Unified Service Desk の構成 Part 3 : エージェントアプリケーション内に Microsoft Dynamics CRM レコードを表示

みなさん、こんにちは。今回も前回から引き続き Unified Service Desk の構成チュートリアルをご紹介します。なお、今回紹介する内容は基本的に以下の内容に沿っています。
Walkthrough 3:Display Microsoft Dynamics CRM records in your agent application

 

事前準備

前回までの構成にコントロールを追加していきますので、以下の記事を参考にして構成を作成しておいてください。
Unified Service Desk の構成 part 1 : シンプルなエージェントデスクトップの構成

 

今回の内容

今回はエージェントアプリケーション内に Microsoft Dynamics CRM レコードを表示する手順についてご説明します。コールセンターで既存のお客様からお問い合わせがあった時、まずは顧客名や顧客コード、電話番号などで問い合わせしてきたお客様情報を検索することから始めると思います。今回のシナリオでは USD のエージェントアプリケーション内に Dynamics CRM の顧客情報(取引先企業または取引先担当者)を検索するメニューボタンを配置し、ボタンをクリックすると取引先企業または取引先担当者の簡易検索ビューを表示させる構成をご説明します。

 

ステップ1:取引先企業と取引先担当者レコードを表示するホストされたコントロールを作成

このステップでは、取引先企業と取引先担当者レコードをそれぞれ表示する二つの CRM ページタイプのホストされたコントロールを作成します。

 

  1. Microsoft Dynamics CRM にサインインします。
  2. ナビゲーションで Microsoft Dynamics CRM をクリックし、設定 を選択します。
  3. 設定 > Unified Service Desk > ホストされたコントロール をクリックします。
  4. 新規 をクリックします。
  5. 新規ホストされたコントロールページで次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Accounts Search

表示名

Contoso:取引先企業

USD コンポーネントの種類

CRM ページ

複数ページの許可

いいえ

ホストの種類

内部 WPF

アプリケーションがグローバル

チェック

表示グループ

MainPanel

 

 

  1. 上書き保存 をクリックします。
  2. 取引先担当者レコードを表示するもう一つのホストされたコントロールを作成するために、新規 をクリックします。
  3. 新規ホストされたコントロールページで次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Contacts Search

表示名

Contoso:取引先担当者

USD コンポーネントの種類

CRM ページ

複数ページの許可

いいえ

ホストの種類

内部 WPF

アプリケーションがグローバル

チェック

表示グループ

MainPanel

 

 

  1. 上書き保存 をクリックします。

 

ステップ2:ツールバーコンテナ タイプのホストされたコントロールの作成

ホストされたコントロールのツールバーコンテナタイプは USD でツールバーを保持/表示するために利用されます。このセクションでは、クライアントアプリケーション上部に表示されるツールバーコンテナタイプのホストされたコントロールを作成します。

 

  1. 設定 > Unified Service Desk > ホストされたコントロール をクリックします。
  2. 新規 をクリックします。
  3. 新規ホストされたコントロールページで次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Main Toolbar Container

USD コンポーネントの種類

ツール バー コンテナ

表示グループ

ToolbarPanel

 

  1. 上書き保存 をクリックします。

 

ステップ3:ツールバーの追加とツールバーコンテナへの紐づけ

このステップでは、ツールバーを作成し、ステップ2で作成したツールバーコンテナのホストされたコントロールに紐づけします。これにより、エージェントアプリケーション上にツールバーが表示されます。

 

  1. 設定 > Unified Service Desk > ツール バー をクリックします。
  2. 新規 をクリックします。
  3. 新規ツールバーページにて名前フィールドに Contoso Main Toolbar と入力し 上書き保存 をクリックします。
  4. 手順2で作成したツールバーのホストされたコントロールにツールバーを紐づけします。ナビゲーションにて、Contoso Main Toolbar の横の下向き矢印をクリックし、ホストされたコントロール をクリックします。
  5. 既存のホストされたコントロールの追加 をクリックし、検索バーに Contoso Main Toolbar Container と入力し、ENTER キーを押すか検索アイコンをクリックします。
  6. 検索結果から Contoso Main Toolbar Container を選択します。

 

ステップ4:CRM レコードを表示するツールバーボタンとアクションコールを追加

この手順では、ツールバー上にボタンを追加し、クリックしたときにステップ1で作成されたホストされたコントロールに適切な CRM レコードを表示するアクションコールをボタンに紐づけします。取引先企業と取引先担当者の CRM レコードをそれぞれ表示するためのボタンをサブメニューアイテムとして構成します。

 

  1. ステップ3でツールバーを保存すると、ボタン領域が利用できるようになります。ボタン領域で右隅の ボタンで追加をクリックします。
  2. 新規ツール バー ボタンページにて、次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Search Button

ボタン テキスト

検索

ツール ヒント

CRM の取引先企業と取引先担当者を検索

受注

1

 

 

  1. 上書き保存 をクリックします。
  2. ナビゲーションにて、Contoso Search Button の隣の下向き矢印をクリックし、ツールバー ボタン をクリックします。既存のツールバーボタンに子ツールバーボタンを追加することでツールバーのサブメニュー構成を作ることができます。
  3. 新しいツール バー ボタンの追加 をクリックします。
  4. 新規ツール バー ボタンページにて次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Search Account Button

ボタン テキスト

取引先企業

受注

1

 

 

  1. 上書き保存 をクリックします。
  2. ここで、二つのアクションコールを追加します。一つ目はステップ1で作成したホストされたコントロールに取引先企業レコードを表示します。二つ目は Contoso Global Manager のホストされたコントロールにて、取引先企業ホストされたコントロールを表示します。アクション領域の右隅のアクションコールを追加する ボタンを押します。
  3. アクション領域の検索ボックスにて ENTER キーを押すか検索アイコンをクリックします。
  4. 検索結果画面にて、このツールバーボタンのアクションコールを作成するために右下隅の新規ボタンを押します。

  1. 新規アクション コールページにて、次の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Action Call: Search Account

受注

1

ホストされたコントロール

Contoso Accounts Search

アクション

Find

データ

account

 

 

  1. 保存して閉じる をクリックして同様にもう一つのアクションコールを作成します。

フィールド

名前

Contoso Action Call: Display Account Search

受注

2

ホストされたコントロール

Contoso Global Manager

アクション

ShowTab

データ

Contoso Accounts Search

 

 

  1. 保存して閉じる をクリックします。
  2. 4 以降の手順で取引先担当者の検索ボタンも追加します。Contoso Search Button のツールバーボタンページに移動し、子ツールバーボタンを作成します。

フィールド

名前

Contoso Search Contact Button

ボタン テキスト

取引先担当者

受注

2

 

 

  1. 保存して閉じる をクリックします。
  2. 二つのアクションコールを作成します。一つ目はステップ1で作成したホストされたコントロールに取引先担当者レコードを表示します。二つ目は Contoso Global Manager のホストされたコントロールにて、取引先担当者のホストされたコントロールを表示します。一つ目のアクションコールは以下の値を指定します。

フィールド

名前

Contoso Action Call: Search Contact

受注

1

ホストされたコントロール

Contoso Contacts Search

アクション

Find

データ

contact

 

 

  1. 二つ目のアクションコールは以下の値を指定します。

               

フィールド

名前

Contoso Action Call: Display Contact Search

受注

2

ホストされたコントロール

Contoso Global Manager

アクション

ShowTab

データ

Contoso Contacts Search

 

 

ステップ5:作成したコントロールを構成に追加

このステップでは、構成に割り当てられたユーザーにこのチュートリアルで作成したアクションコールやホストされたコントロール、ツールバーを表示するためにこれらのコントロールを構成に追加します。

Unified Service Desk の構成 Part 1 で作成した Contoso Configuration に以下を追加します。

コントロール名

コントロールの種類

Contoso Action Call: Search Account

アクション コール

Contoso Action Call: Display Account Search

アクション コール

Contoso Action Call: Search Contact

アクション コール

Contoso Action Call: Display Contact Search

アクション コール

Contoso Accounts Search

ホストされたコントロール

Contoso Contacts Search

ホストされたコントロール

Contoso Main Toolbar Container

ホストされたコントロール

Contoso Main Toolbar

ツール バー

 

  1. 設定 > Unified Service Desk > 構成 をクリックします。
  2. Contoso Configuration をクリックし、定義情報を開きます。
  3. ナビゲーションにて、Contoso Configuration の隣の下向き矢印をクリックし、アクション コール を選択します。
  4. 既存のアクション コールの追加 をクリックし、検索ボックスに Contoso Action Call と入力して ENTER を押すか検索アイコンをクリックします。
  5. 作成したアクションコールが検索結果に表示されるため全て追加します。
  6. 同様に Contoso Configuration の隣の下向き矢印をクリックし、ホストされたコントロールツール バー でそれぞれ追加します。

 

ステップ6:アプリケーションのテスト

USD クライアントを起動し、Contoso Configuration に割り当てたユーザー資格情報でサインインします。ツールバー領域に 検索 ボタンが表示され、矢印をクリックすると子ボタン(取引先企業取引先担当者)が表示されます。

 

 

検索ボタン配下の取引先企業または取引先担当者をクリックすると、ログイン画面が表示されますのでログインします。(Microsoft Dynamics CRM が設置型 Windows 統合認証やシングル サインオン構成の場合は表示されません。)USD クライアントアプリケーション内にタブで分けて CRM インスタンスからレコード一覧ビューが表示されます。

 

 

結論

今回の記事では、USD アプリケーションで CRM レコード一覧ビューを表示する方法をご紹介しました。次回は USD 内のセッションに CRM レコードを表示する方法をご紹介します。お楽しみに!

 - 小澤 英紀