Windows 10 version 1803 (April 2018 Update) で、日本語版 Microsoft IME を無効化すると、タッチ キーボードが起動しない

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、Windows 10 version 1803 (April 2018 Update) において日本語版 Microsoft IME を無効化した場合、タッチ キーボード (Tabtip.exe) が起動しない現象についてご案内します。   現象 IME のコンテキスト (HIMC 値) の状態には、ON/OFF/Disable の三つの状態があります。 ON : 日本語入力が可能なコンテキスト OFF : 日本語入力が不可能なコンテキスト (英数のみ入力可能なコンテキスト) Disable : IME を介した日本語、英数いずれの入力も不可能なコンテキスト (直接入力は可) これまでの Windows 10 では、TextBox 等の編集可能なコントロールをタッチした場合、IME のコンテキストが上記三つの状態のいずれであっても、タッチ キーボードが起動しました。 しかしながら、Windows 10 version 1803 (April 2018 Update) では、編集可能なコントロールの IME…


Microsoft Print to PDF 選択時の CPrintDialog::OnInitDialog() 動作について

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、通常使うプリンターに Microsoft Print to PDF が選択されている場合の CPrintDialog 動作についてご案内します。   現象 MFC の CPringDialog クラスは、Windows のコモン ダイアログ ボックスである [印刷] ダイアログで提供されるサービスをカプセル化したクラスです。 このため、CPringDialog 派生クラス内で CPringDialog::OnInitDialog() をオーバーライドすると、アプリケーション独自に [印刷] ダイアログの外観をカスタマイズする等が可能です。 ところが、以下の条件に該当する場合は、CPringDialog 派生クラス内で CPrintDialog::OnInitDialog() が呼び出されません。 (同様に、CPrintDialog 派生クラス内で WindowProc() をオーバーライドしても、WM_INITDIALOG メッセージが受信されません) Windows 10 上でプログラムを実行している プログラムを 64-bit でビルドしている 通常使うプリンターに Microsoft Print to PDF が選択されている   原因 前述した三つの条件に該当していない場合は、CPrintDialog クラス内部では…


NotifyIcon.ShowBalloonTip メソッドで表示されるバルーン表示の問題について

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は Windows 10 Creators Update 以降の NotifyIcon.ShowBalloonTip メソッドで表示されるバルーン表示の不具合についてご案内します。   現象 NotifyIcon クラスの ShowBalloonTip メソッドを実行すると、以下のようなバルーンが表示されます。 バルーン内に表示されている内容は以下となります。 1行目に表示される “タイトル” の文字は、NotifyIcon クラスの BalloonTipTitle プロパティの値です。 2行目に表示される “ここに通知メッセージが表示されます” の文字は、NotifyIcon クラスの BalloonTipText プロパティの値です。 3 行目に表示される “WindowsFormsApp1” の文字は、AssemblyTitle 属性、C# でプロジェクトを作成している場合は AssemblyInfo.cs の AssemblyTitle に記述した値です。 この AssemblyTitle 名の部分が、サインアウトや再起動をきっかけに以下のような Microsoft.Explorer.Notification.{GUID} の表示になってしまうことがあります。 再現頻度、再現手順に明確な規則性は確認できていませんが、この現象に至った場合は GUID の表示が出続けます。   原因 この現象は、Windows 10 の不具合により発生します。 Windows 10…


Windows 10 Fall Creators Update での Credential Provider に対する影響について

こんにちは、Windows SDK サポートチームです。 今回、Windows 10 Fall Creators Update の OS の仕様変更により、Credential Provider に影響が出ることがあります。その解説を以下に記載しましたので、ご確認ください。 Windows 10 Fall Creators Update では、Winlogon Automatic Restart Sign-On (ARSO) の機能がよりよいパワーサイクルを提供する機能拡張が行われました。本処理では、シャットダウン / リブート後のユーザーがログインされた後のアップデート処理を自動的に実施するために、ARSO の機能により、自動ログイン –> ロック を行います。 Winlogon Automatic Restart Sign-On (ARSO) https://docs.microsoft.com/en-us/windows-server/identity/ad-ds/manage/component-updates/winlogon-automatic-restart-sign-on–arso- この動作により、Credential Provider の ICredentialProvider::SetUsageScenario にて、上記の自動ログインが捕捉されなくなります。その結果、ロック解除時に Credential Provider へ処理がわたりますため、初回の呼び出しであっても、ロックステータスとなります。   回避策 以下のポリシーまたは、レジストリをセットいただきますと、ARSO を無効化することが可能です。 初回のログオン時を捕捉し、処理を行われている Credential Provider を開発いただいている場合、以下の回避策の利用をご検討ください。 Policy Registry Location:…


Windows 10 Creators Update 以降の OS で日本語 Microsoft IME を使用中にメモリ アクセス違反が発生することがある

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、日本語の Microsoft IME 使用中にメモリ アクセス違反が発生する現象についてご案内します。   現象 Windows 10 Creators Update 以降で、日本語 Microsoft IME を使用中に、大量のキー入力を高速で行うと、メモリ アクセス違反が発生することがあります。   詳細 テキスト ボックス等の入力可能なコントロールで WM_IME_COMPOSITION メッセージを処理すると、コントロール上で入力された変換文字列を操作することが可能です。 例えば、テキスト ボックスで WM_IME_COMPOSITION メッセージを受信した際に、引数に NI_COMPOSITIONSTR および CPS_COMPLETE を指定して ImmNotifyIME() を呼び出すプログラムを作成すると、ユーザーによって入力された変換文字列を即座に確定させることができます。 ひらがなのみ、カタカナのみを入力として受け付けたいテキスト ボックス等がある場合は、このようなプログラムを作成することによって、ユーザーの入力支援を行うことができます。 ところが、このような処理を行うプログラムを Windows 10 Creators Update 以降で実行して、大量のキー入力を連続して高速で行った (同じキーを押し続ける等) 場合に、メモリ アクセス違反が発生してプログラムが強制終了することがあります。   原因 Microsoft IME 側の予測変換処理とアプリケーション側の変換処理が並行して高速で実行されたために、文字変換処理に必要な内部データに不整合が生じた結果、メモリ アクセス違反が発生していました。  …


Windows 10 Fall Creators Update での GetPixel、SetPixel 関数の処理速度について

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は Windows 10 Fall Creators Update 環境で GetPixel および SetPixel 関数の処理速度が、Windows 10 Creators Update 以前の Windows 10 の処理速度と比較し、遅くなる現象についてご案内いたします。   現象 プログラムの内容にもよりますが、ほぼ同等スペックの Windows 10 Creators Update と Windows 10 Fall Creators Update で GetPixel 、SetPixel 関数の処理速度を GetTickCount 関数を使用して計測した結果 Windows 10 Fall Creators Update 上の処理速度は、Windows 10 Creators Update の数倍から数十倍遅くなることが報告されています。   回避策 有効な回避策は確認できていません。…


Windows 10 Fall Creators Update において、未確定文字列の確定タイミングが変更されました

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、詳細なテキスト サービス (Text Service Framework、以降 TSF) に対応していないアプリケーション  (以降、TSF 非対応アプリケーション) 上で入力した文字の確定タイミングが、Windows 10 Fall Creators Update において変更されたことについてご案内します。   テキスト ボックスなどの文字入力が可能なウィンドウに文字を入力すると、入力した文字が一旦未確定の状態 (文字の下に波線が表示された状態) で表示されます。 Windows 10 Creators Update 以前の OS では、TSF 非対応アプリケーション (Notepad.exe 等) 上のウィンドウに入力した文字が未確定状態のまま、他のウィンドウにフォーカスを移動すると、未確定状態の文字が一旦非表示となりました。 そして、元のウィンドウにフォーカスを戻すと、再び未確定状態の文字が表示されて、文字の編集・入力を継続することができました。   これに対し Windows 10 Fall Creators Update からは、同様に入力した文字が未確定状態のまま他のウィンドウにフォーカスを移動すると、未確定状態だった文字が確定されるようになりました。 またこの時、未確定文字が確定されたことに伴い、そのことを通知する WM_IME_ENDCOMPOSITION メッセージが、フォーカスを移動する前のウィンドウに対して送信されるようになりました。   元々この動作は、TSF に対応しているアプリケーション (Wordpad 等) における既定の動作でした。 Windows…


Fall Creators Update を適用後 DataGridView に文字を入力すると 2 文字入力される

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、Fall Creators Update を適用すると Windows フォーム アプリケーションの DataGridView で文字が 2 文字表示される現象についてご案内します。   現象 Windows フォーム アプリケーションで DataGridView のセル自体が選択されている状態で日本語 (全角文字、カタカナ) を 1 文字入力すると、確定された状態で 2 文字が表示されます。 例)写真 1 の状態で「あ」と入力するため「A」キーを 1 回押下すると、写真 2 のように「ああ」と 2 文字が確定された状態で表示されます。 写真 1 写真 2   この現象は Fall Creators Update を適用した Windows 10 で発生を確認しており、以前のバージョンでは発生しません。 写真のような Visual Studio で…


LTSC (Long-Term Servicing Channel) の判定方法

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、Microsoft の新しいサービシング モデルである LTSC (Long-Term Servicing Channel) の Windows をプログラムから判定する方法をご案内します。   プログラムから判定する方法には二つあります。 一つは WMI の Win32_OperatingSystem クラスの OperatingSystemSKU プロパティを参照する方法で、もう一つは Win32 API の GetProductInfo() の第五引数に返される値を参照する方法です。 以下に、MSDN ライブラリのリファレンスから該当箇所を引用し、それぞれ URL をご紹介します。   ◆ Win32_OperatingSystem class https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/desktop/aa394239.aspx OperatingSystemSKU Data type: uint32 Access type: Read-only Qualifiers: MappingStrings (“WMI”) Stock Keeping Unit (SKU) number for the…


Windows 10 でタスクバー ボタンのアイコン画像が黒塗りで描画される

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。 今回は、Windows 10 のタスクバー ボタンのアイコン画像が、■のように黒塗りで描画される現象についてご案内します。   現象 全体が透明なイメージをアイコン画像として利用するアプリケーションを Windows 10 で実行すると、タスクバー ボタンのアイコン画像が、■のように黒塗りで描画される現象が発生します。 なお、この現象は Windows 7 ~ Windows 8.1 では発生しません。 ※ これより以下のイメージでは、例として MFC のデフォルト アイコンを使用しています。 ・不透明色を含むイメージをアイコン画像として利用した場合   ・全体が透明で、不透明色を含まないイメージをアイコン画像として利用した場合   原因 Windows 10 で、タスクバー ボタンの描画を行っている SHELL (Explorer) モジュールの内部処理が変更されたために、発生していると考えられます。 マイクロソフトでは、この現象について現在も調査中です。 詳細については、わかり次第この資料に掲載する予定です。   回避策 アイコン画像として使用するイメージの一部に不透明色を使用することにより、本現象を回避することが可能です。 以下は、右下に 1 ピクセル分だけ不透明色で塗りつぶしを行ったイメージを、アイコン画像として利用した場合の例です。 黄色い円で囲われている部分のように一部不透明色を使用することによって、全体が透明なイメージのアイコン画像に近い外観にすることができます。   ※ 拡大画像