Dynamics CRM 2014 年春/SP1 の新機能概要

みなさん、こんにちは。

今回はMicrosoft Dynamics CRM Online 2014 年春バージョン及び設置型
用サービスパック 1 で提供される新機能について概要を紹介します。
それぞれの詳細は随時紹介していきます。

サービスモジュールの機能拡大

今回の新機能の中で最もボリュームがあるものが、このサービスモジュール
機能の拡大です。今回は以下の機能を追加で提供します。

サービスレベルアグリーメント (SLA)
初期応答時間や対応完了時間など、複数の指標について SLA を定義できる
要になります。また SLA を守れなかった場合に自動実行されるアクション
を定義することも可能です。また複数のレベルの SLA を作成できます。

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タイマーコントロール
SLA までの残り時間を表示するためのコントロールを提供します。

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権利
作成した SLA を適用できる権利を製品や担当といった単位で指定できる
権利を作ることができます。権利には有効期限やサービスを消費できる
単位 (時間か件数か) またそのチャネルなどを指定できます。

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サポート案件の自動作成
特定のキューに着信した電子メールから自動的にサポート案件を作成
することができます。これまでは電子メール活動を手動でサポート案件
に変換する必要があったため便利になります。

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プライベートキューとキューのメンバー
不要なキューが見えないように、キューにプライベート属性を設定する
事がでます。またプライベートキューにメンバーを追加することで、他
のメンバーとキューを共有できます。

休日と営業時間
サポート部門の営業時間や休日を指定することで、その時間帯を SLA の
カウントから除外することができます。たとえば 2 時間以内に応答する
必要がある SLA が適用されたサポート案件が夕方 5 時に着信した場合、
営業時間が夕方 6 時までとすると、6 時以降はカウントを自動で止め、
翌朝の営業開始時間よりカウントを再開します。

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サポート案件の親子設定/統合
類似したサポート案件を 1 つの親サポート案件に紐づけて管理する機能
を提供します。親案件をクローズした場合の処理なども指定可能です。
また複数のサポート案件を 1 つのレコードに統合することもできます。

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ルーティング規則
指定した条件に基づいて自動的に任意のキューに転送することができます。

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サービスの管理
上記で紹介したサービス関連の設定をすべて行える画面が別途提供されます。

サーバー側同期

設置型に続き、Microsoft Dynamics CRM Online 環境でもサーバー側
同期が利用可能となります。またオンライン環境では SharePoint 同期も
新しい機能が提供されます。

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尚、ログイン時に表示される以下の警告は管理者にのみ表示されます。
非表示にすることはできませんのでご了承ください。

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テストインスタンスの新機能

Microsoft Dynamics CRM Online でのみ、こちらの記事で紹介した
テストインスタンス機能が提供されます。現時点ではまだ機能が
提供されていませんが、提供され次第情報を公開いたします。

コマンドバー

これまで最大 5 つまでコマンドが表示できたコマンドバーですが、今回の
バージョンより 7 つまで表示することができます。この機能は新機能を
有効にする必要はないため、パッチを適用していただいた時点より有効に
なります。

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SDK
SDK では新しいツールが複数提供されます。詳細は後日紹介いたします。

タブレットアプリケーション
利用可能なエンティティが追加されました。またサインアウト、再構成が
行えるようになりました。

次回よりサービスモジュールの新機能を数回に分けて紹介します。
お楽しみに!

- 中村 憲一郎