ツールバー移動時の軌跡が残像となる問題について

こんにちは、Platform SDK (Windows SDK) サポートチームです。

今回は、Windows 10 version 1709 (Fall Creators Update) においてツールバーを移動した時の軌跡が残像となって残る現象についてご案内します。

 

現象

MFC の CToolBar クラスを使用してツールバーを実装し、アプリケーション実行時にドラッグ アンド ドロップ操作でツールバーを移動すると、下記スクリーンショットのように、ツールバーを移動した軌跡が残像となって残り、正しく描画されません。

この現象は Windows 10 version 1709 (Fall Creators Update) で発生し、Windows 10 version 1607 (Anniversary Update) や Windows 10 version 1703 (Creators Update) では発生しません。

なお CToolBar クラスは、Visual Studio 2017 でいうと MFC の新規プロジェクトの作成ウィザードにおいてプロジェクト形式として “MFC 標準” を選択した場合に、アプリケーションのツールバーとして使用されるようになります。

 

原因

この現象は、Windows 10 version 1709 (Fall Creators Update) のツールバー移動枠を描画する処理に不具合があるために発生します。

 

状況

マイクロソフトではこの現象について調査していますが、現時点では修正の予定はありません。
進展があり次第、本ブログを更新予定です。

 

追加情報

Visual Studio 2017 では、MFC 新規プロジェクトを作成する際に以下のようなウィザードが表示されます。赤枠の部分で [MFC 標準] を選んだ場合には CToolBar が使用されるようになります。

ここで [Windows エクスプローラー] や [Visual Studio] を選んだ場合には CMFCToolBarクラスが、[Office] を選んだ場合には CMFCToolBarImages クラスが使用されるため、この現象は発生しません。

 

参考情報

CToolBar クラス
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/69wz6ea1.aspx

CMFCToolBar クラス
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/bb984480.aspx

CMFCToolBarImages クラス
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/bb984305.aspx