Dynamics CRM 2014 年春/SP1 サービスモジュールの新機能 その 1 サービスレベル契約

みなさん、こんにちは。

今回から数回で、Microsoft Dynamics CRM Online 2014 年春バージョン及び
設置型 用サービスパック 1 で提供されるサービスモジュールの新機能の内容
と使い方を紹介します。

概要

今回提供されるサービスモジュールの拡張は、サポート案件を中心とした機能
の拡張です。一般的なサポートサービスで必須となるサービスレベル契約や権利
営業時間の設定やルーティングおよびサポート案件レコード作成の自動化、また
重複したサポート案件の統合や関連のあるレコードの親子関連付けなどです。

今回はまずサービスレベルについて紹介します。

サービスレベル契約 (SLA)

SLA では、レコードの作成日や更新日などを起点に、特定の条件を満たした
レコードに対して、対応期限を設定することができます。また期限を過ぎた場合
や期限まて残り一定時間になったタイミングで、アクションを指定することが
できます。たとえば優先度が高いサポート案件レコードがされた場合、初回の
応答は 1 時間以内とし、期限の 30 分前に電子メールで通知、期限が切れた場合
担当者とそのマネージャーに電子メールで通知といったアクションを指定します。

サービスレベル契約 (SLA) の作成

では早速 SLA を作成してみましょう。以下の手順でサンプルの SLAを作成します。
またシナリオは以下の通りです。

- 優先度高のサポート案件は 1 時間以内に応答する
- それ以外の優先度について 2 時間以内に応答する。
- それぞれ期限の 30 分前、および期限が切れた場合にメールで通知する。

1. ブラウザで Microsoft Dynamics CRM に接続します。

2. 設定モジュールよりサービス管理を選択します。

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3. サービスレベル契約をクリックします。

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4. コマンドバーより新規をクリックします。

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5. レコードの新規作成画面が開くので、任意の名前を指定します。
ここでは「プレミア契約」としました。

6. 適用元で作成日を指定します。適用元はこのサービスレベル契約の基準と
なるフィールドが選択できます。

7. 上書き保存ボタンをクリックします。

次に SLA の詳細を入力します。

8. SLA の詳細サブグリッドで、右端にある「+」 ボタンをクリックします。

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9. SLA アイテムの作成画面が表示されます。

10. 名前を「最初の応答期限 - 優先度高」とし、関連するサポート案件フィールド
より、「最初の応答者」を選択します。
※最初の応答者となっているのは翻訳の誤りであり、最初の応答期限が正しい
言葉になります。この表記の問題は後日修正されます。

11. 条件を以下のように設定します。

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12. 成功の条件として以下を設定します。これで「送信された最初の応答」フィールド
が「はい」になると SLA の条件にマッチしたとみなします。上書き保存をクリックします。

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13. 次に SLA を満たせなかった場合 (失敗) ともうじき SLA を満たせなくなる場合(警告)
の時間とアクションを指定します。以下では 1 時間以内に初回応答が必要であり、
30 分経過時点で警告を行うものとします。またどちらの場合も電子メールで通知
するアクションを指定しました。

アクションはワークフローエディターと同じ方法で指定できますが、ワークフローに
比較すると選択できる内容は限定的です。

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尚、時間の指定はドロップダウンから既存の値を選択するほか、任意の値を手動で
指定することも可能です。以下は手動で 10 分を指定した例です。

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14. 保存して閉じるをクリックします。

15. 同じ手順を繰り返して、他の優先度の場合の SLA アイテムも追加します。

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16. SLA 条件は上から順番に確認していき、条件が一致したものが適用されます。
順番を並び替えたい場合、サブグリッド右端の矢印ボタンで変更可能です。

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17. すべての準備が整ったら、「アクティブ化」をクリックします。ワークフロー
同様、アクティブ化するまで SLA は有効になりません。

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18. 複数の SLA がある場合、既定の SLA を指定することも可能です。その場合は
該当の SLA で「既定として設定」をクリックします。

今回はサービスレベル契約 (SLA) を紹介しました。次回は SLA と関連の深い権利を
紹介します。

- 中村 憲一郎