Dynamics CRM 2014 年春/SP1 サーバー側同期 Exchange Online との電子メール連携

みなさん、こんにちは。

今回はサーバー側同期機能を利用した Exchange Online との電子メール連携を紹介します。

サーバー側同期機能は、Microsoft Dynamics CRM 2013 から追加された電子メール送受信
機能の一つです。これまで設置型でのみ対応していましたが、2014 年春バージョンで
Microsoft Dynamics CRM Online も対応しました。これにより、電子メールルーター を
設置する導入コストが抑えられるとともに、Office 365 上のみでシステムが完結する
とてもシンプルな環境構成が可能となります。

以下手順では、すべてトライアル版のみで構成しているので、是非お試しください。  

手順

各種体験版申し込み

1. https://crm.dynamics.com より Microsoft Dynamics CRM Online 体験版を申し込みます。

2. 組織作成完了後同じ Office 365 インスタンスに Office 365 E3 体験版を追加します。
同じブラウザで https://portal.microsoftonline.com/ へアクセスします。サインインを
求められた場合、上記で作成したアカウントでログインします。こうすることで
Microsoft Dynamics CRM Online と同じインスタンスに Office 365 を設定できます。

3. 画面右上の管理者メニューから 「Office 365」 をクリックします。

4. 左ペインにある「サービスを購入する」をクリックします。

5. サービスの一覧から「Office 365 Enterprise E3 試用版」を購入します。
試用版は、無償でクレジットカードの入力は不要です。

6. サービス購入だけではユーザーにライセンスが割当たらないため、ライセンス
を付与します。Office 365 ポータルの左ペインにある「ユーザーとグループ」 を
クリックします。

7.「アクティブなユーザー」 の一覧にある、申込時に指定したアカウントの表示名
をクリックします。 

8. 割り当てるライセンスのチェックボックスを選択します。(今回はすべて選択)

9.「保存」 ボタンをクリックします。

10.「Outlook」メニューをクリックします。

上記画面が開けば体験版申し込みは完了です。 

サーバー側同期の設定

次に Microsoft Dynamics CRM でサーバー側同期の設定を行います。

電子メールサーバープロファイルの設定

まず電子メールサーバープロファイルの設定を確認します。
※本来この設定は不要ですが、技術情報 297143 の問題を回避するため実施します。

1. 設定 | 電子メールアクセス構成 | 電子メールサーバープロファイルをクリックします。

2. 名前が「Microsoft Exchange Online」 のレコードを開きます。  

3. 以下のように設定して上書き保存します。

  サーバーの場所の自動検出: いいえ

  受信サーバーの場所/送信サーバーの場所:
   https://outlook.office365.com/EWS/Exchange.asmx

  

メールボックスの有効化

次は各メールボックス単位の確認および設定を行います。

1. 設定 | 電子メールアクセス構成 | メールボックスをクリックします。

2. ユーザーのメールボックスを開きます。

3. 受信メール、送信メール設定が 「サーバー同期または E-mail Router」 であることを確認します。
またサーバープロファイルで Exchange Online が指定されていることを確認します。

4. 電子メールはユーザーが勝手に変更できないよう、既定では承認制となっている
ため、「電子メールの承認」をクリックして電子メールを承認します。
※システム設定で挙動を変更できます。

  

5. 確認画面で「OK」をクリックします。

6. 設定が正しく行われているか確認するため、「メールボックスのテストと有効化」を
クリックします。

7. 確認画面で「OK」 をクリックします。

8. メールボックスの一覧に戻り、状態が“成功” となったことを確認します。尚、
テストは非同期で行われるため状態が変わらない場合、一定時間後画面を更新
してください。

 

動作確認

最後に動作を確認してみましょう。

1. Microsoft Dynamics CRM Online から電子メール活動を作成し、「送信」
ボタンをクリックします。宛先には、自身の会社のメールアドレスを設定
した取引先担当者のサンプルデータ「テスト担当者」を設定します。

2. 宛先に指定したメールアドレスにメールが受信されることを確認します。

3. 受信されたメールに対して返信します。

4. Microsoft Dynamics CRM Online を開き、営業 | 取引先担当者 をクリックします。

5. 「テスト担当者」データ開き、画面の中央にある活動タブをクリックします。

 

返信したメールが電子メール活動として登録されていれば正常に動作しています。
登録には少し時間がかかる場合があります。

トラブルシューティング

もし意図したように動作いない場合は、以下の点を確認してください。

 ・Exchange Online にメールが届いているか。

 ・設定 | 管理 | システム設定 | 電子メール をクリックし、
 「CRMユーザー間の電子メール追跡オプションの設定」が有効か。

  

 ・画面右上のユーザーオプション | 電子メールをクリックし、「追跡」
 オプションが意図したものとなっているか。
  
  

まとめ

これまで Microsoft Dynamics CRM Online をご利用のお客様が電子メール連携を
実施する場合、電子メールルーターの設置が必要でしたが、
今回の 2014 年春バージョン から同じ Office 365 インスタンスの Exchange Online を
利用することで、完全にオンライン上でシステムを構築することが可能になりました。

すでにご利用されているお客様や、今後提案をされるパートナーの皆様は
是非、Office 365 での構成をご検討ください!

 

- プレミアフィールドエンジニアリング 河野 高也