Silverlightアプリケーションの開発

先週はSilverlightの発表をお伝えしました。皆様、Silverlight.netはもうチェックされましたか?今週は、Silverlightに関して、もう少し具体的に説明したいと思います。

まず、先週もお伝えしたとおり現在V1.0 BetaとV1.1Alphaというものがリリースされています。バージョン番号では、0.1の違いなのですが、実は内容はまったく異なっています。

まずはV1.0ですが、非常に簡単に説明するのであれば、V1.0はプレゼンテーション(表示)の部分のみを提供するものです。プログラミングインタフェースとしてDOMが提供されているので、JavaScriptを使ってプログラミングができますが、この場のJavaScriptはWEBブラウザのエンジンを使用しているわけで、実行環境を持っているわけではありませんし、表示以外の処理はJavaScriptのライブラリを使用して実装します。すぐれた2Dの描画機能と高機能なメディア実行環境を兼ね備えた1つのコントロールと考えても良いかもしれません。このように簡単なものであるので、開発に必要な環境も非常に簡単なものになります。アニメーションなどxamlの機能をフルに活用するためには、Expression Blend2 があったほうが便利なのは言うまでもありませんが、そうでなければ、テキストエディタ一つあれば開発することができます。

一方V1.1ではV1.0のプレゼンテーション機能に加えて、.NET Frameworkの実行エンジンとライブラリが提供されます。これにより、Silverlightが単なるコントロールから完全なアプリケーション実行環境となります。実行エンジンとライブラリが提供されるので、プログラミングモデルはV1.0とは完全に異なり、言語は.NET開発言語を使用できるようになりますし、表示以外の処理も.NET Frameworkと同様なBCLを使用して実装することになります。もちろん、オンディマンドなダウンロードが前提ですから、フルスペックの .NET Framework 3.0に比べると提供されるライブラリは非常に限定されたものにはなるなど、環境は異なりますが、プログラミングモデルとしては、WPFアプリケーションとほぼ同じと考えて良いでしょう。それに伴い、開発環境として必要なものも多くなり、今すぐ試してみたいという方は、以下のものをインストールする必要があります。

l Silverlight V1.1 Alpha

l Visual Studio "Orcas" Beta 1

l Silverlight Tools Alpha for Visual Studio "Orcas" Beta 1

l Expression Blend 2 May Preview

l ASP.NET Futures

 

インストールはちょっと大変ですが、その代り、これらのものをインストールすると、WindowsフォームのアプリケーションやASP.NETアプリケーションを開発するのと同様にSilverlightのプロジェクトを選択するだけで、アプリケーションが作成され、あとは必要な機能を実装していくだけです。もちろん、IntelliSenseも動作しますし、デバッグも統合開発環境内で行うことができます。

最後に残念なお知らせですが、V1.0、V1.1とも現段階では日本語の表示はできません。日本語の表示や日本語関連の機能に関しては、今後リリースされるベータ版にご期待ください。