、優れたユーザー エクスペリエンスを提供できるようになるからです。

USB-IF 準拠は、USB 標準化団体によって定義された認定プログラムです。このプログラムでは、デバイスが USB 仕様で定義されたインターフェイスに準拠しているかどうかを検証します。この準拠テストに合格すると、その USB デバイスは USB 標準化団体が発行する Integrators List に追加されるほか、ハードウェア メーカー (IHV) は準拠するデバイスに対して USB-IF ロゴを取得できるようになります。

詳細については、「USB-IF 準拠プログラム (英語)」 を参照してください。

USB 大容量記憶装置の SCSI 準拠とは何ですか

SCSI 準拠は Windows Logo Kit (WLK) テストによって検証されます。このテストでは、ブロック ストレージが SCSI プライマリ コマンド (SCSI Primary Command: SPC) や SCSI ブロック コマンド (SCSI Block Command: SBC) などの SCSI 標準や仕様に準拠しているかどうかを検証します。SCSI 準拠テストの詳細については、MSDN ドキュメント 「SCSI 準拠テスト (英語)」 を参照してください。

Windows ストレージ ドライバー スタックは業界標準に沿って開発されており、デバイスも同じ標準に準拠していることが前提とされています。新しい Windows がリリースされるたびに、このドライバー スタックの SCSI コマンドへの依存が高まってきたことから、このドライバー スタックが必要とする SCSI 機能をストレージ デバイスが用意されていることがきわめて重要になっています。こうしたことから、このストレージ デバイスに対する要件を検証するために、WLK の SCSI 準拠テストは新しい Windows のリリースごとに改訂されています。

USB デバイスが Windows ストレージ ドライバー スタックと正しく動作でき、最適なユーザー エクスペリエンスを提供できることを保証するために、WLK 1.6 では USB 用の SCSI 準拠テストが導入されました。このテストの詳細については、MSDN ドキュメント 「USB 2.0 および 3.0 の SCSI 準拠テスト (英語)」 を参照してください。また、WLK の詳細情報と WLK 1.6 のダウンロード方法については、「Windows Logo Kit」を参照してください。

以下は、WLK の SCSI 準拠テストで検証される SCSI コマンドの概要を表にまとめたものです。

·

SCSI コマンド

業界仕様における要件

WLK における要件

ロゴ テストのポリシー (USB Disks)

ロゴ テスト ポリシー (USB Card Readers)

メモ

Inquiry

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Maintenance IN

任意

任意

任意

任意

Windows で推奨

Mode Select 6

任意

必須

必要

必要

Windows で必要

Mode Select 10

任意

任意

任意

必要なし

Windows で推奨

Mode Sense 6

任意

必須

必要

必要

Windows で必要

Mode Sense 10

任意

任意

任意

必要なし

Windows で推奨

Receive Diagnostic Results – ENCSERV = 1

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Receive Diagnostic Results – ENCSERV = 0

任意

任意

任意

任意

Windows で推奨

Report LUNS – UAS

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Report LUNS – BOT

必須

任意

任意

任意

Windows で推奨

Request Sense

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Security Protocol IN

任意

必須

必要

任意

Windows で必要

Security Protocol OUT

任意

必須

必要

任意

Windows で必要

Send Diagnostic

必須

必須

必要

必要なし

業界標準で必要

Test Unit Ready

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Format Unit

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Prevent Allow Medium Removal

任意

必須

必要

必要

Windows で必要

Read 6

必須

任意

任意

任意

Windows で推奨

Read 10

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Read 16

任意

任意

任意

任意

Windows で推奨

Read Capacity 10

必須

必須

必要

必要

業界標準で必要

Read Capacity 16

任意

必須

任意

必要

Windows で必要

Start Stop Unit

任意

必須

必要

必要

Windows で必要

Synchronize cache

任意

必須

必要

必要なし

Windows で必要

Write 6

任意

任意

任意

任意

Windows で推奨

Write 10

任意

必須

必要

必要

Windows で必要

Write 16

任意

任意

任意

任意

Windows で推奨

なぜ USB 大容量記憶装置の標準準拠が重要なのですか

市場には無数の USB 大容量記憶装置が存在していますが、、それらが共通の標準規格に準拠していることは非常に重要です。USB 大容量記憶装置が標準に準拠していれば、どのようなタイプの Windows プラットフォームに接続しても最適なユーザー エクスペリエンスを実現することができます。

標準へ準拠していることを検証するために、マイクロソフトでは、USB-IF 準拠プログラムおよび WLK のテストに合格することを USB 大容量記憶装置の要件としています。これによって、USB 大容量記憶装置を最大限に活用できることが Windows ユーザーに保証されます。

最後までお読みいただきありがとうございました。次回の記事では、デバイスの一般的な障害と、そうした障害を回避しながらデバイスを Windows と一緒にうまく動作させる方法について説明します。

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