Microsoft Azure 仮想マシンに SQL Server を導入、設定する際のポイント 5

Microsoft Japan Data Platform Tech Sales Team
清水

みなさん、こんにちは。   4回目は、 Microsoft Azure の Windows 仮想マシン ( 以降仮想マシン ) に SQL Server 2016 をセットアップする際のポイントをお伝えしました。5 回目は、 SQL Server 2016 の高可用性機能である AlwaysOn 可用性グループに必要な 、Windows Server フェールオーバー クラスタリング ( 以降 WSFC ) の有効化と、クラスターを構成する際のポイントをお伝えします。

今回は 3 つの仮想マシン ( 2 つの DB サーバーと 1 つのファイルサーバー ) を用いてクラスターの構成を行います。なお、高可用性実現のため、 3 つの仮想マシンは、同一の可用性セット ( 可用性セットについては、仮想マシンの可用性管理をご参照ください ) に含めるようにして下さい。

 

WSFC の有効化と構成

1つめの DB サーバーに、管理者ユーザーでログオンします。 WSFC を有効化するため、「サーバー マネージャー」を起動し、「役割と機能の追加」の「機能」から「フェールオーバー クラスタリング」を追加します。

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WSFC の追加が完了したら、管理ツールから「フェールオーバー クラスターマネージャー」を起動します。「フェールオーバー クラスター マネージャー」を右クリック、メニューから「クラスターの作成」をクリックします。クラスターには 1 つめの DB サーバーのみを含め、クラスターを作成します。

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クラスターの作成完了後、「フェールオーバークラスター マネージャー」でクラスターの状態を確認すると、「クラスター コア リソース」の「名前」と「 IP アドレス」に問題があることが確認出来ます。

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これは、クラスター コア リソースの IP アドレスが、 1 つ目の DB サーバーの IP アドレスと同じになっていることが、原因なので、クラスターコア リソースの  IP  アドレスを手動で設定することで対応します。まず、クラスター コア リソースの IP アドレスのプロパティを表示します。

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既定では、「 DHCP 有効」が選択されているため、「静的 IP アドレス」に変更し、仮想ネットワークのサブネットで使用されていない IP アドレスを指定します。その後、「フェールオーバー クラスター マネージャー」で、「クラスター コア リソース」の「 IP アドレス」を右クリック、メニューから「オンラインにする」を選択します。しばらくすると、「 IP アドレス」と「名前」がオンラインになります。「フェールオーバー クラスター マネージャー」を用いてクラスターの状態を確認し、問題がないことを確認します。

 

WSFC クラスターへ 2 つ目の DB サーバーを追加

2 つめの DB サーバーに管理者ユーザーを用いてログオンし、 WSFC を有効化します。その後、 1 つ目の DB サーバーで「フェールオーバー クラスター マネージャー」を起動し、クラスター名を右クリックし、メニューから「ノードの追加」を選択します。「ノードの追加ウィザード」が起動するので、画面の指示に従い 2 つ目の DB サーバーをクラスターに追加します。

 

ファイル共有監視の追加

Microsoft Azure では、クラスタで共有可能なディスクは現状サポートされていないため、今回はクォーラム監視を共有ディスクではなく、ファイル共有に配置します。

WSFC のファイル共有監視で使用するフォルダをファイル共有サーバーに作成し、クラスターのコンピュータアカウントに対して「変更」を許可します。また、フォルダを共有し、同様に「変更」を許可します。

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その後、「フェールオーバー クラスター マネージャー」でクラスター名を右クリック、メニューから「他のアクション」、「クラスター クォーラム設定の構成」を選択します。クラスター クォーラム構成ウィザードが起動するので、画面の指示に従い操作を行い以下の画面で「クォーラム監視を追加する」を選択します。

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以下の画面が表示されるので、「ファイル共有監視を構成する」を選択します。

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以下の画面が表示されるので、事前に作成したファイル共有のパスを入力します。

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その後は、画面の指示に従い、ファイル共有監視の追加を行います。ファイル共有監視の追加後、「フェールオーバー クラスター マネージャー」を起動、クラスターをクリックし、「クラスター コア リソース」の「ファイル共有監視」がオンラインになっていること、クラスターの状態に問題がないことを確認します。

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連載 : Microsoft Azure 仮想マシンに SQL Server を導入、設定する際のポイント

https://blogs.msdn.microsoft.com/dataplatjp/iaassql/

 

最終回は、 AlwaysOn 可用性グループを構成する際のポイントについてお伝えする予定です。