[ちょっと気になる] そもそも Microsoft Expression ってなんだろう?

 

 

みなさん、こんにちは! 開発者向けニュースレターMSDN Flash の編集長をしている 藤山 裕子です*^-^*

 

さて、今回は前回の “ [ふと考えました!] 開発者のキャリアって、どんな道に分かれてるんだろう? ” に続き、「そもそも Microsoft Expression ってなんですか? 」という疑問をExpressionを担当しているデザイナー製品部の春日井にぶつけたいと思います。

 

(MSDN Flash

でもご紹介した ”スポーツナビの WBC 日本戦ハイライト動画” もExpressionの活躍あってのコンテンツだそうです。気になりますね!)

 

※   最後に関連リンクやお得な割引情報も掲載していますので、ぜひご確認くださいね。

※ インタビュー内容をそのままお伝えするため、おたがい "さん" 付けで呼び合ったものを掲載します。

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藤山 (以下 ふ): 春日井さん、実は先日お客様とセミナーでお話する機会があったのですが、

春日井 (以下 か): うんうん、

ふ: 「Expressionってよくわからない」「情報が少ない」という声をたくさんいただきました。私も製品ページがあるのは知ってたんですけど、そもそもExpressionになじみのない人からすると製品ページも 「??? (疑問いっぱい) 」 という感じです(>_< なので、今日はこのインタビューでExpressionを 簡単に 説明してください!!

か: ほい、了解。

ふ: そもそも、Expressionってなんなんですか(・_・??

か:Expressionはマイクロソフトがはじめてデザインのためにリリースしたツールなの。

ふ: ん?

か: で、何をデザインするかというとWPFやSilverlightを使っているアプリケーションのデザイン。というのは、このWPFやSilverlightは旧来のアプリケーションと違って、ユーザエクスペリエンスに優れたアプリを走らせるための、フレームワークであり、ランタイムなので、その上で走るアプリには、開発の要素だけでなくデザインが必要なわけ。

ふ: え? え? もう一度お願いします・・・・・(>_<!!!汗

か: うーん(笑) これでも難しいか、実際に画面を見せたほうが早いね。ちょっとこれを見てみ。(写真: 経営者が見ると想定してつくられたアプリケーション; アプリAとする)

 

ふ: おお! これ、すごくきれいです。

か: 今まで見たことあるアプリーケーションと比べてみてどう?

ふ: うーん、黒とグレーと白のグラデーションみたいなのと比べたら、こっち (写真のアプリA) のほうがつかってみたいです・・・。そっかぁ、つまりExpressionはアプリケーションの機能のところじゃなくて、見た目を魅力的にするために必要なツールってことであってますか?

か: そうそう、そのとおり。ただ見た目と言っても、ボタンのデザインそのものだけじゃなくて、押したときにどんな風に凹むのかとか、どんなページ遷移を起こすのか?という演出的な意味合いもある。たとえば、MSNがカーソルを合わせるとうにょーんって大きくなるような広告をやってるでしょ?

ふ; はい! みたことあります。

か: あの「うにょーん」が大切で、そういうのをコードで書くのは大変なんだよね。だからExpression。

ふ: Visual Studio ではできないんですか(>_< ?

か: そうなの。「うにょーん」っていう感覚的な動きを、言語をプログラミングして表現することはとても難しい。動きだけじゃなく、グラデーションとか立体感を持ったアイコンのデザインなんかもそう。じゃあ、ちょっとVisual Studioと比べてみましょうか。

ふ: はい! 見てみたいです!

か: たとえばボタン一個にしてみてもVisual Studioはこういうボタンでしょ? (写真: Visual Studioの画面)

 

か: こっちがExpression Designに標準でついてくるテンプレートのボタン。(写真: Expressionの画面)

 

 

ふ: おお! こっちのほうが断然押してみたいです。

か: でしょ? これがさっき僕が言った ”ユーザーエクスペリエンス” の部分。ビジネスでアプリケーションを作ってる人はわかると思うんですけど、結局アプリケーションって “売れないとダメ” なんです。そうなると同じような機能を持つ競合のアプリケーションと、自社のアプリケーションを差別化しないといけない。

ふ: はい、そのとおりです。その差別化が・・・、

か: そう、見た目や使い心地。これまでみんな注目してなかっただけに、ここを強化するといわゆる “売り” につながるアプリが作れると思いますよ。つまりこれがさっき “ユーザーエクスペリエンス” って言っていた部分ですね。

ふ: そっかぁ、開発側にとっても自分の作ったものをたくさんの人に使ってほしいですから、”売れる” というポイントは大切ですね。ただ、これまでも開発者の人って「終了ボタンをつけるなら、左下じゃなくて右下でしょ。」といった工夫はされていたと思うんですけど。これまで開発者の人がやっていたことを、もっと強化できるツールってことであっていますか?

か: はい、あってますよ。

ふ: つまりいま開発に取り組んでいる人がExpressionを使って開発をするようになるということ?

か: それについては2つのパターンがあると思います。ひとつは藤山さんが言ったみたいに開発者がデザインもするようになるというパターン。もうひとつは開発者は機能の開発に専念して、デザイナーがユーザーエクスペリエンスに当たるデザインの部分を担当するというパターンですね。

ふ: ほほー、そうですか。実は “Expressionはデザイナー向け” と言われているのをこれまでに聞いたことがあって、その点がちょっと気になっています。前者のパターン (開発者がデザインもするようになる) は後者 (デザイナーがアプリケーション作成のデザイン部分を担当するようになる) とくらべると、少ないと思われてるんですか?

か: デザイナーはプログラミング嫌いな人が多いんですよ (笑) 。逆にコードをがりがり書いていたい人が、「デザインやれ~」と言われても嫌だと思いますしね。

ふ: なるほど。それにたとえば開発するシステムやソフトウェアが大きいと、個別にデザインを担当した場合センスがバラバラで統制がとれなくなっちゃうと思いました。でも後者の場合、お互いの連携が難しそう。。。

か: ソフトウェアで考えるから難しそうに感じるんですよ。たとえばいつも藤山さんもつかってるパソコン。このパソコンの中の仕組みや機能を考えてる人と、このパソコンをデザインしてる人。同じ人だと思いますか?

ふ: 違うと思います!

か: でしょ? そう考えればアプリケーションのデザインを担当する人と、機能を作りこむ人が別にいるというのも?

ふ: そう考えると、アプリケーションの機能とデザインをする人が違うというのも自然です! それにパソコンって機能ももちろん確認するけど、デザインも選択基準になるっていうのが今後アプリケーションの世界でも広がっていくんだろうなって想像付きました。さっき春日井さんのおっしゃってたアプリケーションにおける差別化が “ユーザーエクスペリエンス” の部分だというのはこういうことなんですね。

か: そのとおり。デザインに注力することでユーザーの所有欲も満たせるというのは、大きなアピールポイントになりますからね。

ふ: あ、Expressionを使う意義は目的はわかりましたけど、実際の製品ラインナップも聞きたいんでした。製品ページにこんなコーナーがありますよね? (写真: Expression の製品サイトにある、製品一覧)。

 

ふ: WebとかBlendsとかいろいろあってなんだか複雑です。これってつまり、ExpressionがOfficeに当たるもので、WordやExcel、PowerPointみたいな個々のソフトの集合体みたいなことですか?

か: お、いいたとえですね。そうそう、そのとおりです。ちなみにExpressionは 5 個の製品が入ってます。そしてWordとExcelの目的が違うように、Expressionの個々のソフトウェアもひとつひとつ目的が違うものなんですよね。じゃあ今日はOfficeの中でもさっき藤山さんが言ったメジャーどころ、“WordやExcel、PowerPoint” 。 Expressionのなかでこの位置にあるものを紹介しましょう。どれも「おーさりんぐ」に関係あるものなんですけどね。

ふ: え、オーサリング? ってどういう意味ですか?

か: そっか、開発者はこういう言葉使わないのかな? 綴りは ”author” に “ing” です。

ふ: 執筆者とか、そういうことですか?

か: うーん、違います。。。辞書に「生み出す、加える」って意味があるけどこれに由来してるから、…。たとえば「ボタンを押したらこうなる」みたいな。「DVDで再生押したらはじまる」みたいなことを指しています。

ふ: おお、アプリケーションやWeb開発には必須の行程ですね!

か: そういう意味では、Expressionの中の “Design、Encode、Blend”。この3つの製品の用途をわかってると一通りカバーできます。

ふ: じゃあ「Design」はなにをするものですか?

か: これはまさにさっき見せたやつです。アイコンとか矢印とか、いけてるボタンをつくれるもの。

ふ: では「Encode」はどうですか?

か: ビデオとか動画って、加工しないとWebにのせれないんですよ。Webで公開するためには処理が必要、その処理が”エンコード”なのです。

ふ: あ、SilverlightにエンコードしているのがWBCの映像 (スポーツナビの WBC 日本戦ハイライト動画) なんですね!

か: そうそう、ちなみにこのサイトはWBC優勝効果でパンク寸前です(笑)。まとめると「Design」でアイコンをつくって、「Encode」で動画データをつくって、「Blend」に挙げる。すると、「Blend」で配置して、このボタン押したらこの動画始まるみたいな ”オーサリング” をして。

ふ: 一つのWebページができました!

か: どう? イメージわきましたか?

ふ: なるほどーーーーー!はい、Expressionの目的や使い道が理解できました!

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最後まで読んでくださってありがとうございます! みなさまのExpressionに対するなぞは解けましたか?

製品サイトには Flash 開発者がこっそり教える Expression Blend™ Tipsインタビュー(Silverlight、何から始めたらいい?)が掲載されていますのでもっと深い情報が知りたい方に最適だと思います。

 

また、春日井より割引情報の提供がありましたのでご紹介させてください。

 ”6月末日までExpressionシリーズのサブスクリプション「Expression Professional Subscription」のボリュームライセンスを通常価格の 25% オフでお買い求めいただけるキャンペーンを実施しています (詳細は こちら)。この機会に是非ご検討下さい。”

今回の本特集はいかがでしたか? もし、「○○について、担当者のインタビューが聞きたい」ということがあればぜひコメント欄にご投稿ください。みなさんの生の声から、次の企画を決めていきたいと考えています(^-^)