Dynamics CRM 2015/Online 2015 更新プログラム カスタマイズ可能なヘルプ機能

みなさん、こんにちは。

Dynamics CRM 2015 新機能であるカスタマイズ可能なヘルプ機能についてご紹介します。
本機能は、設置型オンラインともに利用可能です。

追加された背景
これまで Dynamics CRM をご利用のお客様やパートナー様よりヘルプのカスタマイズに関する要望が
多くありました。これまでのバージョンでは、ヘルプのカスタマイズはサポートされておらず、
既定のヘルプも非表示にすることができませんでした。また、Dynamics CRM がカスタマイズ
されている場合、既定のヘルプが有効でなくなるケースがありました。
例えば、カスタマイズによりエンティティの名前を変更したり、カスタムフィールドを追加した場合、
ヘルプには該当のコンテンツは記載されていません。

Dynamics CRM 2015 ではヘルプを表示する際の URL を指定することが可能になりました。
これにより Dynamics CRM のヘルプメニューから独自のヘルプを表示することが可能になります。

カスタマイズ可能なレベル
グローバルカスタムヘルプ URL は、カスタマイズ可能なすべてのエンティティのヘルプのリンクに
統一した URL を指定することが可能です。
また、エンティティごとに個別の URL を指定することも可能です。これは対象のエンティティの
グリッドとフォーム上のヘルプのリンクの URL が置き換わります。
早速設定手順を見てみましょう。

事前準備
今回はカスタムヘルプを Dynamics CRM 2015 内の Web リソース ( HTML ) として登録し
Web リソースの URL を指定する方法を紹介します。
Web リソースには、グローバルカスタムヘルプ用、営業案件エンティティ用の 2 つを用意します。
1. Dynamics CRM 2015 にシステム管理者でログインします。
2. 設定 | カスタマイズ メニューから システムのカスタマイズ をクリックします。
3. Web リソース ( HTML ) を2つ登録します。

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4. Web リソースをダブルクリックして開き、URL を保持しておきます。
URL の文字列の間に / が2つ入っている場合は、リダイレクト時にエラーになるため
1 つ削除して保持しておきます。

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以上で、事前準備は完了です。

グローバルカスタムヘルプの設定
グローバルヘルプの URL に先ほど登録した Web リソース ( HTML ) のURLを指定します。
1. 設定 | 管理 メニューから システム管理 をクリックします。
2. 全般タブのカスタムヘルプの URL 設定を変更します。

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以上でグローバルカスタムへルプの設定は完了です。

エンティティごとのカスタムヘルプの設定
エンティティごとのカスタムヘルプの URL に先ほど登録した Web リソース ( HTML ) の
URL を指定します。今回は営業案件エンティティを例にしています。
1. 設定 | カスタマイズ メニューから システムのカスタマイズ をクリックします。
2. 該当のエンティティを選択し、全般タブのカスタムヘルプの URL にヘルプ先を指定します。

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3. 保存ボタンをクリックして公開します。

以上でエンティティのカスタムヘルプの設定は完了です。

動作確認
1. Dynamics CRM 2015 にログインします
2. ログイン直後の状態で、右上にあるナビゲーションメニューの「 ? 」ボタンをクリックします。

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3. グローバルカスタムヘルプに指定した URL 先のヘルプが表示されることを確認します。

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ダッシュボードやその他のメニューをクリックした状態でも同様のヘルプが表示されます。
なお、現時点では下記の赤枠部分の URL は置き換わりません。

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続いてエンティティのカスタムヘルプの動作を確認します。

4. 営業 | 営業案件メニューをクリックします。
5. 営業案件のビューが表示されている状態で、右上にあるナビゲーションメニューの
「 ? 」ボタンをクリックします。

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6. 営業案件エンティティのカスタムヘルプが表示されることを確認します。

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営業案件の特定のレコードを開いた状態でも同様のヘルプが表示されます。

パラメーター指定により言語切り替えが可能
URL に言語コードおよびエンティティ名をパラメーターとして指定することができます。

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これにより URL のパラメーターとして表示言語やエンティティ名の情報が付加されます。
グローバルカスタム URL の場合:
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エンティティごとのカスタム URL の場合:
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開発者は言語ごとのヘルプを表示するような機能をヘルプコンテンツに実装することが可能になります。

まとめ
いかがでしょうか。Dynamics CRM をご利用の方の多くが待っていた機能ではないでしょうか。
今回はカスタムヘルプに Dynamics CRM 内の Web リソースを指定した例を紹介しましたが、
すでに利用されている別システムのヘルプの URL を指定することも可能です。
是非、Dynamics CRM 2015 をご利用される際はご活用ください!

- プレミアフィールドエンジニアリング 河野 高也