Dynamics CRM Online 2015 Update 1 SDK 新機能: タイムゾーンに依存しない日付型への変換


みなさん、こんにちは。

今回は Dynamics CRM Online 2015 Update 1 で提供されるプラット
フォームと SDK の新機能より、タイムゾーン非依存の日付型列に
ついて紹介します。タイムゾーン非依存の日付列とカスタマイズ
については以下の記事をご覧ください。

Dynamics CRM Online 2015 Update 1: 日付列の新機能

こちらの記事では、日付型フィールドをタイムゾーン非依存型に
変換する SDK コードを紹介します。

概要

例えば従来の日付型フィールドに対して、2015 年 6 月 9 日 0:00:00
を UTC+9 タイムゾーンのユーザーが作成したレコードを考えます。
この場合、以下のパターンでタイムゾーン非依存型に変更する事が
できます。

※一旦変換した後に再変換はできません。

データベースの値をそのまま利用する
Dynamics CRM は日付型を UTC+0 に変換してでデーターベースに
保存し、表示する際に再度、ユーザーのタイムゾーンに合わせて
データを変換します。データベースの値をそのまま利用して変換
した場合、値は2015 年 6 月 8 日 15:00:00 となります。

レコード所有者のタイムゾーンを利用する
この場合レコード所有者のタイムゾーン設定が UTC-10 であれば、
2015 年 6 月 8 日 5:00:00 が値として使われます。

レコード作成者のタイムゾーンを利用する
この場合、レコード作成者のタイムゾーン設定に変更がなければ、
値は 2015 年 6 月 9 日 0:00:00 となります。

指定したタイムゾーンを利用する
任意のタイムゾーンを指定して変換を実行できます。

動作確認

今回は、取引先企業に日付列を作成してデータを入力した後、各
レコードの所有者のタイムゾーンで日付列を変換します。

日付フィールドの追加

1. ブラウザで Dynamics CRM Online に接続します。

2. 設定 | カスタマイズ | システムのカスタマイズより取引先企業
を展開します。

3. フィールドを選択して、「新規」ボタンをクリックします。

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4. 表示名に「設立」名前に「established」と入れ、データの
種類から日付を選択します。他の項目は既定値のままです。
「保存して閉じる」をクリックしてフィールドを作成します。

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5. フォーム上の任意の位置に、作成したフィールドを配置して
カスタマイズを公開します。

レコードに値を設定

1. ログインしているユーザーのタイムゾーンを UTC+9 に設定
して、任意の取引先企業レコードを開きます。

2. 設立に任意の値を入れて保存します。

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3. ユーザーのタイムゾーンを UTC-4 変更して同じレコードを
開きます。設立の値が変わることを確認します。

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4. ユーザーのタイムゾーンを UTC+9 に戻します。

プログラムの実装

事前準備が整ったので、最後に SDK でフィールドを変換します。

1. Visual Studio を起動します。新しいプロジェクトをクリック
して、Visual C# | Windows デスクトップ | コンソールアプリ
ケーションを選択します。.NET Framework 4.5.2 を指定します。
任意の名前を付けて、「OK」をクリックします。

image

2. ソリューションエクスプローラーより作成したプロジェクトを
右クリックして、NuGet パッケージの管理をクリックします。

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3. 左ペインで「オンライン」を選択後、右上の検索ボックスにて
crmsdk を検索します。一覧より Microsoft Dynamics CRM 2015
SDK client and portal assemblies を選択して「インストール」を
クリックします。

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4. インストールが完了したら「閉じる」で NuGet パッケージの
管理を閉じます。

5. Main メソッドに以下のコードを追加します。これで Dynamics
CRM 組織への接続が作成できます。接続文字は適宜変更します。

CrmConnection conn = CrmConnection.Parse("Url=https://contoso.crm.dynamics.com; Username=someone@contoso.onmicrosoft.com; Password=password;");
OrganizationService service = new OrganizationService(conn);

6. 以下のコードで日付列の変換要求を追加します。Attributes
プロパティに作成した日付型列を指定し、ConverRule に所有者
での変換を指定します。また指定したルールで変換を行うために
AutoConversion は false に設定しています。

ConvertDateAndTimeBehaviorRequest request = new ConvertDateAndTimeBehaviorRequest()
{
    Attributes = new EntityAttributeCollection()
    {
        new KeyValuePair<string, StringCollection>("account",
            new StringCollection(){ "new_established" })
    },
    ConversionRule = DateTimeBehaviorConversionRule.OwnerTimeZone.Value,
    AutoConvert = false
};

7. 以下のコードを追加して、要求を実行します。

// Execute the request
ConvertDateAndTimeBehaviorResponse response = (ConvertDateAndTimeBehaviorResponse)_serviceProxy.Execute(request);

8. F5 キーを押下してプログラムを実行します。

結果の確認

日付型の変換は同期処理として行われず、システムジョブとして
実行されます。

1. ブラウザで Dynamics CRM Online に接続します。

2. 設定 | システムジョブより「日時の動作の変換」を探します。

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3. 結果が完了になるまで待ちます。

4. ジョブが完了した後、取引先企業レコードを開き、日付を
確認します。

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5. ユーザーのタイムゾーン設定を変更して、同じレコードを
開きます。タイムゾーンに関係なく同じ値であることを確認
します。

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まとめ

SDK を利用すれば、日付型の挙動を変換する場合、より柔軟に
設定が行えます。是非お試しください。

‐ 中村 憲一郎

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