CEDEC 2008 (9/11)

今日は宮本茂氏の基調講演があったので、どれほど人が並ぶかを写真に撮ってみました。講演のあるグリーンホールは700名、映像を映す教室は数百名収容できるとのことでした。左の写真の左奥がグリーンホール、列が続いて、中央の写真の樹木の奥から列は戻り、最終的には折り返して、右の写真の中央くらいで定員となりました(午前9時10分、開始20分前)。それ以降もどんどん人が来て、映像だけの教室で立ち見も出たそうです。聞くところによると午前7時半ころから並んだ人がいたそうです。

以下のセッションに出ました。「プロシージャル技術の動向」にも参加したかったのですが、満席で入れてもらえませんでした。今年のCEDECは自由にセッションが選べるのですが、その副作用として早くから並ばないと入れてもらえないという状況がよく発生しました。

  • 未来のゲーム開発テクノロジー
  • リアルタイムCGにおけるグローバルイルミネーションの実践導入・その他開発事例
  • プリビジュアリゼーション

「未来の...」はEpic Games Inc.の Tim Sweeney氏の講演でしたが、私の興味とぴったり合って、今回のCEDECでは一番共感できる内容でした。2012年から2020年を考えたとき、課題は「メニーコア」と「より汎用的なグラフィックス」です。前者への対応は、ソフトウェア トランザクション メモリーや純粋関数型プログラミング言語の活用が期待されます。

後者については、現在のリアルタイム グラフィックスの頂点処理→ラスタ化→ピクセル処理→ポスト処理とアンチエイリアスというパイプラインに依存しない、ハードウェア(例えばRallabeeLarrabeeのような)に対応するために、(HLSLやCgのような特殊な言語ではなく)汎用的なC/C++で、映画に使われるようなソフトウェア レンダリングをハードウェアで実行するようになるだろうということです。そのためには、REYESやレイトレースのレンダリング モデル、ボリュームレンダリング、ソフトウェアタイルレンダリングなどを活用し、ムービー品質の映像を作り出すようにしなればなりません。将来的にはCPUとGPUはワンチップ化されるという話もあったので、レンダリングもできるメニーコアCPUでソフトウェアレンダリングもするというイメージに近いかもしれません。

HWが20倍高速になっても、開発予算を2倍以上にすることはできないので、生産性のために性能を犠牲にせざるを得ないし、そのために「すごい」ツールが必要になるでしょう。現在のハードウェアは難しすぎるので、現在のエンジンの開発には3年かかりましたが、次の世代に対応するには5年かかるでしょう。ですから今から始める必要がある、というまとめでした。

「プリビズ...」はイマジカ(株)の山口聡氏が講演されましたが、カメラ設定や背景などを検討するために、絵コンテからCGを使って制作する簡易映像のことだそうです。この目的はやはり生産性・効率で、撮影前にカメラの画角・レンズ・動き、背景・小道具などをチェックすることにより、撮影を効率化することにあるそうです。ハリウッドの映画では、かなり活用されているが、日本はコストがかかるので(結果的にコストダウンが期待できるにもかかわらず)、なかなか採用されないとのことでした。

すべて終了後、毎年恒例の裏CEDEC宴会に参加しました、今年は申し込みが100名を超えたそうです。NyaRuRuさんやBeeさんとお話しすることもできました。