メタセコイアはじめました

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Game Building日誌の「3Dモデリングツール選び」の時にコメントで「メタセコイアを取り上げて欲しい」というコメントが寄せられました。実はXNA 1.0の時にメタセコイアはLE版を試してみて、シェアウェア版を購入しようとしたのですが、購入するには日本の銀行に振り込まないといけないということでそのままになっていました。今回、改めて見てみるとPayPalでの支払いにも対応していたので購入したのが2ヶ月程前でした。

そこで、今回から数回にわたってメタセコイアを使って作ったモデルをXNA上で使うための情報を紹介していきたいと思います。

3Dモデルデータ変換の問題点

XNAは標準でXファイルとFBXファイルから3Dモデルを読み込む事ができます。メタセコイアのモデルファイルフォーマットはMQOファイルに格納されるので、メタセコイアで作ったモデルをXNA上で使用するにはXファイルかFBXファイルへ変換する必要があります。

結論から言うと、メタセコイアに限らず、どの3Dモデリングツールでもツール向けのファイルフォーマット以外へ変換する時には幾つかの問題点があります。それらの問題点は以下の4つに分類されます。

  1. 日本語問題
  2. ファイルフォーマット変換による情報欠落問題
  3. アプリケーション未対応データ問題
  4. 問題箇所を特定するのが難しい

1の日本語問題はネイティブ、特にC/C++で作られている多くのアプリケーションは多言語をサポートしていないという問題に起因します。特に古くからある3Dモデルファイルフォーマットは多言語サポートしていないものが多く、サポートしていても環境依存なマルチバイト文字(SJISなど)のみであったりと、言語の違うOSでは使えないことが多くあります。例えばFBXファイルは多言語サポートしていないので日本語文字を使うことはできません。使えても文字化けするケースがあります。

メタセコイアは日本製ツールでUIも全て日本語なので、自然とオブジェクト名やマテリアル名に日本語を使うことが多くなりますが、そのままでは他の3Dモデルフォーマットへ変換するときに問題となってきます。

 

2の情報欠落問題はファイルフォーマット変換時には必ずといって起きる問題です。3Dモデルファイルフォーマットにはそれぞれに設計意図があるので、その設計意図が異なるファイルフォーマットへ変換する時にはどうしても変換しきれない情報があります。例えばゲーム系のファイルフォーマットはポリゴンデータを使うことが前提とされているので、3Dモデリングツールでサポートされている曲面データは無視するものが多いのが現状です。

 

3のアプリケーション未対応データ問題ですが、モデルデータを読み込む側で未対応のモデルデータを使おうとしたときに起きる問題です。XNAの場合、あくまで最近のGPU上で効率的に動作するゲームを作ることを目的としているので、そういった知識が無い状態でモデルデータを作ってしまうと、非効率であり、時にはゲームが実行できない、強制終了してしまうということになってしまいます。よくある問題としてはXNA 4.0のReachプロファイルで3Dモデルに使うテクスチャサイズは2のn乗である必要がありますが、このことを知らないで100x200といったテクスチャを使用するとコンテントビルド時にエラーとなります。

 

4の問題箇所を特定するのが難しいというのは下図のデータの流れをみると判りやすくなります。例えば、あなたがあるモデルをXNAで表示させたいと思い、メタセコイア標準のXファイル出力機能を使ったとします。これで問題無くXNA上で表示されれば良いのですが、問題はうまく表示されなかった時です。この時、何が原因だったのかを究明するにはどうしたら良いでしょう?

asset-pipeline

問題になりそうな箇所はいくらでもあります。Xファイル変換にバグがあるのか、Xファイル変換が対応していないデータを作ったのか、Xファイルインポート時の問題なのか、はたまたXNAが対応していないデータだったのか、もしかしたら、単純にモデルデータが悪かったのかもしれません。これらの問題点を探していて原因を見つけたら、単にファイルのコピーし間違いだったなんてことも良くあります。要するにコンテント生成するポイントから実際にコンテントを使うまでの道のりが長ければ長いほど開発効率が下がってしまうことになります。

 

このように、3Dモデリングツールを使う場合、そのツールの標準フォーマット以外のフォーマットを扱う場合にはいろいろな問題点に注意しないといけません。

 

つづく……