Dynamics CRM 2013 サーバー側同期 その 3

みなさん、こんにちは。

今回は Exchange Server 2013 に対してサーバー側同期を設定
することで、詳細を紹介していきます。概念については以下
リンクをご参照ください。

Dynamics CRM 2013 サーバー側同期 その 1
Dynamics CRM 2013 サーバー側同期 その 2

電子メールサーバープロファイルの作成

まず利用する Exchange サーバーを電子メールサーバー
プロファイルとして追加します。

1. 設定モジュールより電子メールアクセス構成を選択します。

2. 電子メールサーバープロファイルをクリックします。

3. 新規ボタンより Exchange プロファイルを選択します。

4. 任意の名前と説明を入力します。ここでは Exchange 2013
設置型を入力しました。

5. Exchange でサーバーの自動検出が有効な場合、サーバーの
場所の自動検出を「はい」にします。

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自動検出が利用できない場合は、「いいえ」を選択することで
Exchange Web サービスアドレスを入力できます。

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6. 資格情報で、受信接続の認証方法より任意の方法を設定します。
ここではユーザーまたはキューで指定した資格情報を選択します。
この場合、各ユーザーおよびキューのメールボックスで個別に資格
情報を入力する必要があります。

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7. 偽装が必要な場合、偽装を使用するオプションを有効にします。
今回はユーザーごとに権限を設定するので偽装は利用しません。

8. 送信接続で受信接続と同じ設定を利用するか、異なる設定を
利用するか指定できます。今回は受信接続と同じ設定をそのまま
利用します。

9. 詳細タブを展開します。受信ポートを設定します。
※ SSL は既定で必須です。いいえを選択するには別途設定する
必要がありますが、今回は既定の設定である SSL を利用します。
また本番環境では、セキュリティのため SSL を必ず利用すると
思いますので、テスト環境でも是非 SSL で検証してください。

10. 認証プロトコルを選択します。ここでは自動検出を利用します。

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11. 失敗した電子メールを [配信不要] フォルダーに移動する設定
を必要に応じて変更します。

12. 処理対象の日付を指定します。どの程度古い電子メールを
取り込むか指定します。

13. 環境に応じて同時接続の最大数、最小ポーリング間隔を設定
します。ここでは既定の設定を利用します。

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メールボックスの設定

作成したプロファイルの指定や電子メールの処理方法を設定
する必要があるため、メールボックスを編集します

1. 設定モジュールより電子メールアクセス構成を選択します。

2. メールボックスをクリックします。

3. 任意のメールボックスを開きます。

4. 同期方法で先ほど作成したサーバープロファイルを指定します。

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5. 受信メール、送信メールおよび予定、取引先担当者、タスクの
同期方法を設定します。今回はすべてサーバー側同期を利用する
ように設定します。

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6. 資格情報で、電子メール処理での資格情報の使用を許可する
を「はい」に変更します。これは作成済の電子メールサーバー
プロファイルにてユーザーまたはキューで指定した資格情報を
利用するよう指定したため必須です。

7. ユーザー名をパスワードを指定します。

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8. 上書き保存ボタンをクリックして設定を保存します。

9. まだ電子メールが承認されていない場合、電子メールの承認
ボタンをクリックしてメールを承認します。

設定のテスト

設定が終わったので、次に正しく構成できているかテストを
行います。テストは電子メールサーバープロファイルレベル
またはメールボックスレベルで実行できます。

サーバープロファイルからのテスト

1. 電子メールサーバープロファイルを開きます。

2. メールボックスのテストを有効化をクリックします。

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3. 関連付けられたメールボックス全てに対してテストを実行する
旨メッセージが出るので、OK をクリックします。

4. 関連よりメールボックスをクリックします。メールボックスの
一覧が表示され、テストの結果も確認できます。

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メールボックスからのテスト

1. 任意のメールボックスを開きます。

2. メールボックスのテストを有効化ボタンをクリックします。

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3. 構成テストの結果タブで結果を確認できます。

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4. Outlook または OWA で送信テストに使われたメールを
確認できます。

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通知機能

なんらかの理由でテストが失敗した場合、通知機能を利用して
エラーの詳細を確認することが可能です。またテスト時以外にも
問題が発生した場合に通知が行われます。

1. 任意のメールボックスを開き、間違ったパスワードを資格情報
で指定します。

2 上書き保存後、メールボックスのテストを有効化よりテストを
実施します。

3. F5 キーを押下して画面を更新します。テスト結果が失敗になる
ことを確認します。

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4. 関連より通知をクリックします。以下の警告が表示されます。

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5. テストに失敗した場合、はじめは警告として表示されますが、
リトライを行ってもテストが成功しない場合、最終的には以下の
エラーが通知されます。

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通知はメールボックス、電子メールサーバープロファイル、又は
営業モジュールから通知を選択することでそれぞれ表示が可能で
あるほか、システム設定によって通知する内容を制御できます。

[システム設定 - 電子メールタブ]
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既定ではすべての通知を受け取ります。

同期対象の設定

同期対象は以下手順で設定が可能です。

電子メール

1. 画面右上のネジアイコンより、オプションを開きます。

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2. 電子メールタブを選択し、追跡から任意の設定を選択します。

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取引先担当者、予定、タスク

1. 上記と同じ個人用オプションの設定から同期タブを選択します。

2. フィルターリンクをクリックします。

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3. 同期フィルターで任意の設定を行います。既定では自分が所有
するレコードのみ同期対象となります。

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まとめ

サーバー側同期では電子メール同期機能と取引先担当者、予定、
タスクの同期機能が提供されるため、まずはこの 2 つの機能を
混同しないことが重要です。両方の機能を利用するためには、
Exchange Server が必要となりますが、サポートされない構成の
場合は、引き続き Outlook クライアントや電子メールルーター
を利用する事で同様の同期が実現可能です。

- 中村 憲一郎