Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 3.5 SP1 Beta を紹介します

 

皆様こんにちは。

今回は、先月公開された Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 3.5 SP1 Beta を紹介します。

 

Windows7 は Windows Vista と大変互換性の高いOSになる予定ですが、いくつかの新機能が搭載される予定です。

この SDK には、それらの Windows7 の独自の機能などにも対応したアプリケーションを作成するのに必要なHeader ファイルやLibrary ファイル、そしてドキュメントやサンプル(英語のみ)やツール類などが含まれる予定です。(現時点ではBetaリリースになります)

もちろん、 Windows7 に関するものばかりではなく、.NET Framework 3.5 SP1 用のマネージドアプリケーションを開発する際に必要なファイル群も盛り込まれています。ぜひインストールしてご活用ください。

 

 

  まずインストール方法ですが、ダウンロードセンターからISOファイルをダウンロードし、そのISOイメージをDVDなどに焼いていただくか、マウントツールなどを使用して内容を閲覧し、Setup.exeを実行します。

  あとはセットアップのウィザードに従って進めていけば、必要なファイルがデフォルトでは以下の場所にインストールされます。もちろんインストール先のフォルダ・ドライブを変更することも可能です。

 

ドキュメント・ツール

%ProgramFiles%\Microsoft SDKs\Windows\v7.0

 

サンプル

%ProgramFiles%\Microsoft SDKs\Windows\v7.0\Samples

 

  インストール可能なプラットフォームとしましては、Windows Vista、XP、2003、2008、そして Windows7 があります。

Windows7 専用のアプリケーションを、Windows7 以外のOS(例えば Vista など)で作成することはもちろん可能です。(実行・デバッグはできません。)

 

  なお、.NET Framework 3.5 SP1 の本体が入っていなくてもこの SDK 自体のインストールは可能となっていますが、マネージドアプリケーションのデバッグやテスト等を同じマシンで行う場合を考慮して、あらかじめ  .NET Framework 3.5 SP1  をインストールされることをお勧めします。.NET Framework 3.5 SP1 の本体は、SDK 中にも含まれていますが、こちらからインストールすることも可能です。もしくは Visual Studio 2008 SP1 をインストールすると、同時に .NET Framework 3.5 SP1 もインストールされます。

 

  さて、インストールが終了するとスタートメニューに以下のような項目が追加されます。

まずはRelease Notesをご一読いただき、そして SDK の詳細を参照される場合には Windows SDK Documentation を、サンプルの説明をご覧になる場合には Sample Reference をご覧ください。

 

  ここでは最も簡単なアプリケーションを、Windows7専用アプリケーションとして Build する実験をしてみたいと思います。

  対象とするサンプルは、%ProgramFiles%\Microsoft SDKs\Windows\v7.0\Samples\Begin\Simple に含まれているC言語のアプリケーション simple.c です。

 

まずは特に Windows7 用のアプリケーションであることを指定しないで Buildしてみましょう。ここでは Windows Vista もしくは Windows XP 上にこの SDK がインストールされているという前提で進めます。
 

  1. 手始めに、このフォルダに含まれている3つのファイルを一時的なフォルダ(ここでは便宜上C:\temp を使います)にコピーします。
  2. スタートメニューから、「すべてのプログラム」「Microsoft Windows SDK v7.0」の中の「CMD Shell」を選択、起動します。
  3. (以下、すべてコマンドライン上の操作になります。)
    Cd \temp
    Nmake
    LH_DEBUG\simple.exe
    上記のコマンドを実行することにより、simple.c がコンパイル・リンクされて simple.exe が生成され、実行されます。
  4. すると画面上に Win32, it's happenin'! と表示されて、アプリケーションが正常に起動したことが確認できます。

 

さて、次に同じアプリケーションを今度は Windows7 専用アプリケーションとして生成してみましょう。

  1. 同じコマンドライン上から
    Setenv /Win7
    と入力します。これで、この先作成するアプリケーションはデフォルトで Windows7 用のものであることを指定しました。
  2. コマンドラインから
    Nmake
    を実行します。するとC:\temp フォルダ上にWIN7_DEBUG というフォルダが生成され、中にSimple.exe が生成されます。
  3. これを Windows Vista 上で実行するために
    Win7_debug\simple.exe
    などのコマンドを実行しても、「simple.exe is not a valid Win32 application」というようなエラーメッセージが表示されて実行できないはずです。
  4. そこでこの simple.exe を、Windows7 Beta 等がインストールされている別のマシンにコピーして、コマンドラインから実行すると、今度は正常に実行されます。
    したがって、このアプリケーションは Windows7 を対象としたアプリケーションとして生成されたことがわかります。

 

  本 SDK は、残念ながら現在のところ日本語化の予定はありませんが、日本語環境にて実行していただくことは可能です。

  ぜひ、ご活用ください。

sdk2.jpg