[SSAS] 信頼関係のない異なるドメインに存在する名前付きインスタンスの Analysis Services へ接続する際の制限

SQL Developer Support Engineer 山崎実久

事象
信頼関係のない異なるドメインに名前付きインスタンスでインストールされた Analysis Services へ、ユーザ名とパスワードを指定しパススルー認証で接続すると、以下のエラーが出力され接続できない。

OLE DBプロバイダーでエラーが発生しました。リダイレクターに接続できませんでした。’SSASのサーバー名’サーバーでSQL Browserサービスが実行されていることを確認してください。

具体的な例

- 環境
ドメインA の Windows 7 には、Office 2010 の Excel が存在する。
ドメインB の Windows Server 2012 上に名前付きインスタンス tabular でインストールされた SQL Server 2012 Analysis Services 表形式モード が存在する。
ドメインA とドメイン B には信頼関係がない。

ドメイン サーバーの構成 役割 存在するユーザー名とパスワード
ドメイン A - Windows 7- Excel 2010 クライアント ドメインA\User1 - pw1
ドメイン B - Windows Server 2012- 名前付きインスタンス tabular でインストールされた SQL Server 2012 Analysis Services 表形式モード サーバー ドメインB\User2  - pw2サーバー名\User2 - pw2  ※ドメインユーザー User2 とパスワードが同じローカルユーザー

- 上記環境配下におけるAnalysis Services への接続時の動作
ドメインA のクライアントに ドメインA\User1 でログインし、Excel を開き、名前付きインスタンスの Analysis Services (表形式モード) へ接続する。Excel のデータ接続ウィザードで ”以下のユーザー名とパスワードを使用する” の項目で ドメインB\User2 で接続する。パススルー認証を利用し接続できると期待したが、以下のエラーが発生し接続できない。

エラー
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「OLE DBプロバイダーでエラーが発生しました。リダイレクターに接続できませんでした。’SSASのサーバー名’サーバーでSQL Browserサービスが実行されていることを確認してください。」
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原因 

信頼関係のない異なるドメインに名前付きインスタンスでインストールされた Analysis Services へ、ユーザ名とパスワードを指定しパススルー認証で接続することはサポートされていないためです。

対処方法

本シナリオにおいての対処方法は 2 通りあります。

1. ドメイン間の信頼関係を結ぶ。

2. http 接続で接続する。

- http 接続の参考情報
インターネット インフォメーション サービス (IIS) 7.0 上の Analysis Services への HTTP アクセスの構成

留意事項

クライアント - サーバー間が異なるドメインである場合や、非ドメイン環境配下において、Analysis Services への ユーザー名 / パスワード 指定での接続は保障しておりません。

その他、クライアント - サーバーが同一ドメイン環境配下に存在しない場合、Analysis Services への接続は、HTTP アクセスを構成することを推奨しています。

以上です。参考になれば幸いです。