Dynamics CRM 2013 サーバー側同期 その 2

※2013/12/12 メールボックスエンティティについて一部表現修正

みなさん、こんにちは。

前回に続き Microsoft Dynamics CRM 2013 の新機能であるサーバー側
同期の情報をお届けします。今回は新しく追加された要素を紹介します。

電子メールアクセス構成

サイトマップに新しい項目として、設定 | 電子メールアクセス構成が
追加されています。こちらに新しい要素が含まれています。

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電子メールサーバープロファイル

使用する電子メールサーバーを設定します。作成できるサーバー種類
は、Exchange および POP3/SMTP です。

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予定、取引先担当者、タスクの同期をサーバー側同期で利用したい場合
必ず Exchange プロファイルが必要となります。対応している Exchange
サーバーは最新の実装ガイドをご覧ください。

※Exchange Server 2003、2007 はサポートされません。

サーバープロファイルでは認証の方法を送信、受信個別で設定する事や
偽装を使用するかなど設定できる他、同時接続数など細かな設定が可能
です。尚、パスワードの管理も含め、HTTPS での通信が必要となります
ので事前に構成を行ってください。

[詳細設定]
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メールボックス

これまで電子メールアドレスや同期方法の設定は、ユーザーレコード
またはキューレコードで直接設定していましたが、今回のバージョン
から電子メールに関連する設定はメールボックスエンティティという
新しいエンティティに切り出されました。

ユーザーまたはキューを追加することで関連するメールボックスの
レコードが自動的に作成されます。

尚、このメールボックスエンティティのレコードはあくまで情報を
保持するためのレコードであり、Exchange Server のメールボックス
とは異なりますのでご注意ください。電子メールの送受信は、今回
紹介しているサーバー側同期や電子メールルーター、または Outlook
クライアントによってメールサーバーと連携することで実現する点
は以前のバージョンと同様です。

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ユーザーレコードから電子メールアドレスの設定は行えますが、同期
方法を指定することはメールボックスからのみ可能となります。また
メールボックスでは同期方法以外にも電子メールの承認や構成、テスト
が行るため、電子メール関連の設定はすべてメールボックスに移された
事になります。

同期方法

今回のバージョンから同期方法として、予定、取引先担当者、タスクが
追加されました。この設定は各メールボックスで設定が可能な他、全体
設定として、システム設定からも指定が可能です。

[メールボックスでの指定]
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[システム設定での指定]
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システム設定で指定された設定は新規メールボックス作成胃に利用する
他、メールボックスの一覧画面から既存のメールボックスに対して一括
設定することも可能です。

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電子メールルーターからの移行

E-mail Router データの移行メニューを利用することで、すでに構成済の
電子メールルーターの情報を電子メールサーバープロファイルへと変換
可能です。詳細は別途紹介します。

電子メールアクセス構成の設定

こちらのメニューはシステム設定へのリンクです。

まとめ

旧バージョンから以降した場合、メールボックスがユーザーやキュー
に対して追加された点をまずご認識いただくことが重要だと思います。
既に電子メールルーターを利用している場合は急いでサーバー側同期
に以降する必要はありませんが、予定、取引先担当者、タスクの同期
も行えることから、Exchange 環境では是非以降をご検討ください。

次回は実際に設置型の Exchange Server 2013 に対して構成します。

- 中村 憲一郎