シリーズもののWindows ストアアプリを開発する

ようやく、青空文庫の岡本綺堂 半七捕物帖 69巻を全部ストアアプリ化終了しました。 結果、現在、Windows ストアの検索で、”岡本綺堂”、”半七捕物帖”とやると、 …いやぁ、壮観ですね。せっかく作って公開したので、皆さん是非インストールして読んでほしいなぁと。このシリーズのほかに、数はまだ3つですが、歴オタシリーズなども作ってます。これ、まだ続けるから乞うご期待(次は素戔嗚編) …だけで終わると、「単なる見せびらかし」になってしまうので、同じテーマでコンテンツが異なる多数のアプリを効率よく開発するコツを紹介していきます。 その1 テーマを決めてアプリを一つ作る 先ず、テーマを決めましょう。操作性は同一で、コンテンツを変えればアプリになるものを考えましょう。上の例でいえば、書籍、クイズ。他にはホワイトボード系、キャラが変わる定型ゲーム、写真集や楽譜、観光ガイド、ロボットの組み立てと操作などなど、考えれば考えるほど色々出てきますね。最初からテンプレート的に使える環境を作るのは難しいので、まずは1つストアアプリを開発してストアに申請し、ストアの審査に通るところまでを確認しましょう。 その2 アプリをテンプレート化する ストア審査が通ったプロジェクトをテンプレート化します。その際、なるべく手間をかけずに、多くのアプリが開発できるように、プロジェクトを改造していきます。写真や文章などのコンテンツをコピー&ペーストすればアプリが出来上がるような形態が理想です。http://msdn.microsoft.com/ja-jp/jj556277.aspx から公開されているテンプレートのうち、縦書きビューワーとクイズアプリはそのような形式になっているので、参考にしてみるとよいでしょう。形を整えた後、Visual Studioの機能を使ってプロジェクトテンプレートを作成します。具体的な作り方は、別途投稿しますが、基本は、Visual Studioメニューの”ファイル”→”プロジェクトテンプレートのエクスポート”で、テンプレート一式を作り、MyTemplate.vstemplateとPackage.appxmanifestファイルを整えて、再ZIP化し、所定の場所におけばOK。念のため、作成したテンプレートを使って、二個目のアプリを作って、ストアに申請しましょう。この時点で類似のアプリがあるので、「価値なし」という審判が下るかもしれません。その時にはアプリのテーマを見直して、見かけ上異なるアプリに仕上がるように軌道修正します。 その3 更なる効率化 さて、冒頭の半七捕物帖の絵をもう一度見てみましょう。ストアロゴは絵柄は同じで、巻数とタイトルだけが異なっています。5~6個程度を作るなら一つ一つデザインしていくのも、まぁ許せますが、69個となるとなると無理。アプリを量産していくときに意外と時間がかかるのは、実はロゴなんですね。このシリーズの場合、Logo、WideLogo、SplashScreen全てアプリごとに違うものを用意しました。アプリの善し悪しを決めるコンテンツ作成に時間がかかるのは仕方ありません。本筋の作業なので。シリーズものの場合は、ほぼ同じロゴでちょいがえなので、効率化を図るため、ベースとなる画像を作って、異なる部分だけ埋め込むアプリを作ってしまいましょう。半七捕物帖シリーズと歴オタシリーズは、そんな感じでロゴファイルを作成しています。 上の図はロゴ生成工房です。各巻ごとのフォルダーにそれぞれのロゴが生成されています。フォルダーに入っているロゴファイルをVisual Studioのソリューションビュー上でAssetsフォルダにドラッグ&ドロップすればアプリの申請準備が整うという寸法です。ストアアプリ開発に限らず、生産性向上の基本の一つは、「定型化された作業は自動化するべし」ですね。つぅか、プログラマーは何でもプログラム化するっていうのが本能。 半七捕物帖も歴オタも入ってはいませんが、Ad SDKを使って広告など入れて、World Wide向けにアプリをリリースすれば、Adによる収入なんかも見込めるわけです。それを狙うなら、一つのアプリより複数のアプリで確率を高めた方がいいですね。勿論、アプリが提供するコンテンツに価値が無ければアプリのダウンロード数は伸びないので、素敵なコンテンツを世に発信してくださいね。 Visual StudioはVisual Studio SDKをインストールすると、ソリューションやプロジェクトを自動生成するアプリも開発可能です。コンテンツのバリエーションが豊富でコンテンツの量が豊富な場合、かつ、コンテンツを作る人たちが一般の開発者でない人達の場合、そんなアプリをサービス化して、必要なコンテンツを提出するとプロジェクト一式を生成(Windows Azure Mobile Serviceのように)して、ストアへの登録だけしてもらう…なんてビジネスも可能だったりします。 その他のTips ストアにアプリを申請する際の注意点ですが、最初のうちはバグが残っていたりして審査に落ちる可能性があります。幾ら一度に沢山アプリができるからといって、一気に10も20も上げるのはお勧めしません。特に最初のうちは一個づつ審査を通して、バグがあるようならプロジェクトテンプレートを修正して、品質を継続的に向上しましょう。既に審査が通っているアプリについても、面倒くさがらずに(作業が半自動化されているから簡単でしょ)再度アプリを作りなおしてストアに対してアップデート申請をしましょう。半七捕物帖について云えば、1,2,3と来て、5、4、10、6、7、8,9という順でストアに上がっています。順番が狂っているところは、審査の際に不具合があって申請が通らなかったせいです。他にも、例えば5個一気にストアに申請したとしても個々のアプリの審査期間はバラバラなので、申請順に公開されるとは限りません。岡本綺堂 半七捕物帖で検索して最新順で並べ替えるとそんな事情で順番が入れ替わっている場所が結構あります。 ダウンロード数を分析すると、4から10に飛んだところでダウンロード数が劇的に下がっています。シリーズもので順番にユーザーに届けたい場合には、1個づつ順番に審査を通していった方が良いでしょう。 以上、ストアアプリ開発の参考になれば。


Windows ストアアプリ開発への近道 – 2012年8月現在

皆さん、Windows 8とVisual Studio 2012のRTMが公開されました。 http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/apps/br229516/ からダウンロードが可能ですが、ダウンロードしてインストールしたら、Windows ストアにアップして、Win8ユーザーに使ってもらいたくなるのは人情でしょう。 現時点で、アプリ開発からWindowsストアにアプリを上げるまでで活用可能な日本マイクロソフトが提供しているセミナーやサービスをここでまとめておきます。※2012年8月16日現在の説明です。数か月後には事情は異なる可能性があるのでご注意です。 Windowsストアの今の状況は、 http://blogs.msdn.com/b/windowsstore_ja/archive/2012/08/03/rtm-windows.aspx を先ずきちんと読んでくださいね。そしてWindows 8、Visual Studio 2012のRTMをインストールしていただいてっと。 さてその後ですが、基本の流れは、 Developer Camp概要編セミナー Developer Campデザイン編セミナー ハンズオントレーニング で基本知識の獲得と腕を磨いていただく。これらのセミナーのスケジュールは、 https://www.facebook.com/5Metro/events で公開されているので、都合のよい日程と場所で受講してください。受講料は無料です。   そして、アプリのアイデアを練ってアプリを開発して、Windowsストアのアプリ要件、 http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/apps/hh694083 をきちんと読んで開発したアプリが要件を満たしているかざっと確認してください。…いろいろ面倒くさそうだ…なんて思った方、Windowsストアに登録可能なアプリの開発の近道的な施策も用意しているので、興味のある方は kk5metro@microsoft.com に問い合わせてみてくださいね。 一通りできたら、アプリパッケージを作成します。アプリパッケージは、Windowsストアにアプリを登録するときに使います。アプリパッケージの作成は、 Visual Studio 2012のメニューの”ストア”→”アプリパッケージの作成”を選択 パッケージの作成ダイアログで”いいえ”を選択し、”次へ”ボタンをクリック パッケージの構成と選択で、設定をそのままに”作成”ボタンをクリック パッケージの作成が完了しましたで、”OK”ボタンをクリック の手順で行います。 次に、Visual StudioのWACK(Windowsアプリ認定キット)を使ってアプリの検証を行います。このツールはWindowsストアのチェックでも最初に使われるものなので、このツールでパスしないとWindowsストアには登録できません。パッケージを作成する流れで、WACKを起動できますが、単体でも起動可能です。http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/apps/hh694081.aspx に書いてありますが、検索チャームをタップして、”Windows Ap”ぐらいまで入力して”アプリ”を検索すれば、”Windows App Certification Kit”がリストに現れるので、そのアイコンをタップして起動してください。このツールで指摘された事項はFixしておきましょう。 最初のうちは、Windowsストアアプリの流儀に則った、使い勝手の良いアプリを作成するのはなかなか困難です。Windowsストアにアプリを登録する前に、UIのチェックを受けてください。 https://www.facebook.com/5Metro/app_384971174888643 ここからAEL(Application Excellence Labo)を申込みいただけます。このLaboでは、要件を満たしているかのチェックと修正方法をフィードバックしてくれます。面倒くさいな…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで指摘される事項は結局WindowsストアでもFailの元になってしまう可能性があるので、受講しておいた方がよいでしょう。AELの受講は、 日本マイクロソフトの品川オフィスに来ていただく オンラインで遠隔地で受けていただく メールで送って指摘事項をメールでフィードバック から選択できるので、状況に合わせて活用してくださいね。 指摘事項を修正し終わったら、いよいよWindowsストアへのアプリの登録です。アプリの提出方法は、 http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/apps/hh923028.aspx…