[ふと考えました!] 開発者のキャリアって、どんな道に分かれてるんだろう?


みなさん、こんにちは! 昨年10月から、MSDN Flashの編集長に就任した藤山裕子と申します*^-^*


TechNet Flashをご購読の方はもうご存知かと思いますが、今年度入社した社会人生1年生です。


みなさんのお役にたつような情報をお届けするべく、日々試行錯誤しながら邁進してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします!


さて今回は、「開発者のキャリアって、どんな道に分かれてるんだろう?」をテーマに、多彩な経歴をもつ長沢にインタビューした内容をお届けします。


 


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ふ:長沢さん、今日は「開発者のキャリア」についてお話を聞かせてください(^-^*!


 


な:はい、よろしくお願いします(^-^)!


 


ふ:あ、初めにそもそも"開発者"ってどういう仕事をしている人のことかをはっきりさせておきたいんですが、


 


な:実は僕もそれ、最初に話しておこうと思ってたんですよ。僕たちはよく "開発者" って言葉を使ってるじゃないですか? でも実際肩書きや役割として "開発者" となっている人は、そんなに多くないんですよ。自分のことを "開発者" と思っている人は多いのですけどね。


 


ふ:ん? どういうことですか?


 


な:日本では、主任とか課長とか、名刺には役職が書かれていることが多いでしょ?


 


ふ:はい、そういえば私は新卒なのに名刺にちょっとした肩書きが書いてあって友達によくびっくりされます(汗)。その肩書きは単に仕事の内容を表してるだけで、部下がいるわけではないんですけど…(^-^;新卒で日本の会社で働いてる友達は、だいたい部署の名前までしか書いてないですね。


 


な:そうそう、日本の会社だとそもそも役割がはっきりしていないことが多いし、もし役割がはっきりしていてもその仕事にはっきり紐付く名前がないことが多いんですよ。どちらかといえば、所属している部署そのものが役割を示しているという感じかな?だから役職のないいわゆる"平社員"はみんな、自分で自分の仕事を判断して「僕はSE(システム エンジニア)だ」とか、「俺はプログラマー」とか、 "思っている" んです。外資系の会社だと、役割が決まっていることが多いので、名刺にもその役割が明記されているのですよね。一概に日本の会社だから、外資だからと括ることはできないですけど、経験上、そんな感じになってると思う。


 


ふ:そっかぁ。じゃあ私が想像している "開発者" は、世の中ではいろいろと呼び名を変えて呼ばれているんですね。確かに「私SE(システムエンジニア)やってて」という話のほうが、「開発者やってる」よりたくさん聞きます!


 


な:役割の定義があいまいなのですよね。SEだって、システム エンジニアの場合もあれば、サービスエンジニア、セールス エンジニア、ソリューション エンジニア の場合だってあるし、開発者だったり、プログラマーであったり。一般さん的なエンジニアなどのスペシャリティのキャリアパスはこういうモデルで示されることが多いんですよ(写真A:某外資をモデルにしたエンジニアの一般的なキャリア パス; 今回はモデルAとする)。



こんな感じで、エンジニアとしての道とピープル マネージャーとしての道、つまり部下を管理する仕事に最終的には分かれるんですよね。エンジニアの頂点には、技術理事(DE: Distinguished Engineer)という理事クラスまでいると。


 


ふ:日本の会社だと違うんですか?


 


な:日本の会社に多いのはこっちのモデルだと思います。(写真B:日本の企業のキャリアのしくみ; 今回はモデルBとする)かなり大雑把に言うとですけどね。




 


ふ:あ、よく見ますね! 


 


な:そう、これに年功序列が加わるから、経験を積んでいくと本人の意思とは関係なしに管理職になってしまうこともあると。


 


ふ:あっそっかぁ。これは管理職になりたい人にとってはうれしいですけど…。がっつりコードを書いたり、システムの設計をしたい人にとっては、あまりうれしくないような。


 


な:僕が新卒で入った会社は、日本の会社でしたが、そのときのリーダーがいつもこう言ってたんですよ。「本当はマネージメントなんか向いてないのに。」って。ご本人は、技術の仕事をずーっとしていたかったようです。でも本人に “その気” がないと、いいパフォーマンスはでないので、下で働く者としては、辛いものがありましたよ。


 


ふ:きっとその上司の方は、ずっと開発の現場に携わっていたかったんですね。


 


な:そうそう。管理職になると人やお金の管理が必要になりますから。必然的にそれまでやっていた仕事にかける時間を減らさなきゃいけなくなるんですよ。こちらのモデル(B)は、エンジニアとして成長できるパスがはっきりしていないことが問題ですね。ただ、結局は管理職にならなければいけないことがわかっているのに、その流れに黙って飲み込まれることは僕はないと思います。


 


ふ:たしかに! こっち(モデルA)だと、管理職にならないという選択肢がありますよね。これ(モデルA)は外資系に多いモデルなんですか?


 


な:もちろん日本の会社でも、このモデルを採用しているところがあると思います。それから会社に属さないで個人事業主になるという選択をする人もいますよね。派遣とかでまずは下積みしていろんな会社に行くことで、「人脈を増やしてから」という話もよく聞きます。


 


ふ:なるほどー。それはサラリーマンではない選択肢もあるという点でとても重要な情報ですね。


 


な:モデルBの場合はそもそも自分のキャリアを自分で考えにくい構造になっていると思うんですよ。モデルAは先の道が分かれているので、必然的に考える環境。ただ道が分かれていると、分かれた後に違う道に行くのが大変になるということもありますけど。でもスペシャリティを極めるには道がはっきりしているので目指すものがわかりやすいです。


 


ふ:たしかにモデルBのほうがなんとなーくスペシャリティとしては、先がはっきりしていない感じですね。周りに流されていると自分を見失ってしまいそうな。


 


な:そうそう、どちらかというと所属部署で、スペシャリティが決まってくるのかも。だから異動するとスペシャリティが変わってしまうなんてこともあるかもしれません。だからかもしれないけど、「あなたの役割は?」と質問すると「私は何でも屋です。」という方も多いんですよね。事実、なんでもやっているので。所属部署や、その時期によって、Coding するときもあれば、それをテストしたり、お客さんに要件を聞いたかと思えば、自分の作ったアプリをメンテナンスしたりということもあります。所属部署が、システムの保守部門だったら、システムを開発するよりは、バグ改修などにほとんどの時間を割くかもしれません。


 


ふ:なるほどぉ、場合によっては、開発のライフサイクルを全般的に扱う場合もあれば、ひとつの作業をこなす場合もあるんですね。この辺を自分でコントロールするというよりは、部署の意向が強く影響しているってことでしょうか。


 


な:そうそう、なので、本当にいろんな経験ができる人もいれば、そうでない人もいるんですよね。だからメリハリを自分の中にもたないと、自分のスペシャリティを伸ばすことが難しいです。進む道が見えてこないとも言えますね。あと、"教育" ですね。


 


ふ:"教育"?


 


な:僕も丸4年いて12回しか研修の機会がありませんでしたよ、最初に勤めた日本の会社。キャリア パスやスペシャリティとしての道や、役割がはっきりしていないので、教育も漠然としていてどっちつかずと言うか。そういえばこれ( IPA の「ITスキル標準V3 2008」ダウンロード<http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/download_V3_2008.html>)見たことがありますか?


 


ふ:初めて見ます!


 


な:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)といえば、情報処理技術者試験でも有名ですが、IT 技術の個人スキルの標準化のための指標も提供しています。個人的にはこういうのを見るのがお勧めですね。自分の気持ちに合うような選択肢がないか見てみるといいと思います。そうすると目的に対して今の自分はどういう知識が足りないといったことも見えてくると思います。


 


ふ:ほんとだ、必要なスキルセットのまとめが載ってます。


 


な:いろいろな役割がありますよね。IT 技術のスキルや経験を積まないとこなせない役割もあります。ただ、スキルと経験があれば、できるとは限らない。基本的な人やお金を扱う能力やお客様とのコミュニケーション、チームメンバーとのコラボレーションなどの能力も問われるか知れません。なので、自分がどういった能力を持っているのか、今後どういう役割を担っていきたいのかを持っているとこういった指標を参考にできるんですよね。そもそも、役割というのは、誰が偉いとかではなく、どの役割も重要。たとえば、PM (プロジェクトマネージャ) だけがいてプログラマーがいないんじゃ案件はまわんないようにね。そういうところがわかっていないと、全員がアーキテクトになればいいとか、PMを目指すべきとか、言ってみれば歪んだキャリア パス構造になってしまうんじゃないかなと思います。それからさっき言った教育。教育が足りないのは事実なので、自分の可能性に気が付いていない人も多いと思います。


 


ふ:確かに。たとえばアーキテクトという仕事を知らないで、アーキテクトになりたいと思うことはなかなかないかも。選択肢があって初めて、自分に照らし合わせて考えられるというところがあると思います。


 


な:教育の機会については、所属している会社の方針や、チームの方針もあるので、難しいところもありますが、たとえば、マイクロソフトが提供しているTech Fielders セミナーとかで最新技術をキャッチアップして、今後の IT や自分のキャリアを考えてみるのもいいと思います。コミュニティ活動も昔と比べるとかなり活発なので、オンラインで同じ境遇の仲間とディスカッションしたり、自分が目指す役割をコナシテいる先輩とディスカッションもできますしね。平日夜や、週末に勉強会などもあるので、そこの顔を出すだけでも刺激になりますよ。


 


ふ:会社だけではなく、いろいろな場を活用しましょうってことですね。


 


な:まとめとしてみなさんにいいたいことは、「まずは自分がどんな仕事をしているのか見つめなおしてください」ということですね。このIPAの表を目安に自分の内に秘めたものを見つめなおしてほしいと思います。それと同時に会社のキャリアパスを知って、それと自分の気持ちをマッチングするというかバランスを探るというか。たとえば、自分は開発やりたいと思っているけど、会社を移ったり独立したりする気がないから、管理職になってやろうかと決断するのも一つの選択肢だと思います。「お金もたくさんもらえるかもしれないし! 役職が上がればローンの借りれる額も増えるし! 」と思ってね。


 


ふ:ローン! そうですね!


 


な:逆もしかりで開発やりたいからこの立場を維持する方向で考えるのも手。ただそれが許されるか許されないかは会社や部署の状況にもよりますから。その会社に残りたくて自分のやりたいことが許されない場合は、会社に従いながら自分をどこに置くか考えなきゃいけない。


 


ふ:自分の気持ちをしっかり持つのと同時に、会社の中にある選択肢も見ておく必要があるということかぁ。


 


な:そうそう、「自分のなりたいイメージ」と「会社」と「市場」。この3つのバランスがとれた仕事を探していくといいですよね(写真:藤山のノート)。


 


 


ふ:これは開発者やSE、プログラマーのみなさんだけではなくて、私にもあてはまります。一朝一夕に目標はきまらないけど、まずは私も今自分がやってる仕事を棚卸してみて気に入ってる仕事を探してみようと思いました。


 


な:そしたら上司の人に言ってみるといいと思いますよ。経験があるからいろんな選択肢を知っているし。


 


ふ:おお! 日々仕事に追われてばかりで忙しいですけど、少し立ち止まる勇気を持つことで自分の将来と今を繋ぐことができるんだなと思いました! 長沢さん、今日はありがとうございます!


 


な:いえいえ! ありがとうございました(^-^)


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最後まで読んでくださってありがとうございます! 1 回目の [ふと考えました!] はいかがでしたか? (余談ですが、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のイメージキャラクターが堀北真希な理由を誰か知っていたら教えてください(>_<)! )


1回目ということで、みなさんが将来のことを考えるきっかけになるような内容を載せられるようインタビューを心がけました。今回の企画が好評であれば、この[ふと考えました!] をシリーズ化したいなと考えています。もし「あの人のこれまでの歩みとこれからが聞きたい! 」といったリクエストや、「PMとアーキテクトの違いが知りたい!」といった具体的な解説を聞きたい分野がありましたらぜひご連絡ください。今回のインタビューの感想もお待ちしておりますのでどしどしお寄せいただけるとうれしいです(^-^)


 

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