MIX09 での Azure アップデートについて

MIX09 Day1 キーノートでは、Silverlight の話に多くの時間を費やしたキーノートでしたので、Azure の話は目立ちませんが、いくつかアップデートを発表しております。

FastCGI, Full Trust レベルはすぐに利用可能です。Geo ロケーションは、もう少しお待ち下さい。各々の内容は以下の通りです。

 

  • FastCGI サポート

まず一つ目は、FastCGI サポート。Windows Server 2008 からは標準で組み込まれている FastCGI ですが、この機能が、Azure でも利用可能になりました。PHP が一番多く使われると思いますので、PHP を使う時の方法が解説されています。基本的には、同じくアップデートされた Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio March 2009 CTP に入っている FastCGI テンプレートを使うとパッケージ作成まで容易に行うことができます。

Using 3rd Party Programming Languages via FastCGI

  • Full Trust レベル サポート

これまでは、コード アクセス セキュリティ(CAS)のレベルで、”medium” 相当(部分的に “medium” と異なります)だったものを、”Full Trust” も利用できるようになる話です。そのおかげで、今までできなかった、既存環境で利用されていた native code の呼び出しが可能になります。もちろん、それだけでなく、サブプロセスの作成やプロセス間通信に名前付きパイプが利用でき、アプリケーションの幅がぐぐっと広くなります。ただし、利用する際には、CAS の理解をしてから、適切に使う必要があります(何も考えずに使ってしまいがちですが)。必要ない場合は、デフォルトのままが基本です。

.NET でアプリケーションを開発している上では、64ビット版 OS であることを意識することはないのですが、native code のライブラリ呼び出しについては注意が必要です。基本的には、native code のライブラリを呼び出すには、64ビット バージョンでビルドしておくことが必要になります。32ビット バージョンのライブラリを利用する際のワークアラウンドもありますが、Windows Azure SDK 等の資料を読んでお使い下さい。

”Full Trust” に設定するには、web.config ではなく、サービス定義ファイル(csdef)のロールの属性に定義します(Worker ロールは、web.config がないですからね)。

Hosting Roles Under .NET Full Trust

  • Geo ロケーション サポート

ネットワーク レイテンシーや BCP、バックアップ等の理由で、複数ロケーションもしくは特定のロケーション指定をして利用したいという要望は多く頂いていますが、今回、まずは、Windows Azure のホスティングとストレージ サービスのデータのロケーションを指定する機能が追加される予定であることがアナウンスされました。今のところは、米国内の2つからしか選択できない予定ですが、今後、米国外のロケーションも選択できるようにしていく予定です。

また、“affinity groups”  で指定されたアカウントのコードもしくはデータは、ネットワーク的に近いところに配置され、最適なパフォーマンスを提供するようになります。

いずれにしてもまだロケーションは米国内に限られた話ではあるので、追加される米国外のロケーションをしばらくお待ち下さい。

Geo Location Enables Developers To Choose Data Centers and Group Applications & Storage

 

MIX 初日の Azure 関連トピックはこんなところでしょうか。また内容についてはフォローしていきます。