Dynamics CRM 2015/Online 2015 更新プログラム 新しいフィールドの種類 : 概要

みなさん、こんにちは。

Microsoft Dynamics CRM 2015 および Microsoft Dynamics CRM Online 2015
更新で新しいフィールドの種類が追加されましたので紹介します。

背景と概要

Dynamics CRM はコーディングを必要とする開発を極力削減できるように、
新機能を追加しています。これには開発工数を下げるだけでなく、変更の
工数やテストの工数の削減、またリリースの速度やアップグレードの容易さ
確保といった目的があります。例えば以下のような機能があります。

- ワークフロー
- 業務ルール
- 操作、など

今回追加された計算とロールアップ列の機能は、これまで開発が必須であり
その性質からパフォーマンスにも影響の出やすいものでした。これらの機能
をプラットフォームとしてサポートすることで、開発者やカスタマイザーは
より容易かつ安全に計算やロールアップ機能を利用することができるように
なり、またアップデートやアップグレードに関する懸念も多いに減ります。

計算とロールアップ列はそれぞれが補完するように機能するため、多くの
シナリオをサポートできます。

新しいフィールドの種類

今回のリリースでは以下の種類が追加されました。

簡易: 新しい種類と区別するために設けられた種類でこれまでと同じです。
計算: レコードおよび親レコードのフィールドから値を計算できます。
ロールアップ: 子レコードのフィールド値を集計できます。

尚、ロールアップ列を計算の一部として利用することや、計算列の値を
ロールアップに利用するといった相互利用が可能です。

フィールドのデータの種類によって利用できる種類は異なります。

  計算 ロールアップ
1 行テキスト ×
オプション セット ×
2 つのオプション ×
整数
浮動小数点数 × ×
10 進数
通貨型
複数行テキスト × ×
日付と時間

 

GUI エディターサポート

計算、ロールアップともに設定は専用の GUI エディターで行うため、
コーディングは必要ありません。また見た目は業務ルールエディターと
ほぼ同じであるため習得も容易です。

計算列のエディターは列の指定や計算関数の指定に IntelliSense を利用
できるため、迅速かつ間違いの少ない設定が可能です。

既存機能との連携

計算、ロールアップともにフォームやビュー、またはグラフの列として
指定が可能です。但しビューで利用する場合、条件によっては並べ替えに
利用できない場合があったり、追加できる列数に上限があるなどいくつか
制限が存在します。制限の詳細は次回以降で紹介します。

またロールアップ列は今回追加されたエンティティの階層化機能とも
連携することが可能です。

まとめ

複数のフィールドの値を計算したり、子レコードの集計をすることは
よくあるシナリオであり、既に開発で実装している場合も多くあると
思います。今後の記事で計算とロールアップの詳細を紹介しますので、
既存の環境もこちらの機能に置き換えが可能か是非ご検討ください。

- 中村 憲一郎