SQL Server の更新プログラム


神谷 雅紀
SQL Server Escalation Engineer

  

SQL Server 2005 の時代に、増分サービスモデル (Incremental Servicing Model / ISM) として紹介された更新プログラムのリリース形態ですが、今回は、改めて SQL Server の更新プログラムについて説明したいと思います。

 

SQL Server 2005 Tips and Tips - 第 8 回 SQL Server 2005 の更新プログラム提供モデル (ISM) 

報告された問題に対する修正プログラムを提供する SQL Server チームの増分サービス モデル (ISM) について

 

更新プログラムとは?

 

製品が出荷された後にリリースされる、製品出荷後のソフトウェアに対する変更の差分です。SQL Server では、3 種類の更新プログラムが存在します。

  • General Distributed Release
  • Hotfix
  • Service Pack  
Gneral Distributed Release Hotfix Service Pack
別名、別呼称
  • GDR
  • 修正プログラム
  • QFE
  • SP
内容
  • 広範囲に影響があると考えられる問題の修正
  • セキュリティの問題の修正
  • 問題の修正
  • 新機能
  • 機能改善
  • 問題の修正
リリース判断
  • マイクロソフトの判断でリリース
  • ユーザリクエスト
  • マイクロソフトの判断でリリース
リリース時期
  • 必要に応じてリリース 
  •  3 種類のリリース形態 (後述)
  •  必要に応じてリリース
入手方法
  • ダウンロードセンターからのダウンロード
  • Windows Update
  • Knowledge Base (技術情報) からの個別ダウンロード
  • ダウンロード時登録が必要
  • ダウンロードセンターからのダウンロード
  • Windows Update
インストール対象環境
  • 対象サービスパックがインストール済み
  • 対象サービスパック用 GDR がインストール済み
  • 対象サービスパックがインストール済み
  • 対象サービスパック用 Hotfix がインストール済み
  • 対象サービスパック用 GDR がインストール済み
  • 製品がインストール済み
  • 以前のサービスパックがインストール済み
  • 以前のサービスパック用 Hotfix がインストール済み
  • 以前のサービスパック用 GDR がインストール済み

※ CU1 のインストールが必要な場合がある。(後述)

  

 

修正プログラムのリリース形態

 

修正プログラムのリリースには、以下の 3 つの形態があります。

リリース形態名称 説明
Cumulative Update
  • CU, 累積修正プログラムとも呼ばれる。
  • 2 ヶ月に一度定期的にリリース
On-Demand
  • OD とも呼ばれる。
  • リクエストにより不定期にリリース
Critical On-Demand
  • COD とも呼ばれる。
  • リクエストにより不定期にリリース

 On-Demand (OD) と Critical On-Demand (COD) の違いは、リクエストからリリースまでの期間のみです。

 

サービスパックリリース直後にリリースされる CU1 (Cumulative Update 1)

 

サービスパック開発工程において、ソースコード変更が終了した後のテスト工程期間中に、Hotfix または GDR として修正された内容は、サービスパックリリース後の CU1 としてリリースされ、この CU1 をロールアップ (rollup) と呼ぶことがあります。

 

含まれる修正

 

製品出荷やサービスパックリリースが行われると、その後のリリースは、GDR ラインと Hotfix ラインの 2 つの系統に分かれます。

下の図の時間軸は、左から右へ流れます。横黒線が各ラインです。

 

 ① GDR としての修正は、GDR, Hotfix の両方に入る。
 ② サービスパック開発開始後の修正は、Hotfix とサービスパックの両方に入る。
 ③ サービスパック開発開始後の GDR 用修正は、GDR, Hotfix, サービスパックに入る。
 ④ サービスパックソースコード変更締め切り後 (最終テスト中) の修正は、サービスパック用 CU1 に入る。
 ⑤ サービスパックには、それ以前の Hotfix, GDR の修正が入る。

 

バージョン番号

 

SQL Server のバージョン番号は、 <major version>.<minor version>.<build number>.<revision> のフォーマットです。例えば、先日リリースされた SQL Server 2008 R2 サービスパック 1 であれば、10.50.2500.0 です。revision はほとんどの場合 0 であるため、省略される場合が多々あります。

major version, minor version と SQL Server 製品との関係以下の通りです。

製品 major/minor version
SQL Server 2000 8.0
SQL Server 2005 9.0
SQL Server 2008 10.0
SQL Server 2008 R2 10.5

build number (ビルド番号) は、製品出荷版、更新プログラムごとに異なります。修正プログラムのビルド番号は、製品出荷版もしくはサービスパックを基点として割り振られます。

以下は、SQL Server 2008 での例です。製品出荷は 1600 で、その後の Hotfix ラインは 17xx ~ 18xx です。RTM GDR はリリースされませんでした。SP1 は 2531 で、SP1 GDR ラインは 25xx、SP1 Hotfix ラインは、27xx ~ 28xx です。SP2 は 4000 で、GDR ラインは 40xx, Hotfix ラインは 42xx です。このように、GDR ラインと Hotfix ラインのビルド番号は、サービスパックを基点として採番され、それぞれのビルド番号にはある程度の間隔が開けられ、交わることがありません。

リリース日 RTM Hotfix RTM GDR SP1 Hotfix SP1 GDR SP2 Hotfix SP2 GDR
製品出荷(RTM) 10.00.1600.0
2008/9/22 RTM CU1 10.00.1763.0
2008/11/17 RTM CU2 10.00.1779.0
2009/1/19 RTM CU3 10.00.1787.0
2009/3/16 RTM CU4 10.00.1798.0
2009/4/7 SP1 10.00.2531.0
2009/4/15 SP1 CU1 10.00.2710.0
2009/5/18 RTM CU5, SP1 CU2 10.00.1806.0 10.00.2714.0
2009/7/20 RTM CU6. SP1 CU3 10.00.1812.0 10.00.2723.0
2009/9/21 RTM CU7, SP1 CU4 10.00.1818.0 10.00.2734.0
2009/11/12 RTM CU8, SP1 CU5 10.00.1823.0 10.00.2746.0
2010/1/18 RTM CU9, SP1 CU6 10.00.1828.0 10.00.2757.0
2010/3/15 RTM CU10, SP1 CU7 10.00.1835.0 10.00.2766.0
2010/5/17 SP1 CU8 10.00.2775.0
2010/7/19 SP1 CU9 10.00.2789.0
2010/9/20 SP1 CU10 10.00.2799.0
2010/9/29 SP2 10.00.4000.0
2010/11/15 SP1 CU11, SP2 CU1 10.00.2804.0 10.00.4266.0
2011/01/17 SP1 CU12, SP2 CU2 10.00.2808.0 10.00.4272.0
2011/03/21 SP1 CU13, SP2 CU3 10.00.2816.0 10.00.4279.0
2011/05/16 SP1 CU14, SP2 CU4 10.00.2821.0 10.00.4285.0
2011/6/13 GDR : MS11-049 10.00.2841.0 10.00.2573.0 10.00.4311.0 10.00.4064.0

 

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